マエケンがあとアウト3つのところで快挙を逃した。ツインズの前田健太投手が18日のブルワーズ戦に先発。9回先頭打者に初…
マエケンがあとアウト3つのところで快挙を逃した。ツインズの前田健太投手が18日のブルワーズ戦に先発。9回先頭打者に初安打を許すまで、1本の安打も打たれないノーヒット投球で、史上初となる日米でのノーヒットノーラン達成を予感させた。
9回先頭のソガードに低めのチェンジアップを拾われ、中前へ落とされると、さすがに苦笑いを浮かべた前田。これでお役御免となり降板すると、救援陣が打ち込まれ3点リードをふいにし、前田の今季4勝目はお預けとなった。それでも全米を熱狂させた好投が色あせるわけではない。
日本人メジャーリーガーのノーヒットノーラン達成は過去3度。栄光の歴史を振り返ってみたい。
記念すべき第1回目は、やはり日本人メジャーリーガーのパイオニアともいえる存在の野茂英雄が成し遂げた。メジャー2年目、ドジャース時代の1996年9月17日のロッキーズ戦。敵地クアーズ・フィールドは標高約1600mの高地にあり、打球がよく飛ぶことで知られている。典型的な打者有利の「バッターズパーク」で、最も「ノー・ノー」が困難とされる難所を攻略したことも多くのファンを驚かせた。
当時のロッキーズはリーグ屈指の強打線。3番バークスは打率・344、40本塁打、128打点で142得点はリーグ最多。4番ビシェットは前年に40本塁打、128打点で2冠王となっており、この年も打率・313、31本塁打、141打点。5番のガララーガはこの年47本塁打、150打点で2冠王に輝いている。6番カスティーヤも打率・304、40本塁打、113打点と中軸の破壊力はすさまじかった。その強打線相手に、ビシェットは3打数3三振に斬るなど、自慢のフォークが冴え渡った。
2度目も再び野茂英雄だった。レッドソックス時代の2001年4月4日、敵地でのオリオールズ戦。レッドソックス移籍後初登板となるマウンドで、これまで対戦の少ないア・リーグ東地区の打者たちを封じ込め、11三振を奪ってみせた。
そこから14年の時を経て、今度はマリナーズの岩隈久志が同じオリオールズ打線相手に快挙を達成。2015年8月12日、本拠地でホームのファンの歓声の後押しを受けながらノーヒットノーランを成し遂げた。当時のオリオールズも、リーグ屈指の強打線だった。1番マチャドは35本塁打、86打点。4番デービスは47本塁打、117打点。3番には現在オリックスのアダム・ジョーンズが座り、このシーズンは27本塁打、82打点だった。2番には現在巨人のパーラが入っており、この年はブルワーズと2チーム合計で159安打、14本塁打、51打点していた。
逆に前田と同じくあと一歩のところで快挙を逃し続けているのが、カブスのダルビッシュ有。レンジャーズ時代の2013年4月2日のアストロズ戦、2014年5月9日のレッドソックス戦と、いずれも9回2死から初安打を許している。
ダルビッシュは今季の8月13日のブルワーズ戦でも、7回1死から本塁打されるまで無安打投球を続けていた。いつ「ノー・ノー」を達成してもおかしくないレベルに現在でもいる。
前田は広島時代の2012年4月6日のDeNA戦で、ノーヒットノーランを達成している。現在メジャーで活躍するダルビッシュ、ヤンキース・田中将大、来季以降の二刀流復活に期待が懸かるエンゼルス・大谷翔平らは日本時代には「ノー・ノー」を達成していない。前記した野茂、岩隈も同様。ブルージェイズ・山口俊は巨人時代の2018年7月27日の中日戦で達成しているが、現在は中継ぎに回っている。史上初となる日米での「ノー・ノー」達成には最も近い位置にいると言える。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]