日系米国人ナカシマの活躍に大会公式が注目 テニスの全米オープンは1日(日本時間2日)、男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク223位のブランドン・ナカシマ(米国)が同125位のパオロ・ロレンツィ(イタリア)に6-3、6-2、7-6(7-3…

日系米国人ナカシマの活躍に大会公式が注目

 テニスの全米オープンは1日(日本時間2日)、男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク223位のブランドン・ナカシマ(米国)が同125位のパオロ・ロレンツィ(イタリア)に6-3、6-2、7-6(7-3)のストレートで勝利。2回戦進出を決めた。デビューしたばかりの19歳の新星ナカシマに、大会公式が脚光を浴びせている。

 ナカシマにとってグランドスラムデビューとなったこの一戦。最初の2セットを危なげなく奪うも、第3セットは両者がサービスゲームをキープし接戦に。それでもナカシマは冷静さを失わず、タイブレークを制して4大大会初勝利を手にした。

 大会公式は「ブランドン・ナカシマが2020年の全米オープンでパオロ・ロレンツィをアップセット」と題して記事を掲載。その中で「経験不足にもかかわらず、ナカシマは成熟した、集中力の高い試合をプレーした」と19歳とは思えないナカシマの精神力を称賛した。

 また、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と長年の友人であり、ナカシマのコーチを務めるドゥシャン・ベミッチ氏が、19歳の「落ち着きと集中力」がジョコビッチを彷彿とさせるものだと語ったとも紹介。「『いつか世界一になる』というナカシマの究極の目標を追求する上で、プレーの質の高さが貢献するだろう」と成長に太鼓判を押した。

米メディアも脚光「ナカシマが米男子テニスを救える」

 米カリフォルニア州サンディエゴ出身の日系米国人であるナカシマ。17歳で米バージニア大に“飛び級”入学すると、2019年にはACC最優秀フレッシュマン賞を受賞した。同年にプロ転向し、ツアー本戦初出場となった今年2月のデルレイビーチ・オープンではいきなりベスト8入りを果たした新星だ。

 ATPツアーは公式サイトで「19歳ナカシマ:『いつも一番になりたかった』」とのタイトルでナカシマを特集。「彼はレベルに順応するのに時間を無駄にしなかった。トップ100の選手を2人下し、準々決勝に進出したのだ」とデルレイビーチ・オープンでの活躍を振り返りつつ、「今、彼は全米オープンの2回戦でより大きな試験に直面する。ネクストジェネレーション・ATPのスターは2018年のATPファイナルズ王者、アレクサンダー・ズべレフと対戦する」と次戦のズべレフ戦が試金石になると示唆した。

 米地元紙「ニューヨーク・ポスト」は「ブランドン・ナカシマの“古典的”なバックハンドが米国男子テニスを救うかもしれない」と題した記事の中で、「ブランドン・ナカシマへの期待の盛り上がりは、彼がデルレイビーチ・オープンで18歳にして準々決勝に進出した2月から始まった。そしてそのプロセスはパット・キャッシュをひどく驚かせている」と報道した。

 現役時代にウィンブルドンを制した経験を持ち、現在ナカシマのコーチを務めるオーストラリア人のキャッシュ氏。記事内では「彼がどれだけ素早く学び、物事を吸収するか。こんなのはいまだかつて見たことないよ。ものにするのに6か月はかかることを、彼は1か月足らずでやってしまうんだ」とナカシマの物覚えの良さに同氏が驚愕している様子を伝え、「ナカシマは2回戦で第5シードのアレックス・ズべレフと対戦。非常に大きなテストになるだろう」と次戦に期待を寄せた。

 次世代のスター候補として注目を集める存在になりつつあるナカシマ。世界ランク7位の格上ズべレフを相手に、アップセットを演じることができるだろうか。(THE ANSWER編集部)