コロナ禍で迎えた異例の新学期。慣れない環境の中、スケート部フィギュア部門でも多くの新入生が奮闘している。今回はその中から、岡島右京(商1=東京・早大学院)と西浦穂香(スポ1=東京・都立墨田川)が登場。スケジュールの合間で時間を調整し、本連載…

コロナ禍で迎えた異例の新学期。慣れない環境の中、スケート部フィギュア部門でも多くの新入生が奮闘している。今回はその中から、岡島右京(商1=東京・早大学院)と西浦穂香(スポ1=東京・都立墨田川)が登場。スケジュールの合間で時間を調整し、本連載唯一となる2人でのインタビューが実現した。話を聞くと、両者とも高校時代に大きな挫折を経験していたという。それでも、滑り続けることを選んだ理由は何か。スケートへの思いからコロナ禍中の学校生活のことまで、幅広いテーマについて語っていただいた。 ※この対談は7月12日に行われたものです。

「努力してきた人がいる、という環境で過ごしたいなと思いました(西浦)」


Wピースをする西浦選手


Wピースをする岡島選手

――大学生になってみていかがですか

西浦 高校時代から勉強したいと思っていたスポーツ関係のことを事業で専門の先生に学ぶことができて楽しんでいます。オンラインでモチベーションの維持が大変かなと思っていたのですが、受けていたらすごく楽しかったり、今まで知らなかったことを知れたりですごく楽しんでいます。

岡島 大学が始まって、こういうオンラインという形で、同じ授業を受けている同級生の子とコミュニケーションを取るのは難しいです。ですがそれなりに自分でいろいろ繋がる方法を探りながら、同級生とコミュニケーションが取れていて。それでいろんな人と交流ができて、限られた中でも楽しめているかなと思います。勉強は一生懸命やりつつ、高校までだとテストに向けての勉強を突っ込んでやる、という感じでしたが、大学は自分の好きなことを見つけて、それをとことん突き詰めてやるという形を意識しながら、伸び伸びした感じでやっていけたらなと思います。

――自粛生活が続いていますが、これまでどんな「おうち時間」を過ごされましたか

西浦 おうちトレーニングや陸上トレーニングをやったりとか、あとはドラマを見たりピアノを弾いたりといろいろなことをやっていました。

――どんなドラマを見ますか

西浦 韓国ドラマです。『梨泰院クラス』とか、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』とか、いろいろ見ました。パソコンを床に置いて、体幹トレーニングをやりながら見るんですよ。何もやらないのもちょっとなと思って(笑)。体幹とか腹筋とかをやりながら見ていました。

――スケートと「おうち時間」と両立されていたのですね

西浦 両立しようと努力はしていました。

――岡島選手はいかがですか

岡島 僕はトレーニングをいろいろやったりとか、感覚が鈍らないように家でスケート靴を履いたりとかもしていました。趣味的なことは、音楽が好きなので、音楽の編集とかを自分でしたりしていました。

――音楽のことについて詳しく教えてください

岡島 基本的にはスケートの音楽です。例えば、何で使った何々選手の曲を、4分だったら4分ぴったりに合わせる、とか。あとは自分で将来使ってみたいなという曲を組み合わせて、ショートとかフリーのプログラムの長さにしてみようかな、とかそういう編集を好きでしています。

――早稲田大学に入った理由を、フィギュアスケート以外の面から教えてください

西浦 私は一般受験で入ったんですけど、早稲田に入ったら勉強面でもスポーツという面でも、何かしらの面で頑張ってきた人がたくさんいると思ったので、そういった努力してきた人がいる、という環境で過ごしたいなと思いました。

岡島 僕は高校から早稲田の附属に入っていました。そのときは「早稲田」ということはあまり考えずに、高校の雰囲気がすごく良かったのでそこを選んだのですが、結果的にこのような伝統あるスケート部へも入部することができて、本当にすごい先輩方とか穂香ちゃんみたいな同級生とか、本当に素晴らしい方達と一緒にスケートができるという環境になったので本当に嬉しいなという風に思います。勉強を一生懸命頑張ってきた人たちとも過ごせるということで、それもすごく良かったなと思います。

