第96回全国高校ラグビー大会の福岡県予選決勝が12日にレベルファイブスタジアムでおこなわれ、春のセンバツ、夏の7人制大会に続いて今季全国3冠を狙う東福岡高校が東海大学付属福岡高校を85-0と圧倒し、17年連続27回目の花園出場を決めた。…


 第96回全国高校ラグビー大会の福岡県予選決勝が12日にレベルファイブスタジアムでおこなわれ、春のセンバツ、夏の7人制大会に続いて今季全国3冠を狙う東福岡高校が東海大学付属福岡高校を85-0と圧倒し、17年連続27回目の花園出場を決めた。

 東福岡は計13トライ。キャプテンのLO箸本龍雅はパワフルな走りでビッグゲインを連発し、チームメイトのスコアを演出した。
 東海大福岡は出足の速いディフェンスで激しくぶつかっていったが、この日、強烈なタックルを決めていたFL山崎龍之介が前半17分に負傷して立てなくなり、交代を余儀なくされたのは痛かった。攻めては、何度か敵陣深くに入った東海大福岡だったが、ラインアウト失敗でチャンスを逃したシーンがあり、ゴールラインに迫っても東福岡の粘り強い守りを崩すことはできなかった。

「最初はうまくいかない部分もありましたが、コミュニケーションをしっかりとれて修正できました。焦らずにヒガシらしいラグビーができた。前半、FWがコンタクト勝負で勝っていたので、後半の大量得点につながったと思います」(東福岡・箸本主将)

 26-0で迎えた後半、東福岡はリザーブで入った選手を含めて全員がよく走り、9トライを追加。花園予選で初めて決勝まで勝ち上がってきた東海大福岡に力の差を見せつけた。

 敗れた東海大福岡の津山憲司総監督は、「相手の総合力が上回って、よくつながれた。しかし、選手たちは最後まであきらめず、速い出足でタックルし続けてくれました。次の代につながるゲームだったと思います。FWで対等に戦えたところもあった。1本(トライを)取りきれなかったのは、ラインアウトなどのミスも原因。まだまだ若い。でも、初の決勝進出ということで、ここまでこれたことに感謝。1、2年生は、先輩たちがつくった歴史を継承していかないといけない。それが伝統に変わっていく、と試合後に話しました」とコメントした。

 徳島勇大キャプテンは、「強豪校の強さを見せつけられました。ちょっとしたスキができたら、ヒガシはそこをどんどん突いてきた。敗れましたけど、高校3年間やってきて、一番気持ちが入っていた試合だったと思います。後輩はこの舞台にまた立ってほしい。ヒガシを倒してほしいという願いもありますが、その前に人として成長して、先生たちを信頼してしっかり頑張ってほしいです」と清々しい表情で語った。

 一方、勝った東福岡の藤田雄一郎監督は「ゼロで試合を終えたというのは高く評価したいですね。いくらビッグスコアになっても、リザーブと交代しても、全員がゼロを目指した。上のレベルほど点数は取れなくなってくるので、ディフェンスからスタートしようというのが今年はキーワードだったので、それに関してはできたかなと思います」と、今大会の4試合を通して1トライに抑えた守りを称えた。
 花園では3冠達成が期待される。指揮官は引き締まった表情でこう言った。
「(全国高校ラグビー大会まで)あと約1か月。チームをいっかいフラットにして、体重も1、2キロ増やして、スピードもつけて、ダイナミックなラグビーをしていきたい。花園では日本一を取り返したいですね。あの大きな優勝旗を箸本龍雅が持って博多駅を歩く姿を、彼ら自身に想像させながら1か月間じっくりやっていきたいと思います」