ソフトバンクがドラフト1位で指名した創価大の田中正義投手(22)が19日、東京都八王子市内のホテルで入団合意会見を行った。この日の入団交渉でドラフト指名選手の最高条件となる契約金1億円、年俸1500万円プラス出来高払い5000万円で入団に合…

ソフトバンクがドラフト1位で指名した創価大の田中正義投手(22)が19日、東京都八王子市内のホテルで入団合意会見を行った。この日の入団交渉でドラフト指名選手の最高条件となる契約金1億円、年俸1500万円プラス出来高払い5000万円で入団に合意し「すごく高い評価をしていただいた。期待されているなと感じて、うれしく思います」と語った。

■右腕を持つ12球団トップのハイレベルな争い、ローテ入りへ残る枠は「2」

 ソフトバンクがドラフト1位で指名した創価大の田中正義投手(22)が19日、東京都八王子市内のホテルで入団合意会見を行った。この日の入団交渉でドラフト指名選手の最高条件となる契約金1億円、年俸1500万円プラス出来高払い5000万円で入団に合意し「すごく高い評価をしていただいた。期待されているなと感じて、うれしく思います」と語った。

「1年目から球団が日本一になるための力になれるように、準備したい」とルーキーイヤーの目標を口にした最速156キロ右腕。5球団競合の末に交渉権を獲得した球団側は、当然のごとく、即戦力として期待しており、求められているのは、開幕ローテ入りだろう。

 ただ、その道は決して約束されたものではなく、楽な道のりでもない。ソフトバンクは今季、日本ハムに最大11.5ゲーム差の逆転を許し、3年連続の日本一を逃したが、それでも、12球団で屈指の戦力層を誇る。特に、先発投手の顔ぶれは凄まじい。

 選手たちがケガなく開幕を迎えられるとすれば、来季の開幕ローテのうち、既に4枠は当確していると言っていい。

 今季、15勝を挙げて最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した和田毅、2年連続2桁勝利をあげた武田翔太と、今季初めてローテ入りを果たして12勝をマークした千賀滉大の侍ジャパン2人、そして、外国人最多連勝記録を持つオランダ人右腕のリック・バンデンハークだ。この4人は実績から考えても、間違いなく来季もローテの軸となるだろう。

■田中の立ち位置は「東浜&中田以下、摂津&大隣以上」?

 これに続く5番目、6番目の争いが、とてつもなく激しい。有力候補なのが、東浜巨と中田賢一の2人。東浜はシーズンのほとんどでローテの一角を担って9勝をあげた。チームの中でも成長を感じさせた1人で、来季の更なる飛躍が期待されている。

 中田は序盤こそ1軍と2軍を行き来していたが、中盤以降はローテに入って7勝をマーク。工藤公康監督のアドバイスの下、フォームの修正を行ったことで安定感が増し、9月は負けなしの3勝。来季は36歳となるが、馬力と体力はまだまだ健在だ。

 ベテラン勢だって黙っていない。5年連続開幕投手を務めながら、わずか2勝に終わった摂津正、肋間神経痛など故障に泣かされて1勝に終わった大隣憲司、そして、右肩手術からの復活を目指し、今冬にプエルトリコのウィンターリーグへの参戦を目指している松坂大輔。復権を狙う面々も、その座を狙っている。

 ファームからの突き上げもある。山田大樹、笠原大芽の2人は今季ウエスタン・リーグで9勝を挙げて最多勝のタイトルを分け合った。来季は1軍の座を狙う存在になる。14年のドラフト1位・松本裕樹、15年のドラフト1位・高橋純平も飛躍を期待されている。

 現時点で、田中正義の立ち位置はどこにあるか。大卒即戦力、最速156キロの能力を考えれば、中田、東浜と摂津らベテラン勢の間に割って入る存在と見るべきか。2月に宮崎で行われる春季キャンプ、そして、3月のオープン戦でのアピールがモノを言うことになる。アマナンバーワン右腕の開幕ローテ入りへ向けて、12球団トップとも言える激しい競争が待ち受けている。