野球界にまた新たな風が吹くかもしれないー。プロ野球は先日、日本のドラフト指名を拒否して海外球団と契約した選手が日本に戻…

 野球界にまた新たな風が吹くかもしれないー。

プロ野球は先日、日本のドラフト指名を拒否して海外球団と契約した選手が日本に戻ってきた場合、一定期間日本のプロ野球球団とは契約が出来ないという、いわゆる「田澤ルール」の撤廃を決定した。

この決定について、かつてメジャーリーグでプレーし、現在はBCリーグ福島レッドホープスで監督兼球団社長を務める岩村明憲さんに話を聞いた。

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田澤ルールの前に変えるべきことは沢山ある

 

 今回の田澤ルール撤廃について、岩村さんはこのように考えているという。

「一つ野球界が進歩したんじゃないでしょうか。そもそもこのルールの根底にあるのは人材の流出なんですよね。
これは個人的な考えなんですが、田澤ルールの前に変えなきゃ行けないことっていっぱいあると思っていて・・・。
僕たちがアメリカにいく頃は、日本で結果を残してからじゃないと行けないというのはありました。その中で、FA権取得までもっと短くして欲しかったなというのはありますね。FA権取得まで9.10年かかるので。その上僕たちの頃は大学・社会人卒は逆指名制度があった一方で僕ら高校生はその権利もなかったですから・・・。」

今回のルール変更以前に、より選手が柔軟にプレーできる環境が必要なのではと語る岩村さん。

だが、自らがアメリカでプレーするきっかけを与えてくれたヤクルトに対しては、

「かと言って僕はヤクルトスワローズに凄く感謝しているし、スワローズに入って色々なことを教わって育ててもらって今があるので、入って良かったなと心から思っています。
今回こうやって田澤が日本に戻ってきてルールが変更になった。ちょっとでも昔のルールが現行に合わせて少しずつ変わり、今後もっと日本とアメリカの行き来ができれば、野球界のためにも繋がるとは思いますね。」

と、改めて感謝の言葉を述べるとともに、今後の野球界発展のきっかけになるのではと期待を寄せた。

チャレンジする上でのリスクはある

さらに岩村さんは、今回のルール撤廃による、球児たちやアマチュアからプロを目指す選手たちの選択の幅が広がる可能性について、このように話している。

「選択の幅が広がるというのは、もちろんあると思います。
大谷くんのように日本で数年やってからアメリカへいく選手ももちろん出てくると思いますしね。
ただ、そこの影には色々な大人のアドバイスというのはあると思っていて・・・。
日本を下に見ている訳ではないですが、いきなり国を変えて、生活習慣も文化も違うところへ若いうちからいくというのは凄くチャレンジャー。
そう言ったことを含めて野球以外のスポーツで若くして成功している選手が沢山いるのはわかっているんですけれども、リスクはやっぱりあると思うんですよね。
人生長い目で見たら、その時の苦労が凄く生きてくるというのはわかりますが、野球選手として生きていく以上、15年から長くて20年。平均でいうと6〜8年。その中で2.3年アメリカに行ってきますでは勿体無い気もするんですよね・・・。
そこに関しては、周りの大人が、夢だけじゃなくて・・・という人もいれば、チャレンジしてみなよという人ももちろんいると思うので、人それぞれだとは思いますね。」

日本のファンにいろんなことを経験したピッチングを見せて欲しい

田澤ルールが撤廃されたことで注目されるのは、やはり田澤の「NPBデビュー」だろう。

現役時代は、田澤との対戦はなかったという岩村さん。今回、日本球界に「参入」する可能性がある田澤について、岩村さんはこう話す。

「あれだけ自分の力でアメリカへ行って、通訳も付けずにやっていた訳ですから、彼が経験した多くのことは、少なからず日本の野球界へもたらす部分はあると思います。後は、年齢も重ねていますし、日本のバッターもそう簡単には抑えられないかもしれませんが、あれだけメジャーで実績を挙げているピッチャー。日本のファンにいろんなことを経験したピッチングを見せて欲しいですね。是非頑張って欲しいです。」

最後に、そんな田澤が、もし「NPBデビュー」するとしたら、どの球団が面白いかを岩村んに尋ねると、こういった返答をいただいた。

「そこはどこの球団でもいいんじゃないでしょうかね。
必要とされたところで120%投げ切ると思いますし、チームが変わればそこはしっかりと発揮してくれると思います。
今回の澤村くんのトレードもそうですが、チームがどんどん入れ変わっていた方がいいと思うんですよね。
もちろん愛着という部分だったり、長年応援しているファンの方もいるとは思います。
ただ、チームが変わっても、澤村くんは澤村くんだし、ジャイアンツで培ったものを今度はロッテで発揮するだけで、彼自身が変わった訳ではないんでね。澤村くんのファンは彼のことを応援すればいいだけだと思いますし。
もっともっとアメリカ含め、選手の行き来が活発化していけば、もっといい形で野球界が発展していくと思います。」

今回の田澤ルール撤廃によって、球児たちやアマチュアからプロを目指す選手たちにとっても、多くの選択肢と可能性が広がることに繋がっていくだろう。

今後のさらなる野球界の発展、そして田澤の「NPBデビュー」の行方にも是非注目していきたい。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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