今季初となる対外試合は、東洋大相手に大敗を喫した。今試合は、新型コロナウイルス予防対策実験試合として位置づけられ、無観客で行われた。早大は、第1ピリオド(P)から3点を決められ、東洋大に試合の主導権を握られると、続く第2Pでも次々と得点を…

 今季初となる対外試合は、東洋大相手に大敗を喫した。今試合は、新型コロナウイルス予防対策実験試合として位置づけられ、無観客で行われた。早大は、第1ピリオド(P)から3点を決められ、東洋大に試合の主導権を握られると、続く第2Pでも次々と得点を許す展開となる。最終Pではどうにか2点を返したものの、反撃は及ばず2-7で敗北。約1カ月後に開幕する関東大学リーグ戦(リーグ戦)に向けて多くの課題を残す試合となった。

 「第1P開始直後から相手のプレースピードに対応できなかった」とFW前田悠佑(社学4=東京・早実)が振り返るよう、立ち上がり直後から東洋大優勢で試合は進んでいく。早大は試合開始4分過ぎには、はやくも先制点を許すと、その後もDFの詰めの遅さを突かれ、終盤にも2点を追加される。第2Pでも、攻撃の手を緩めない東洋大の前に、4つものペナルティーを与え、その隙に3点の追加点を許す。結果、6点の大量ビハインドで最終Pへと突入。


次々に東洋大に得点を許していく早大

 どうにか反撃を試みたい早大の初得点はFW杉本華唯(スポ3=北海道・駒大苫小牧)のシュートから生まれた。試合開始から41分11秒、ゴール前にパックを運ぶと、 相手GKの正面からシュートを決め、ようやく得点を挙げる。ここから徐々に早大がパックをアタックゾーンに運び始め、50分32秒には、DF篠田純希副将(スポ4=北海道・苫小牧東)からの鋭いパスに前田が合わせゴールを揺らす。この日初めて見せた早大らしい攻撃だった。その後もPPに持ち込み、チャンスを作るが反撃もここまで。終わってみれば、最終スコア2-7とFW生江太樹主将(スポ4=北海道・釧路江南)、FW澤出仁副将(スポ4=北海道・武修館)を欠いた試合とはいえ、東洋大との差が露呈する試合となった。


得点を決め喜ぶ前田(右)と第1セットの選手たち

  特に、シュート数の差は、早大12、東洋大41と歴然としている。シュート体制に持ち込まなければ、得点は生まれない。シュート体制に持ち込むために、パック支配率をいかに上げていけるかが、今後の勝負の鍵となるだろう。内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)は今後の課題について「全てです。怠けない心、強い気持ち、多い運動量、丁寧なパス・レシーブ、シュートは必ず枠に入れる。」と口にした。リーグ戦開幕まで残り約1カ月。どれだけ課題を解決して開幕戦に臨めるかに注目が集まる。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 林夏帆、写真 細井万里男、岡すなを)

※( )内はシュート数

結果
早大ピリオド東洋大
0(5)1st3(19)
0(4)2nd3(14)
2(3)3rd1(8)
2(12)7(41)
得点経過
チーム時間ゴールアシスト1アシスト2PK/PP
東洋大04:41橋本武部虎武部太
東洋大16:11藤原前田
東洋大18:04阿部猪狩
東洋大21:27阿部猪狩
東洋大22:59中島久米石田PK
東洋大33:52小堀武部虎PP
早大41:11杉本大塚鵬
東洋大44:11中島猪狩磐田PP
早大50:32前田篠田大塚脩
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セットFWFWFWDFDF
鎌田木綿前田篠田大塚脩
杉本冨田 大塚鵬務台住友
金井真江島伊藤吉野金井知
川本草島
GK村上、千葉
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――今季初の対外試合でしたが、チームとしてこの試合をどのように位置づけて臨んだのでしょうか

