英スカイスポーツが“ネクスト・パッキャオ”として井上を特集 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期が続いている2020年初戦が待たれるが、英メディアでは6階級制覇王者…

英スカイスポーツが“ネクスト・パッキャオ”として井上を特集

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期が続いている2020年初戦が待たれるが、英メディアでは6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)の「再来」と特集している。

「新たなマニー・パッキャオか? モンスター、ナオヤ・イノウエはダイナマイトの両手を持つが、アメリカの観衆の心を奪わなければいけない」

 こんなタイトルで特集したのは英最大の衛星放送「スカイ・スポーツ」だった。記事では41歳で世界王者に君臨するパッキャオについて、「アメリカ市場を初めて打ち破ったアジアスポーツ界の偉人」「雷鳴の左拳という雷撃の杖と無邪気な100万ドルの笑顔で、不世出のスーパースターであり続けている」と絶賛している。

 その上で、特集ではアジア勢でパッキャオに続く、スーパースター候補にNAOYA INOUEの名前を挙げている。

「小型で戦慄のチャンプはボクシング界で最もパワフルなパンチの持ち主だ。もしかすると、パッキャオ二世はついに存在したのかもしれない。プロモーターのボブ・アラムはパッキャオを無名からセレブに導いたが、イノウエに同じポテンシャルを見ている。個性はどうなのか?」

 記事ではパッキャオ以来のアジア出身のメガスターとしての可能性を指摘している。

トップランク社幹部「アメリカで大スターになる準備はできている」

 トップランク社幹部のブラッド・ジェイコブス氏は「アメリカで大スターになる準備はできている。もちろん、リング上で結果を出す必要はあるが」と分析。米国でのスターダムの条件として、英語という言葉の壁が存在するが、「うちにも英語が母国語ではない多くのファイターがいるが、時間と共に乗り越えている。メディアやファンとコミュニケーションできる程度にファイターは言葉を学んでいる」と主張していたという。

「イノウエは米国のステージでブレークする必要がある。それを彼はまさにしようとしているところだ。パッキャオと張り合うにはイノウエはまだまだ長い道のりが存在するが、まだ若い。センセーショナルなファイターという共通点もある。米国のファンも彼を気にいるだろう。パッキャオを受け入れたのと同様に。スタイルと能力があるからね。個性も必要だ。パッキャオは凄まじい個性の持ち主だった。イノウエが米国にいかにシフトしていくのか、見ていきたい」

 ジェイコブス氏はこう語ったという。

 トップランク社のトッド・デュボフ会長もモンスターを高く評価。「彼はテレビ映えするタイプだ。ボクシングの信奉者はイノウエに対する絶大な評価を与えている。我々はもっと露出させるためにアメリカに連れてきたい。実際のところ、彼はマニー・パッキャオのようだ。両手にダイナマイトを備えたアジアからきた男。計画は似たものになる。パッキャオのように、相手はヒスパニック系が多くなるだろう」と話していたという。

 本場米国のみならず、ボクシング熱の盛んな英国でも注目される井上。正式発表の待たれる2020年初戦が待ち遠しい。(THE ANSWER編集部)