日本人投手初のサイ・ヤング賞受賞はなるのか。60試合で争われている今季のメジャーリーグで、カブスのダルビッシュ有投手が…

 日本人投手初のサイ・ヤング賞受賞はなるのか。60試合で争われている今季のメジャーリーグで、カブスのダルビッシュ有投手が開幕から圧倒的な投球を続けている。18日現在でリーグ最多タイの7勝(2敗)を挙げ、防御率は同2位の1・86。79奪三振は同4位と主要タイトルでもトップ争いを繰り広げている。

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ダルのサイヤング賞可能性について岩村氏「フィフティーフィフティー」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/darvish-cy-young-award-winner-possibility/



 メジャー公式HPでは17日にサイ・ヤング賞争いを特集。現時点での予想として、ダルビッシュはメッツのジェーコブ・デグロムを抑えナ・リーグ1位となった。記者38人の投票でダルビッシュに17人、デグロムに15人という僅差。ア・リーグはインディアンスのシェーン・ビーバーが38人の満票を集めてトップだった。

 通算511勝の名投手、サイ・ヤングの名を冠とするこの賞は、文字通り最も優れた投手に贈られる。日本の沢村賞と異なる点は、沢村賞は両リーグ通じて1人の選出だが、サイ・ヤング賞は両リーグから1人ずつ、計2人の選出であること。そして「先発完投型」を念頭に置いた沢村賞に対し、サイ・ヤング賞は最優秀投手の観点の元、救援投手が受賞することもある。全米野球記者協会所属の記者60人による投票で決まる。

 これまで日本人投手がサイ・ヤング賞の栄誉に輝いたことはない。では、最も近い位置にたどりついた選手は誰なのだろうか。

 過去、最もサイ・ヤング賞に近かったのが、メジャー2年目となる2013年のダルビッシュだった。レンジャーズに在籍していたこのシーズンは、32試合に先発して13勝9敗、防御率2・83。277奪三振はリーグトップで初タイトルを手にした。サイ・ヤング賞投票では惜しくも2位。栄冠は当時タイガースのマックス・シャーザー(21勝3敗、防御率2・90、240奪三振)に輝いた。

 この年は実は投票3位も日本人投手。同じくメジャー2年目だったマリナーズの岩隈久志が33試合に先発し、14勝6敗、防御率2・66、185奪三振で、ダルビッシュに次ぐ票を集めた。

 2人に続くのがご存じ野茂英雄。メジャー1年目と2年目の、1995、1996年と、2年連続でサイ・ヤング賞投票で4位だった。1995年はブレーブスのグレグ・マダックスが4年連続4度目の受賞。1996年は同じくブレーブスのジョン・スモルツが受賞している。野茂は3年目以降は投票されることはなかった。

 野茂と同様に4位投票があったのが、レッドソックス時代の松坂大輔投手。メジャー2年目の2008年、29試合に先発して18勝3敗、防御率2・90、154奪三振の成績を残した。この年は当時インディアンスのクリフ・リーが初受賞した。

 ヤンキース・田中将大は3年目の2016年に投票され、7位だった。この年は31試合に先発し、14勝4敗、防御率3・07という成績だった。

 救援投手で投票を受けた投手も2人いる。1人目がドジャース・斎藤隆。1年目の2006年、シーズン途中からは抑えも務め、72試合で6勝2敗24セーブ、防御率2・07、107奪三振という素晴らしい数字を残し、投票で8位に入った。

 続いたのがレッドソックス・上原浩治。ワールドチャンピオンとなった2013年の7位だった。73試合に投げ4勝1敗21セーブ、防御率1・09、101奪三振をマークした。

 投票を受けた投手はここまで。日本人投手歴代2位の79勝を挙げた黒田博樹や、前田健太ら名だたる投手たちでさえ一度も投票すら受けられない難関だ。

 今季は異例のショートシーズンとなるため、記録には*(アスタリスク=注釈)が付き、通常のシーズンとは異なる扱いとなる可能性が高い。それでもダルビッシュが日本人投手初の栄冠に輝けば、今季みせている圧倒的なパフォーマンスそのものに疑問の目を向ける者はいないだろう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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