今日は、新型コロナウイルス予防対策実験試合として、大会を成立させるため、プレーはもちろんのこと3密を回避する運営のあり方について「どうあるべきか」を念頭に置いて臨みました

――序盤から相手チームに押され続ける厳しい展開が続きました。敗因はどこにあったとお考えでしょうか

予想はしておりましたが、運動量も含めてまだまだ基本スキルが足りません。これで、東洋との差が数字の上でも体感でも理解できたと思うので、この差をどう埋めていくかの開幕までの1ヶ月となります。

――秋のリーグ戦が約一ヶ月後に迫っています。この試合を踏まえてどの部分をより改善していきたいとお考えですか

全てです。怠けない心、強い気持ち、多い運動量、丁寧なパス・レシーブ、シュートは必ず枠に入れる。「自分にも周りにも簡単にOKを出さない。」こと、許し合いからは何も生まれません。東洋をはじめとして他のチームも努力しています。開幕までの1ヶ月、そこと向き合えるかがカギになります。

――秋のリーグ戦に向けての意気込みを教えてください

今日の差を受け入れ、その差を埋め、本番で対戦するときには結果が今日とは逆になるよう準備します。

DF篠田純希副将(スポ4=北海道・苫小牧東)

――今季初の対外試合でした。試合に向けた意気込みはどのようなものだったのでしょうか

今季初の試合だからこそ、失敗は多くなるのは分かっていたので、パックを相手よりも先に取ったり、身体を張って、全力でプレーするという、まさに早稲田ホッケーを体現しようという意気込みで臨みました。

――序盤から相手チームに主導権を握られる厳しい展開が続きました。敗因はどこにあったとお考えでしょうか

東洋大学の方が、パスや連携など、ひとつひとつのプレーの精度が高かったのもありますが、一番はコミュニケーションや連携、細かいバトルに負けてしまって、早稲田ホッケーが全くできていなかったことが大きな敗因でした。

――特にディフェンスの陣形が崩され、点を決められる展開が多かった印象を受けました。秋のリーグ戦に向けてディフェンス面で改善していきたい部分を教えてください

本試合ではまずDFの相手に対するスピード感のなさ、詰めの遅さとCF(センターフォワード)との連携がうまくいかなかったこと、そしてFWのポジショニングの悪さと課題が多く出たので、よりスピード感のある流動的な連携で相手のパック支配率を下げていきたいです。

――秋のリーグ戦に向けての意気込みを教えてください

秋リーグに向けて、チームとして至らぬところだらけという現状ではありますが、一人一人の意識改革からはじめ、チーム全体として変化し、少ない試合数ではありますが、全てものにする勝負強さを身につけていきたいと思います。

FW前田悠佑(社学4=東京・早実)

――今季初の対外試合でした。試合に向けた意気込みはどのようなものだったのでしょうか

昨年は東洋大学相手にスピードと力負けする場面が多くみられていたので、今日の試合ではまず個々が1対1のバトルで負けないために身体を張ったプレーを意識することをチーム内で共有して臨みました。

――序盤、中盤と敵陣に攻め込めない展開が続きました。原因はどこにあったのでしょうか

1P開始直後から相手のプレースピードに対応できなかったので、全ての局面で後手に回ってしまったことが原因だと思います。反則と失点を重ねてしまい、中盤まで守りが続く苦しい展開になってしまったので、今後の練習から試合を想定したスピードを意識して取り組んでいかなければいけないと感じました。

――チーム2点目となった鮮やかなシュートを決められましたが、手応えはいかがでしたか

少ないチャンスを確実に決め切ることができて良かったです。FWとDFが一体となったブレイクアウトで2対1を作り出すことができたので、必ず点をもぎ取るという気持ちで振り抜くことができました。

――秋のリーグ戦に向けての意気込みを教えてください

今年は全7試合しかないため、今まで以上に1試合に対して結果だけでなく内容にも拘っていかなければならないと感じています。最高学年としてチームを引っ張っていくことが出来るように全力で頑張りたいと思います。