――高校時代に頑張っていたのはどんなことですか

西浦 高校時代はずっとスケートをやっていました。すごく頑張っていたのですが、高校2年生の終わり頃に、本番で全然力を出せない悪循環というか、そういうすごく大きな挫折をしてしまって。その挫折があって、スケートそのもの自体を「楽しい」と思えるようになって。大会とか関係なく、滑っていること自体が楽しいなと思えるようになりました。それがあって、高校3年生の受験期とかに、スケートを伸び伸び滑ってストレスを発散して、それから勉強に打ち込むといういいルーティーンができていたなと思います。

岡島 僕も一緒で、高校時代に挫折というか、怪我ですね。怪我を大きいのをして、滑れない時期とかも結構あったのですが、そういうときにスケートの楽しさというものがより一層高まったかなと思います。

――学部での勉強についてお聞きします。どんなことを学んでいますか。楽しい授業はありますか

西浦 スポーツ科学部なのですが、メンタルトレーニングとか、あとはスポーツが果たす役割についてです。例えば、高齢者にとってどのような運動をすることが介護予防につながるかとか、子供がどのような運動をすることで適切な筋肉をつけたりできるかとか、そういったことを学んでいます。いま興味があるのは心理的な面です。私が高校生の時に挫折したというのも心理的な面が大きかったので、メンタルトレーニングなどのことをもう少し深く学びたいなと思っています。

岡島 僕は商学部で、いまは経済学がすごく面白いなと思っています。正直、この学部に入るときはあまり経済とか興味がなかったのですが、今まで自分がピンと来なかったことが授業を通して、1年生では基礎的なことしかやっていないですけど、明確になってきたのは面白いなと思っています。あとは、学部は関係ないのですが語学でドイツ語を取っています。これは唯一Zoomで同じクラスの子とコミュニケーションが取れる授業なので、そこでいろいろとみんなと一緒に勉強できるというのが楽しいなと思っています。

――お友達などはできましたか

西浦 チュートリ(少人数制の英会話の授業)で一緒だった子と、授業が終わって先生が退室した後で話したりします。あとは直接会ったりはしたことがないのですが、InstagramやTwitterなどで話すということはありました。

――岡島選手は高校からの知り合いもいらっしゃると思いますがいかがですか

岡島 同じ学部に行った人で友達というのは1人くらいしかいなかったです。もちろん違う学部に高校から仲良くしていた人はいて、今でも一緒に勉強したりとかゲームしたりとかしているんですけど。それでも先ほど話した語学の中で友達はできて、中でも地方から頑張って授業を受けている子とかもいたりして。地方と東京の違いとかもいろいろ話すことができて、結構楽しいかなという感じはしています。

――学業とスケートの両立について考えていることはありますか

西浦 今はなかなか練習時間が取れないのですが、コロナが収束してスケーも今まで通りできるようになったら、時間的にも厳しいことがあると思います。ですが、高3の受験のときもスケート以外の時間は全部勉強に充てるぐらいの気持ちで勉強していて、やはりその経験があったので、多分隙間時間を使えばできるだろうという気持ちで。大変だとは思うのですが、移動時間とかを使って両立させていきたいなと思っています。

岡島 そうですね、僕は穂香ちゃんみたいに隙間時間を使うのがすごく苦手で。今も授業がたまっちゃったりとかしているのですが、勉強最優先でという意識は高く持ちつつ、スケートはもちろん頑張るけれどやはり勉強が最優先事項ということは頭の中に置きながら頑張りたいと思います。

「純粋にスケートを楽しめる4年間が大学にある(岡島)」

――ここからはフィギュアスケートについて伺います。高校生の時に特に力を入れて練習していたことはなんですか

西浦 高校時代は、スケーティングもスピンもジャンプも、できるだけ満遍なく頑張っていました。今もそうなのですが、ステップが結構苦手なので、これからはステップも頑張ります。今考えると、高校時代は技術的にはジャンプが一番伸びたんじゃないかなと思います。

