「オープン球話」連載第30回 ――カープのファーストとなると、60年代は藤井弘さん、70年代は水谷実雄さん、80年代以降…

「オープン球話」連載第30回
――カープのファーストとなると、60年代は藤井弘さん、70年代は水谷実雄さん、80年代以降で長内孝さん、小早川毅彦さんが浮かびますが、確かに衣笠さんもサードだけでなくファースト起用も多かったですよね。
八重樫 そうなんですよ。それで、サードに江藤智を入れました。新井貴浩もいるんだけど、江藤をぜひ入れたかったんです。彼はファームで苦労しながら、努力でレギュラーを勝ち取った。もともとは、真っ直ぐしか打てなかったバッターなんです。それが努力で変化球を打てるようになって、四番にまで上り詰めた。当時の彼の指導者だった、ヤクルトOBでうちでもコーチを務めていた内田順三さんから、いろいろ聞きました。僕の好きなタイプの選手です。
――内田さんは1970年にヤクルトアトムズ入りですから、八重樫さんと同期にあたるんですよね。では、セカンド、ショートを発表してください。
八重樫 ショートは何の迷いもなく高橋慶彦でしょう。野村謙二郎も長い間レギュラーとしてチームを引っ張ったけど、慶彦は走攻守すべてで華があって、一流でしたから、これは文句ないんじゃないかな?「慶彦の練習量は半端じゃない」って、他球団の僕らの耳にも届いていましたが、努力でスイッチヒッターになった。そういう点も個人的には評価したいポイントです。迷ったのは、セカンドでしたね。
――誰と誰で迷ったんですか?
八重樫 最初に浮かんだのは監督も務めた三村敏之さん、正田耕三辺りなんだけど、近年の菊池涼介も捨てがたいなって思ったんですよ。攻撃面だけで言えば、三村さんに軍配が上がるところだけど、守備面で菊池なのかな? 長年プロ野球を見てきたけど、あの守備範囲の広さは尋常じゃない。それで迷った末に菊池をセカンドに選びました。
【どこからでも点が取れる超攻撃型赤ヘル打線】
――では、外野手3人の発表をお願いします!
八重樫 (山本)浩二さんは何の迷いもなく決定です。何しろ「ミスター赤ヘル」ですからね。浩二さんにはセンターに入ってもらって、あとは前田智徳と、現役から鈴木誠也を選びたいな。前田の天才的バッティング、鈴木誠也のポテンシャル。いずれも魅力的ですよ。今回は先に打順を発表するけど、四番に注目してほしいんだよね。
1.高橋慶彦(遊)
2.菊池涼介(二)
3.前田智徳(右)
4.鈴木誠也(左)
5.山本浩二(中)
6.衣笠祥雄(一)
7.江藤智(三)
8.達川光男(捕)
9.北別府学(投)
四番には浩二さんじゃなく、鈴木誠也を置きたいんです。
――おぉ、その理由はどうしてですか?
八重樫 誠也は狙い球を絞って打席に立って、見事に仕留める技術がある。でも、最近はそれだけじゃなくて、狙い球じゃないボールが来たときにも、パッと一瞬待ってきちんとさばける技術も身につけつつある。あの若さでそれができるのは立派なことだし、彼はこれからまだまだ伸びますよ。
――なるほど。これで「広島版歴代ベストナイン」が決定しました。すべての選考を終えた感想を聞かせてください。
八重樫 それにしても、カープは打撃陣が本当にいいよね。このオーダーなら、どこからでも、何点でも取れそうだからね。今回は割とスムーズに決まった気がしますね。次は「ロッテ編」にしようかな。次回も、引き続きよろしくお願いします!
(ロッテベストナインにつづく)