今年の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月31日~9月13日/ハードコート)は、これまでと違って見えることだろう。そこでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、グランドスラムでのシングルス最多優勝記録24回を目指す。米テニスメディアB…

今年の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月31日~9月13日/ハードコート)は、これまでと違って見えることだろう。そこでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、グランドスラムでのシングルス最多優勝記録24回を目指す。米テニスメディアBaselineが伝えている。【動画】セレナ23個目のグランドスラムタイトル獲得した瞬間今年の大会にはセレナを励ます観客も、ヤジを飛ばす観客もいない。だがケンタッキーでやはり無観客で行われた「トップシード・オープン」で、彼女が自らを鼓舞して2試合を勝ち進み準々決勝に進んだ姿を見れば、心配はいらないようだ。セレナはそこで、第3セットタイブレークの末シェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に敗れた。

2回戦の相手は40歳になった姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)だった。セレナは9月に、「全米オープン」と「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)の間に誕生日を迎えて39歳になる。

ウイリアムズ姉妹はそのキャリアでほとんど無敵と言っていい強さを見せてきた。グランドスラムでのシングルス優勝回数は二人合わせて30回、二人がチームを組んでのグランドスラムダブルス優勝は14回。他にもあらゆる規模の大会で活躍してきた。

そして「全米オープン」でセレナが目指すのは、グランドスラム24回目の優勝だ。24回はマーガレット・コート(オーストラリア)の持つグランドスラムシングルス優勝回数の最多記録だが、そのうち7回はテニスのオープン化(1968年)以前の全豪でのもので、当時わざわざオーストラリアまで行って戦う一流選手は多くはなかったことから、現在と同じに考えていいのかと疑問を呈する人々もいる。

とはいえ記録は記録、コートが素晴らしい戦績を残したことは誰にも否めない。

セレナのコーチであるパトリック・ムラトグルー氏は語る。「子供を産んだ後も、セレナは何度も(最多記録に追いつく)チャンスを握っている。彼女のテニスのレベルは落ちていない。あとは、彼女次第だ。コロナの影響は関係ない」

出産後に復帰してから、セレナは4度グランドスラムの決勝に進出し、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)、大坂なおみ(日本/日清食品)、シモナ・ハレプ(ルーマニア)、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)という強敵たちにいずれもストレートで敗れた。

だが今回のコロナによる中断は、セレナだけでなくすべての選手に起こったことだ。セレナは今度こそ、グランドスラムシングルス最多優勝記録に並ぶことができるだろうか。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「全豪オープン」優勝したセレナ

(Photo by Scott Barbour/Getty Images)