岡島 高校のときはとにかくインターハイ(全国高等学校総合体育大会)に出るというのがすごく目標で、自分は(出場するために必要な)ダブルアクセルとトリプルジャンプ1本を習得していなかったので、ひたすらそれを練習という感じでした。結果的にダブルアクセルしか跳べずに、インターハイは出られなかったんですけど。ひたすらジャンプという感じで高校時代はやっていたかなと思います。

――先ほどもお話に上がっていた、自粛期間中のトレーニングについて詳しく教えてください

西浦 隙間時間を使いながら体幹をやっていたのと、あとはジャンプの感覚を保つために、(陸上で)その場でジャンプして回る回転練習とかをしていました。3回転を回るのは結構難しいのですが、2回転とか2回転半とか。やはり氷の上でしかつかめない感覚もあるので、それをずっと維持するのは大変だったのですが、ジャンプの回転の感覚とか空中の感覚だけでも陸上でなんとか維持しようと思ってやっていました。

岡島 僕も一緒で、回転練習をやっていました。なかなかスペースが取れないので、わざわざ家の前の車を置くところをどかしてもらってとか。本当に家族にいろいろ支えてもらいながらトレーニングをさせてもらって、本当にありがたいなという風に思います。あと、村上大介選手がYouTubeをやっているのですが、10分の筋トレみたいな動画を上げてくださっていて。それをちょこちょこやりながら筋トレとかもしていました。

――早稲田大学を選んだ理由を、今度はスケートの面から教えてください

西浦 あまりスケートで、というのは考えていなかったのですが、スケートに関しても頑張っている人がやはりいるので、そういう人に囲まれたいなというのがありました。自分の気持ちのモチベーションとかも、そういうところが結構大事かなと思っていたので。

岡島 僕は高校のときから早稲田の附属だったのですが、高1くらいのときにすごく大きなけがをして。すごく自分はスケートが好きなのですが、自分がびっくりするくらいスケートを辞めたいなという風に思った時期があったんです。その中で、今一緒の永井選手(優香、社4=東京・駒場学園)が当時1年生で早稲田大学のスケート部に入部したという話をどこからか聞いて。そのときに、このままやっていれば一緒の部活でやることができるなと思いました。それが原動力となって、またスケートを頑張るんだという気持ちになりました。

――今のお話にもありましたが、お2人とも高校で挫折を経験しながらも、大学でスケートを続ける選択をされました。理由を教えてください

西浦 挫折をしたときに2週間ぐらい休んだんですね。それはもう、そのときの私にしたら結構長くて。いままでは2日続けて休みたくないというぐらいだったので、2週間というのはすごく長かったです。でも、2週間経って、先生(武田奈也氏、11年卒)から「今の気持ちはどんな感じ?整理はできた?」とメールをいただいて。母と先生と私で話し合ったときに、先生から「今まで、そこまで頑張ってきたスケートが絶対に嫌いになるということはないと思うから、ちょっとまた滑ってみたら」みたいな感じで言っていただきました。「何も気にせず、このジャンプが跳べないといけないとか、そういうことを何も考えずに、ただ滑ってみたら」という風に言っていただいて滑ったときに、滑ることという楽しさ、目標を持ったスケートではなくて、ただ滑るというその行為自体が楽しいなという風に思いました。リラックスして滑っていたら、高3でジャンプがいきなり跳べるようになったんですよ。今までなかなか跳べるようにならなかったジャンプとかが、一気に飛べるようになったりして。やはりそういうところで「あ、私は本当にスケートが好きなんだな」という風に思えて、それで大学でも続けたいなという気持ちになりました。

