福田正博 フットボール原論 再びビッグクラブを率いるための出直しのシーズンになるエメリ監督だが、昨季35試合11ゴール9…

福田正博 フットボール原論

 再びビッグクラブを率いるための出直しのシーズンになるエメリ監督だが、昨季35試合11ゴール9アシストの数字を残して退団したサンティ・カソルラの代わりとして久保の獲得を熱望したと言われている。プレシーズンマッチでは久保を右サイドだけでなく左サイドでも使ったりと、試行錯誤を繰り返していた。

 久保はまだスタメンの座を確保したわけではないようだが、仮に開幕当初はベンチスタートになったとしても、シーズンが進むなかで存在感を発揮しながら、しっかりとスタメンの座をつかむはずだ。

 昨季のマジョルカでも同じような状況から始まり、1シーズンの間で急成長を遂げてチームの主軸になった。ビジャレアルの選手のレベルは、マジョルカのそれよりは高く、当然ながらチーム内のライバルとのポジション競争は激しい。

 しかし、この壁を越えられないようでは、久保の目標であるレアル・マドリードへの帰還は叶わないし、久保自身もこのレベルで足踏みをするような選手ではない。

 昨季のビジャレアルはハビエル・カジェハ監督の下で、主に4-2-3-1で戦ったが、戦術家のエメリ監督もセビージャやアーセナルを率いた頃は4-2-3-1を多用した。このことから今季も4-2-3-1以外に、4-4-2や4-3-3などの併用が予想される。

 久保は4-2-3-1なら、2列目の右サイドでも、左サイドでも、トップ下でもプレーできる。だが、監督がどんな布陣を採ったとしても、久保の出番がまったくなくなることは考えられない。

 久保のすごさは19歳にして、カウンターサッカーだろうと、ポゼッションサッカーだろうと、求められるスタイルのなかで存在感を示せるところにある。だから、エメリ監督がどんな戦術を採ろうとも、久保には試合に出るチャンスがあるはずだ。

 試合に出場できれば、久保の個人成績は昨年よりも格段に上がるのは間違いない。チームとしての攻撃の時間やクオリティーは、昨季下位だったマジョルカの時よりも高まり、プレーエリアも相手ゴールに近いところになる。

 昨季はマジョルカで35試合出場4得点4アシストだった久保だが、今季のアシスト数は2ケタも期待できる。ゴール数も、味方選手との連係が高まっていくにつれて増えていくはずだ。

 ラ・リーガのシーズン開幕は9月11日。ビジャレアルは13日に昇格組のウエスカと対戦する。いきなり岡崎慎司と久保の対決。第2節のエイバル戦では、乾貴士とのマッチアップの可能性もある。さらに第3節ではバルセロナとの対戦が待っている。しばらく久保建英から目が離せない。