テニス界の問題児ニック・キリオス(オーストラリア)は、現在ATPツアーに参戦していない。彼は、新型コロナウイルスによるパンデミック拡大防止の観点から、再開されたプロテニストーナメントの欠場を決…

テニス界の問題児ニック・キリオス(オーストラリア)は、現在ATPツアーに参戦していない。彼は、新型コロナウイルスによるパンデミック拡大防止の観点から、再開されたプロテニストーナメントの欠場を決め、おそらく2020年のシーズン中は大会に出場しない。だが、彼はコートの外で「ニック・キリオス財団」の活動に忙しくしている。ウェブメディアEssentially Sportsが報じた。【動画】キリオスの神業から奇行まで。魅力たっぷりの2019年ハイライト

キリオスは、首都キャンベラのオーストラリア首都特別地域(ACT)にあるガンガーリン・テニス場を、自身の財団を通じてサポートすることを発表。キャンベラに住む彼は、そこに住む恵まれない境遇の子供たちを支援し、自分の可能性に気付いて欲しい、そしてテニスの楽しさを伝えたいと考えている。

「恵まれない子供たちにチャンスを与えたい。子供たちがここに来て、一緒にテニスができるように資金援助をしていきたい。これと同様な施設をもう一つ作りたいし、僕の基金が助けになれたらと考えている。そして願わくば子供たちがテニスを大好きになって、その人生に素晴らしい事が起こってくれたらと願っているんだ。僕は、ただここにやって来て皆のハッピーな顔が見られたらそれでいいんだよ」とキリオスは言う。

キリオスの「NK財団」は、18歳以下の子供たちが年間を通じて無料でテニスレッスンを受けられるようにする。チームを作り定期的な遠足やチームでの活動を取り入れ、人との繋がりを持つことを重視していく。

テニスACTの代表者Kim Kachelは、ニック・キリオスの努力と寛大な経済的支援を絶賛する。「ニックはこれまでもキャンベラの地元のテニス界にとても協力的でいてくれました。NK財団の支援のお陰で子供たちがテニスをするチャンスを得られる事に、とても興奮しています」

自身のテニスについては、キリオスは2020年内の大会参加には悲観的だ。現在も、パンデミックの際中にトーナメントを開催することに反対している。同胞の世界女王アシュリー・バーティ(オーストラリア)も、「全仏オープン」には出場せず昨年獲得したタイトルの防衛をしないと発表し、周囲を驚かせた。

キリオスは、パンデミック中のテニス界や選手たちの動向に批判的な態度をとってきた。何人かの選手の行動や、イベント主催団体のウイルス感染防止策の甘さを声高に非難してきている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「デビスカップ」でのキリオス

(Photo by Alex Pantling/Getty Images)