岡島 先ほど言った通り、辞めそうになったときに永井選手が入部したという話を聞いて一緒にやりたいなと思ったこともそうですし、やはり大学のスケートって大会も他の大会とは少し違っていて。みんなで楽しもうという、お祭り的な感じがある中で、純粋にスケートを楽しめる4年間が大学にあるなと感じました。それも自分の中ではすごく大事だなと思い、続けようと思いました。

――部活に入ろうと思ったのはなぜですか

西浦 クラブの子とかを見ていても、インカレって本当にすごく楽しそうに見えていて。みんなで応援して、とか、そういうことがすごく楽しそうで憧れました。それと、私のスケートの先生がこのスケート部のフィギュア部門だったのですが、後輩になりたいなという気持ちもあって入部を決めました。

岡島 多分穂香ちゃんと一緒で、いつもやっているスケートクラブとは違った刺激が入部するといただけるかなと思ったのもそうですし、一緒に大学の試合などで楽しんでいければいいなという風に思ったので入部することにしました。

――大学生になりましたが、改めてどんなことを頑張りたいですか

西浦 フィギュアに関しては、受験とかコロナで休んでしまったので、その分のブランクを埋めていくことがまず一番で、その過程であまり焦らずに、怪我をせずに楽しみながら取り戻していけたらなと思っています。勉強面に関しては、スポーツ関係で言うと先ほども言ったスポーツ心理やメンタル面に興味があるので、そういったことを学んでいけたらなと思います。あとは語学面でも、英語でのコミュニケーションをもっと上手く取れるようになりたいなと思っています。

岡島 スケート面では、自分は今5級なのですが、トリプルジャンプなどをしっかり習得して、4年間で7級まで取れるようにというのが一番の目標です。でも、せっかくこうやって楽しめる機会がたくさんあるので、目標だけに縛られずに楽しむことは楽しんでという、目標とただ純粋にスケートを楽しむということの両立ということも、しっかりバランスを保ちながらやりたいです。勉強面に関しては、自分は将来何かこれをやりたいということがあまり明確に決まっていません。それを学部を通じてでもですし、学部以外の所でもいろいろな人たちと顔を合わせられると思うので、そういう人たちとも繋がりながら、何か自分でやりたいことを見つけられればいいかな。何かに興味を持てるように探していければなという風に思って、勉強したいなと思います。

――フィギュア部門の他の選手と話す機会はありましたか

西浦 はい、Zoomで2回ほど集まりました。1回目は顔合わせという形で自己紹介とか。2回目はミーティングでした。今まで部活での練習はなかったのですが、今年から部員全員で集まって練習する機会ができるようになりました。それが今月末、第1回の練習が決まって。そういう感じで、オンラインでのコミュニケーションは取れています。

――部活でのオフィシャルな集まり以外に誰かと話したりはありますか

岡島 顔を合わせる前に少しInstagramとかで話して挨拶とかはしましたね。穂香ちゃんにも自己紹介がてらしたんですけど(笑)。でもやはり直接まだ会っていないので、今度の部練がその機会になると思うのですが、そこからですかね。そこからいろいろコミュニケーションをとっていきたいなと思います。

――大学外で交流のある選手はいますか

西浦 同じ先生で同じクラブだった日大の藤本凛果選手という選手がいるのですが、小学生の頃から一緒に頑張ってきました。その選手とは会えない時期もLINEで話したり、元気でたまに会ったら「最近どう?」という感じで話したりとか、スケートの話から普段の話まで全然気を使わずに楽しめるので、そういった時間も大事にしています。

岡島 去年まで現役だった明治大学の中野耀司くんが同じ先生だったので、今トレーニングをお願いしていて一緒にやったりとか、いろいろアドバイスをもらったりしています。法政大学の4年生の小林諒真選手とも結構いろいろスケート以外の所で趣味の話をしたりしています。

――せっかくお2人での取材なので、お互いのことについてもお伺いします。お互いに対する印象はどうですか

西浦 右京くんはまだ会ったことがないのですが、LINEやZoomでの顔合わせ会からは、すごく真面目そうだなという印象があります。あと、話すのがとても上手なんですよ。自己紹介にしてもこういった取材にしても話すのがすごく上手だなと思っています。私は苦手なので、尊敬します。

