気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2016年11月17日付●社説、高齢運転事故、自分…

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年11月17日付

●社説、高齢運転事故、自分の身体能力と向き合おう(読売・3面)

●安倍首相「今年以上」要請、17年賃上げ、経済界、慎重な姿勢(読売・10面)

●VWと米当局和解へ(読売・10面)

●高齢者事故防止へ、都内一斉にチラシ、警視庁、免許返納も呼びかけ(朝日・29面)

●新型「CX-5」マツダが初公開、来年2月発売(毎日・7面)

●日産、エンジン部品技術供与、収入を先端技術に再投資(産経・10面)

●交通事故保険金、詐欺グループ16人摘発、警視庁、バイト感覚で4600万円(産経・31面)

●社説、ポケGO運転、ぶつかるまで気付かぬ(東京・5面)

●自動運転実験、ホンダが公開、米テストコース市街地を想定(日経・15面)

●ガソリン、6週ぶり下落、店頭125.3円、原油高一服が波及(日経・23面)

ひとくちコメント

サラリーマンにとって“我慢料”とも呼ばれている月給が上がって文句をいう人はまずいないだろう。ただ、その賃上げを個々の企業の労使ではなく国を動かす立場の首相が要請するのはやや違和感がある。

安倍晋三首相が「働き方改革実現会議」で、2017年春闘で「少なくとも今春並みの水準の賃上げを期待したい」と述べ、賃上げを経済界に要請した。各企業が労使で決める賃上げを首相が直接求める「官製春闘」は4年連続になるという。

賃金アップで個人消費を刺激し、失速状態の「アベノミクス」を再び加速させるのが狙いだが、思惑どおりに展開するかどうかは不透明だ。

きょうの各紙も「安倍首相『今年以上』要請」(読売)、「首相、再び賃上げ要請」(朝日)、「首相がベア要請、経団連は難色」(東京)と、経済面などで報じたほか、産経は「賃上げ拡大へ環境整えよ」、日経は「賃上げ持続へ企業の経営力が問われる」と、社説のテーマとしても取り上げている。

ただ、経済環境は年明け以降の円高などで企業の業績は頭打ち。トランプ相場で一時的には円安株高傾向にシフトしているが、経済界では人件費の高止まりにつながる賃上げに慎重論が根強く、首相の要請どおりとなるかは見通せないようだ。

このうち、きょうの毎日は春闘相場に大きな影響を与える大手自動車メーカーの決算を引き合いにして「春闘交渉全体の流れをつくる自動車大手7社は、円高による収益悪化で16年9月中間連結決算は全社が減収となった。最終(当期)損益も5社が減益か赤字」と分析。「通期業績も減益見通しなのに、安易に『賃上げする』とは言いにくい」と大手自動車幹部の話を伝えている。

「業績悪化を前に、将来の利益圧迫につながるベースアップはできるだけ抑え、子育て世帯への待遇を手厚くするなど限定的な賃金改善にとどめたい企業が多い」というのが本音とみられる。

それにしても、現役の総理大臣が労組委員長のような立ち振る舞いを演じること自体、不自然でならない。