13日、SUPER GTシリーズの今季最終第8戦の決勝レースがツインリンクもてぎで行なわれ、GT500ドライバーズチャンピオンの座は、このレースで今季初優勝を遂げたヘイキ・コバライネン&平手晃平が獲得。このレースはレクサスRC Fの…

13日、SUPER GTシリーズの今季最終第8戦の決勝レースがツインリンクもてぎで行なわれ、GT500ドライバーズチャンピオンの座は、このレースで今季初優勝を遂げたヘイキ・コバライネン&平手晃平が獲得。このレースはレクサスRC Fの1-2-3-4-5フィニッシュだった。

前日のダブルヘッダー1戦目(第3戦代替レース)でドライバーズポイントランク首位に立った#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(コバライネン&平手/タイヤはブリヂストン=BS)は、この日の予選で連日のポール獲得を果たし、有利な状況を築いて決勝に臨んだ。

そして決勝でも実質の先頭を守り続ける走りを展開、終盤こそ#6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也&A. カルダレッリ/BS)の接近を許したが、コバライネンはトップを守りきってチェッカーを受け、チームと平手にとっては今季初、コバライネン自身にとってはGT500でのキャリア初となる優勝を飾った。

ポイントリーダーの優勝、もちろん文句なしのチャンピオン獲得である(チーム部門タイトルも獲得)。仮に#6 RC Fに抜かれても、2位なら王座獲得という局面ではあったが、予選後に平手が「今季まだ勝っていないので、(王座はもちろん)勝ちにこだわっていきたい」と語った気迫を、相棒コバライネンがコース上で体現して見せた。

フィンランド出身、F1での優勝経験もあるコバライネンは昨季からGT500を新たな主戦場としている。2年目の最終戦で初優勝、そしてチャンピオン獲得をも果たすこととなった。サード(SARD)移籍2年目の平手にとっては、セルモ所属時代の2013年以来2度目の王座獲得だ。

コバライネンのコメント
「エクセレントな気持ちだよ。昨シーズンの残念だった経験を経て、今季我々のチームが素晴らしい進化を遂げたことを証明できたと思う。TRD(TOYOTA Racing Development)のサポートのおかげもあって、マシンも素晴らしかった。シーズン中のBSの開発努力も素晴らしかったと思う」

平手晃平のコメント
「チームを移ってヘイキ(コバライネン)と組んでから2年目ですけど、やはり初年度(昨季)は、チームのみんなが力はもっていても、それをうまく束ねることができなかったんだと思います。今年はチーム全体のパフォーマンスが上がりましたし、TRDとBSが素晴らしいマシン、タイヤを用意してくれました。とてもハッピーな気持ちです」

日本レース界きっての名エンジニアである田中耕太郎氏らも参画する昨季からのサードの体制、それがいろいろな意味で真価を発揮できるようになり、2年目の最後に大輪の花を咲かせた。レクサス勢のタイトル獲得は3年ぶり。

最後の第8戦はレクサス勢が1-2-3-4-5フィニッシュと圧勝した。 2位は#6 RC F。3位には#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛&国本雄資/ヨコハマ=YH)が入り、4~5位には#36 au TOM'S RC F(伊藤大輔&N. キャシディ/BS)、#37 KeePer TOM'S RC F(J. ロシター&平川亮/BS)とTOM'S勢が続いている。

もてぎ大会突入までシリーズを引っ張り、3連覇を目指していた#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R. クインタレッリ/ミシュラン=MI)は最後に勢いを失った。第8戦では予選9位、決勝ではタイヤ無交換作戦を駆使するも、7位でのフィニッシュが精一杯だった。3連覇の偉業達成は成らず。

このレースの日産勢最上位は、やはり#1GT-R同様にタイヤ無交換作戦を採った#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲&千代勝正/MI)の6位。また、ホンダNSX CONCEPT-GT勢5騎は大苦戦に陥り、クラス15台全車完走(完走扱いを含む)のなかで11~15位を占めるという結果に終わっている。

#1 GT-Rの開幕2連勝、日産勢の開幕4連勝で始まったシーズンは、最後のもてぎダブルヘッダーでレクサス勢が一気の巻き返し(前日も2~6位と上位を占めた)。シリーズランキングでも#39 RC Fと#6 RC Fが1-2というかたちで終幕した。今季、#6 RC Fを指揮した脇阪寿一監督は「大嶋とアンドレア(カルダレッリ)、ドライバーふたりはよくチームを引っ張ってくれましたし、スタッフ全員、よくやってくれたと思います」と振り返っている。

地震による九州大会中止の影響で、変則ダブルヘッダーというかたちで幕を閉じた2016年のSUPER GT。来季のGT500クラスは新規定対応のニューマシンによる戦いとなる。また新たな注目を集める2017年のSUPER GT開幕戦は、4月8~9日に岡山国際サーキットで開催される予定だ。

優勝、そして王者となった#39 RC F。撮影:益田和久

優勝、そして王者となった#39 RC F。撮影:益田和久

終盤、#39 RC Fは#6 RC Fの追撃を振り切る。撮影:益田和久

終盤、#39 RC Fは#6 RC Fの追撃を振り切る。撮影:益田和久

#39 RC Fはポールポジション発進から優勝した。撮影:遠藤俊幸

#39 RC Fはポールポジション発進から優勝した。撮影:遠藤俊幸

決勝2位の#6 RC F。撮影:益田和久

決勝2位の#6 RC F。撮影:益田和久

決勝2位の#6 RC F。撮影:益田和久

決勝2位の#6 RC F。撮影:益田和久

決勝3位の#19 RC F。撮影:益田和久

決勝3位の#19 RC F。撮影:益田和久

王座3連覇を目指した#1 GT-Rだが、決勝7位に終わり失冠。撮影:益田和久

王座3連覇を目指した#1 GT-Rだが、決勝7位に終わり失冠。撮影:益田和久

決勝6位の#46 GT-R。撮影:益田和久

決勝6位の#46 GT-R。撮影:益田和久

決勝11位の#17 NSX。撮影:益田和久

決勝11位の#17 NSX。撮影:益田和久

左からGT500王者のコバライネン、平手晃平、GT300王者の土屋武士、松井孝允。撮影:遠藤俊幸

左からGT500王者のコバライネン、平手晃平、GT300王者の土屋武士、松井孝允。撮影:遠藤俊幸

レース後にはグランドフィナーレも実施された。日曜の観客数は36000人(土曜23500人)。撮影:益田和久

レース後にはグランドフィナーレも実施された。日曜の観客数は36000人(土曜23500人)。撮影:益田和久