岡島 めっちゃ照れますね(笑)。穂香ちゃんは本当にスケートが好きなんだなと言うのがこのインタビューから滲み出ていて、本当にスケートに対していろいろちゃんと向き合って練習してきたんだなと思います。スケートだけじゃなくて勉強に対しても本当に真摯に、一直線に向き合ってきたんだなというのをすごく感じて。そういう真摯な部分というのは本当に学ばなきゃいけないなと思って、刺激をいただいています。

西浦 ありがとうございます。

――憧れの選手や、影響を受けている選手はいらっしゃいますか

西浦 2人いいですか?2人は現役の選手で、樋口新葉選手(明大・ノエビア)に憧れています。神宮(明治神宮外苑アイススケート場)で練習しているのを見て、ジャンプの高さとかスピードとかそういったところにすごく惹かれました。インタビューとかを見ていても、けがで悩んでいても向き合う強さというか、そういったところにもすごく憧れます。もう1人は武田奈也先生をとても尊敬しています。先生自身から選手時代の話とかも聞くのですが、努力の量が半端じゃなくて。並大抵じゃない覚悟を持って競技に取り組まれていた方なので。覚悟というのはなかなかできるものではないと思うので、すごく尊敬しています。

岡島 僕もじゃあ2人。もう現役は引退されてしまったのですが、パトリック・チャン選手はすごく大好きです。僕は選手とか、スケートの大会とかを結構見るのですが、本当にスケーティングの美しさというものを、「こんなに滑れたら本当にスケートを滑るのが楽しいんだろうな」という憧れの目で見てしまいます。本当に「ただただ美しいな」という演技をされる方なので、目標にはできないですけれど、ただ見ているだけで、「ああ、すごいな」という気持ちになります。もう1人は、こちらも引退されてしまったのですが、ブライアン・ジュベール選手というフランスの選手です。とにかくオーラというか雰囲気というか、見ている人を引き込むようなオーラとか、強くみせるということがすごく上手な方だったので、そういう演技を自分ができたらなということで憧れの選手です。

――ご自身の持ち味はどんなところだと思っていますか

西浦 なんだろうな。1つはスピンなのですが、スピンの回転の速さに結構自信があります。ポジションの綺麗さにもこだわっています。あとはジャンプの高さ・幅です。今は自粛明けということもあってなかなか思うように跳べなかったりするのですが、自信がありますね。これからもう少し安定させることをメインに考えていきたいと思います。

岡島 音楽に引き込んで滑るということは、強いて言うなら1つ出せるかなというところです。曲に入り込むというか、曲のストーリーに入り込むということだったら自分は結構得意というか、意識してやっていることかなと思います。

――今シーズンのプログラムについてお話しできる範囲で教えていただけますか

西浦 今シーズンは基本先シーズンと変える予定がなくて、今のところは。ショート(プログラム)が『シンギング・イン・ザ・レイン』で、フリー(スケーティング)は『ラ・カンパネラ』というバイオリンの曲です。『シンギング・イン・ザ・レイン』はすごく明るくて、軽やかな曲なので、雨が降っている情景が目に浮かぶような滑りをいますごく目指しています。なかなか曲はいまかけられていないのですが、少しずつ体力とかを戻しながら、ショート・フリーともに練習できたらいいなと思います。フリーはバイオリンの曲なので結構格好良さが必要だと思っているのですが、その格好良さをなかなか自分が思うように出せなくて。そういった部分は表現の練習をしたりしています。

