「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月22日~8月28日/ハードコート)で、久しぶりのツアーに臨む世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。現地21日の…

「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月22日~8月28日/ハードコート)で、久しぶりのツアーに臨む世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。現地21日の大会前の記者会見において、新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者であるとして出場を取り消された2選手に同情し、主催者側を批判した。【動画】ジョコビッチが全米OP会場で神ワザ!

米スポーツ専門局のESPNによると、大会前の新型コロナウイルスの検査結果でフィットネストレーナーが陽性と判明。その後、世界35位のギド・ペラ(アルゼンチン)と94位ウーゴ・デリエン(ボリビア)の2名が「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」への出場を取り消された。どちらの選手も、自身は陽性反応が出ていないという。

記者会見でジョコビッチは「自動失格については、多くの議論がなされていたんだ」「ペラとデリエンの件はかなり厄介な状況となった」と話した。

「2人はここ数日間で何度か陰性の結果が出ているにも関わらず、シンシナティ大会から外され、全米オープンにも出られないかもしれない」「実際、数週間前のZoomによるオンライン会議で、我々選手たちは正にこういった状況になった時のことを具体的に質問していたんだ」

そしてジョコビッチによると、そのオンライン会議での説明とUSTAが事前提出を求めた免責同意書の内容は「明らかに矛盾している」という。

「免責同意書は、ニューヨーク保健局が行う追跡調査のプロセス次第となっている。彼らは選手が濃厚接触者かそうでないかを判断し、失格にするかどうかを決めることができる。だから、今回そういうことが起こったんだ」

「しかしZoomのオンライン会議の時には、選手がコーチやトレーナーやチームの誰かと部屋をシェアしておらず、自身の検査結果が陰性であれば、大会に出場できると聞いていた」

「電話の中で何度かこのことについて質問をしたが、それが我々選手たちに伝えられたことだったんだ」「だからこそデリエンとペラがこのような扱いを受けて、多くの選手が動揺していたし、自分も含めて今も動揺しているよ」

ESPNによると、この件についてはアンディ・マレー(イギリス)も批判的な選手の味方をしている。

「何人かの選手は"そうだと知っていたらトレーナーやフィジオを連れて来なかっただろう"と言っていた。正しい判断でないと言っているわけではないが、実際のルールがどうなっているのかが不明瞭だった」

一方でUSTAのクリス・ウィドマイヤー氏は、ESPNに対し「CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は濃厚接触者を、6フィート(約182cm)以内で15分以上過ごした人と定義している」「複数回の濃厚接触の事例と、その間マスクを常に着用していなかったことが確認された」と説明している。

「簡単に言えば、感染者と濃厚接触をした個人は14日間隔離しなければならない。これは裁量で決められるものではない」

先の記者会見でジョコビッチは、次のようにも述べた。

「物事は、このような短い期間でも何度も何度も変化している。USTAやATP、テニス団体では手に負えないこともあるし、ニューヨーク州の保健局の管轄になることもある。我々はそれを受け入れなければならないと思う。厳しいことだし、簡単ではない」

「今後やってゆくにつれて、もっといろいろなことが分かってくると思う。我々は、団結して上手くいくことを願うしかないと思う」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」大会前練習時のジョコビッチ

(Photo by Peter Staples/ATP Tour via Getty Images)