12月12日に東京ドームで開催される第30回アメリカンフットボール社会人選手権ジャパンエックスボウル(JXB)に向け、激戦を勝ち抜いた4強が出揃った。11月27日に、富士通スタジアム川崎で行われる富士通フロンティアーズ対IBMビッグブルーと、同日、ヤンマースタジアム長居で行われるパナソニックインパルス対オービックシーガルズの一戦は、見どころ満載の好試合になること必至だ。

富士通フロンティアーズLB16ニクソン・トラショーン(ニューメキシコ大)

IBMのNo.1攻撃対富士通No.1守備

富士通とIBMの一戦は第1節の再戦カードだ。この時は29対24で富士通に軍配が上がったが、レギュラーシーズン、クォーターファイナルを経て、両チームのコンディションを含めた状況は、大きく変化している。

初戦時のIBMはエースQBケビン・クラフト(UCLA)が負傷欠場。新人QB政本悠紀(早稲田大)が一試合を通じて率いた。クラフトは第4節のLIXILディアーズ戦から復帰。以降、クラフトの爆発力と政本の走力を融合した攻撃を実現している。レギュラーシーズン6戦平均で418.3ヤードの獲得距離はリーグ1位。33.8得点は2位と、リーグトップクラスの得点力を発揮している。

クォーターファイナルでは、課題だったターンオーバー(レギュラーシーズン計13インターセプト、5ファンブルロスト)を改善し、第4節で48対52と競り負けたLIXILに被ターンオーバーゼロの末に37対16と快勝。中盤戦以降負傷欠場していたDEジェームス・ブルックス(アリゾナ州立大)も戦列復帰するなど、初戦での対戦時よりもチームコンディションは向上している。

クォーターファイナルでアサヒ飲料を42対6で下し、ここまで全勝の富士通は、第4節のパナソニック戦で負傷して以降、戦列を離れていたWR中村輝晃クラーク(日本大)が復活し、8捕球119ヤード1TDと活躍。しかし、RBジーノ・ゴードン(ハーバード大)が前半で負傷退場するなど、チームコンディションには苦しんでいる様子だ。

一方で、シーズンを通じて安定感を発揮しているのが守備だ。レギュラーシーズンではリーグ最少の平均9.0失点。特に2年目のLBトラショーン・ニクソン(ニューメキシコ大)の活躍が目立っている。レギュラーシーズンでは19タックル▲44ヤード、4QBサックを記録。加えてミーティングでも他のLBのメンバーにアドバイスするなど、コーチ的な役割を担ってチーム力向上に貢献している。

攻撃力のIBMか、富士通の守備力か。『ナンバーワン攻守』の戦いは熾烈を極めそうだ。

オービックシーガルズWR18木下典明(立命館大)

オービックWR木下とパナソニックQB高田の『朋友対決』

社会人選手権制覇回数共に8回を誇るパナソニックとオービックの一戦は、6年ぶりに実現したリーグ屈指の好カードだ。1995年以降、9回対戦している両チームの通算戦績はパナソニックが6勝3敗と大きく勝ち越している。オービックからみればパナソニックは天敵とも言うべき存在だ。

特にパナソニックの本拠、大阪での対戦は過去6度あるが、オービックが勝利したのはXリーグ初代王者(※)となった1996年の準決勝1回のみ。オービックにとって大阪でのパナソニック戦は『鬼門』になっている。

3年ぶりの王座奪還を目指すオービックにとって、パナソニックは越えなければならない最大の壁と言っても過言ではない。

そんな一戦で注目されるのは、パナソニックQB高田鉄男とオービックWR木下典明の朋友対決だ。

大産大附属高、立命館大、そして日本代表と長くホットラインを組んできた二人だが、公式戦では初対戦になる。

大学卒業後、長くNFL挑戦を続けてきた木下がオービックの一員になったのは2011年。この年のJXBでMVPを授賞する活躍を演じて以降、4連覇時はいつも勝負所の大一番で勝負を決めるビッグプレーを演じてきた。今季は攻撃の改善により活躍の機会が連覇時並みに増えている。加えて第3節のLIXIL戦では2キックオフリターンTDを決めるなど、リターナーとしても好調だ。

一方、1学年上の先輩にあたるパナソニックQB高田は、2007年と昨2015年の二度、JXBのMVPを授賞。インターセプトリスクを回避し、勝負所をきっちり押さえるベテランならではのクォーターバッキングは今季も健在だ。

パナソニック、オービック共に強力な守備を持っている。両チームの攻撃の切り札としてどちらが風穴を開けることができるかに注目だ。

(※)当時はリクルートシーガルズ

 

JXBトーナメント・セミファイナル

11月27日(日)13:00   パナソニックインパルス×オービックシーガルズ        ヤンマースタジアム長居

11月27日(日)13:00   富士通フロンティアーズ×IBMビッグブルー