ヤンキースの抑え右腕、デリン・ベタンセス投手が来春の第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)で出生国のアメリカではなく、両親の出身地であるドミニカ共和国代表として参戦することを明言した。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。■出…

ヤンキースの抑え右腕、デリン・ベタンセス投手が来春の第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)で出生国のアメリカではなく、両親の出身地であるドミニカ共和国代表として参戦することを明言した。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。

■出生国のアメリカではなく両親の出身地を選択、「家族の誇りになりたい」

 ヤンキースの抑え右腕、デリン・ベタンセス投手が来春の第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)で出生国のアメリカではなく、両親の出身地であるドミニカ共和国代表として参戦することを明言した。地元紙「ニューヨーク・ポスト」が報じている。

 ベタンセスは2006年のドラフト8巡目でヤンキースから指名された生え抜きのクローザー。100マイル(約160キロ)に達する速球を武器に活躍し、3年連続でオールスターに選出されている。ニューヨーク出身だが、ドミニカ共和国代表としてWBCに出場するという決断を下したようだ。

 記事では「ドミニカの祖先に敬意を示すため、デリン・ベタンセスは2017年3月9日にマイアミで開幕するトーナメントに参加し、WBC王者の座を守るためマウンドに立つだろう」と言及。本人は「両チームともに僕にプレーしてもらいたがっていたが、DR(ドミニカ)でプレーすることを決めた。僕の家族の出身地で家族の誇りになりたい」と語ったという。

 2013年大会の優勝国のドミニカでは、すでにオリオールズのスター選手、マニー・マチャド内野手が参戦を宣言している。記事では、ヤンキースで今季の新人王候補に選出されたゲーリー・サンチェス捕手もドミニカ代表として参加する可能性があるとレポート。スペイン語版のMLB公式インスタグラムでは、前回大会でも優勝に貢献したロビンソン・カノ、ネルソン・クルーズ(ともにマリナーズ)、エドウィン・エンカーナシオン(ブルージェイズからFA)らを加えたスタメン予想を掲載しており、強力な陣容になりそうだ。他にも、ピンストライプの名門からはディディ・グレゴリウス内野手がオランダ代表、ルイス・セッサ投手がメキシコ代表に選出される可能性もあるという。

■田中の参加は? 「日本を助けるかもしれないが…」

 ただ、シーズン前に開催されるWBCに出場することで、ケガの可能性が高まることも確か。球団としては大きな懸念材料となるが、記事では「ベタンセスは3月で29歳になる。過去3シーズンで247イニングを投げた。3月に初旬に連続イニングを投げることに関していくらか不安が付きまとうだろう」とした上で、「しかし、故障などの問題がない限り、選手のWBC参加を許可するよう、MLBは球団に対して求めている。球団は、故障を抱えていない選手を参加禁止にすることはできない」としている。

 また、同紙は田中将大投手のWBC参戦の可能性も分析。「マサヒロ・タナカは日本を助けるかもしれないが、ヤンキースのエースはオプトアウト(契約破棄)の権利を行使し、2017年以降のシーズンにフリーエージェント(FA)となることができる。だから、彼は故障を避けようとするかもしれない」と、代表選出を回避する可能性もあると指摘している。

 WBC出場国ではメジャーリーガーが続々と参加を表明している。王座奪回を目指す日本代表の前には、多くの強敵が立ちはだかることになる。