木場トレーナーが証言「10歳の時点で弱点を把握していた」 サッカー日本代表FW久保建英はラ・リーガ1年目のシーズンでレア…
木場トレーナーが証言「10歳の時点で弱点を把握していた」
サッカー日本代表FW久保建英はラ・リーガ1年目のシーズンでレアル・マドリードから期限付き移籍したマジョルカで、35試合出場4得点4アシストという結果を残し、ビジャレアルへのステップアップを飾った。10歳からサポートしてきたプロトレーナーの木場克己氏(COREトレSTUDIO with 接骨院)は弛まざる努力で課題を克服してきた、卓越した“自己分析力”を評価している。
新天地でもじわじわと存在感を発揮している久保。25日の2部テネリフェとのプレシーズンマッチでは新天地初となる先発出場を果たした。
新型コロナウイルスの影響でオフが短かったため、休暇で日本に戻ってこなかった久保を直接指導する機会はなかったが、4-4-2の右サイドでプレーした試合の映像を確認し、コンディションチェックは続けている。
「トレーニングをスタートさせたのは10歳の時。天才少年として話題になっていましたが、プロではありません。体幹の強さも普通のサッカー少年とそこまで変わらない。柔軟性に課題がありました。そこで、指導を始めるに際して、サッカー選手にとって大事な体幹部分の弱点を伝えました。体の具体的な部位を示して、股関節周りの柔軟性が足りないと、シュート力が落ちる。体幹と臀部の連動性を改善しないと、将来怪我をしやすくなるリスクがある、と」
木場氏はバルセロナの下部組織に所属していた10歳からフィジカル面の強化をサポートしてきた。トップクラスのアスリートの指導を手がけ、新たに女性向けのボディメークサロン「CBH(コアビューティヒップ)」をオープンする恩師は、小柄な10歳の久保少年について、天才少年として知られていたものの、当時は体幹トレーニングは未経験。体幹の強さやバランス能力は平均的なレベルだったと振り返る。だが、コミュニケーションを重ねるにつれて、異質で、大人びた印象を感じたという。
弛まぬ努力の成果強調「19歳にして体幹とバランス力は世界基準」
「小学校4、5年の子供達を指導する場合ですが、始めは親御さんが連れてきます。なぜこのトレーニングが必要なのか、という説明を最初にするのですが、理解できないケースも多い。一方で建英は10歳の時点で、大人やプロアスリート以上に自分に足りないもの、弱点を把握できていました。しっかりと課題に向き合っていた印象があります」
バルセロナの下部組織時代も日本にいる間は、木場氏のジムに足を運び、指導を受けていた久保。体幹と柔軟性の強化という当時の弱点改善に取り組む理解力は、幼少期からずば抜けていたという。
「弱点を把握する力があったからこそ、ここまで成長したとも言えるかもしれません。スペインの試合でもそうですが、ドリブルでの競り合いでもブレません。19歳にして、体幹とバランス力は世界基準だと思います。大きな怪我をしてから本格的に体幹トレーニングをスタートするアスリートが多い中、彼は怪我をする以前から真剣に取り組んでいます。柔軟性も高まってきました。足りないものや、弱点を把握する力、プロ意識が高い。それゆえに大きな怪我がいまだにない。それが建英の強みですね」
愛弟子の成長に目を細めていた木場氏。新シーズン、日本サッカーの至宝はどんな成長を見せてくれるだろうか。(THE ANSWER編集部)