岡島 僕も変える予定はなくて。フリーは途中で帰るかもしれないですけど。ショートが『ニューヨーク・ニューヨーク』でフリーが映画のサントラで『アンタッチャブル』という曲です。ショートに関してはすごくアメリカンな雰囲気で、帽子を被ったりとかポケットに手を突っ込んだりという振り付けをたくさん入れているのですが、なかなか雰囲気を出すのが難しくて。結構滑っているのですが、全然まだまだ雰囲気を出せていないなという風な感じです。もう少し雰囲気を出せるようにこれから頑張っていければなと思います。フリーは刑事の物語で、銃を構える動きだったりとかがあったり、中盤は柔らかい雰囲気があったりします。そこを柔軟に演じるということを心がけたいのですが、如何せんジャンプが決まりません。本当に大会も始まりそうなので、ジャンプも急ピッチで合わせていきたいなと思います。

――大学生活4年間の目標を教えてください。

西浦 一番は、楽しんでスケートをすることです。スケートみたいに、こんなに好きと思えるスポーツに出会えたことも奇跡みたいなことだと思っていますし、やはり選手としてスケートに関わっていくということも多分この4年間が最後になると思うので、この4年間をしっかり大事に楽しんで滑っていきたいなと思います。

岡島 僕はさっきも言ってしまったのですが、7級を取るというのがこの4年間の目標です。ですがそれに縛られずに、大学でしか味わえない試合の楽しさだったりとか、いろいろな人と交流したりだとかということを楽しみながら両立させて、頑張っていければなと思います。

――ファンの方々にメッセージをお願いいたします

西浦 これから4年間楽しみながらも、しっかり自分のスケートを本番で出せるように頑張っていくので、応援よろしくお願いします!

岡島 高校生だったり中学生だったり小学生もいますが、いまスケートをやっている子たちが、いろいろ勉強もあるので難しいところはあると思うのですが、大学まで続けたいと思ってくれるような働きかけがしたいと思っています。スケートやそれ以外の部分で、大学の試合でこんなことがあったよとか、大学でしか味わえない楽しさというものをスケートをやっている子たちに伝えていければ、大学でスケートを続けてくれる人も増えてくれると思うので、そういうことも意識しながらやっていきたいと思います。試合でもジャンプとかも色々、もしかしたら決まらないこともあるかもしれないのですが、とにかく一生懸命滑ることはどの試合も変えずにやっていくので、応援をよろしくお願いします!

 

――ありがとうございました!


西浦選手 今シーズンの目標


岡島選手 今シーズンの目標

 

早スポプレゼンツ質問リレー

選手の方同士が気になることをリレー形式で次の選手に質問し、それを受けてお答えいただくというコーナーです。今回は、前回の対談でお話を伺った、石塚玲雄選手(スポ3=東京・駒場学園)から岡島選手・西浦選手への質問です。

石塚 大学生活の中で滑ってみたいプログラムは何かありますか?

西浦 曲名が思い浮かぶわけではないですが、切ない系のプログラムに挑戦してみたいです。私は今まで明るい表現が多かったですが、それは明るい表現があまりできていなかったからで。その練習のためということもあって明るいプログラムに取り組んできました。これから大学生活の中で、切ないプログラムとか、もう少し大人っぽいプログラムとか、そういったものに挑戦したいです。

岡島 雰囲気が重い系のプログラム、『トスカ』とか、高橋大輔さんのやった『ロミオとジュリエット』とか。幻想序曲の『ロミオとジュリエット』なのですが、そういう重い曲を滑りたいなと思っています。ステップとかで感情表現できたらいいな。

おまけ

2人での対談を記念して、お互いへの質問交換にも挑戦していただきました!

西浦 好きな食べ物はなんですか?

岡島 メロンパンです。週一くらいで食べています。

西浦 私も好きです!高校2年生ぐらいまでは朝練の前は絶対メロンパンを食べていました。

岡島 じゃあ、好きな芸能人はいますか?

西浦 日本の芸能人だと石原さとみが好きです。バラエティとかで見る性格もそうなのですが、顔も可愛くて声とかも好きです。

岡島 なるほど!

(取材・編集 犬飼朋花、岡すなを)

◆西浦穂香(にしうら・ほのか)

2002(平14)年3月19日生まれ。東京・都立墨田川高出身。スポーツ科学部1年。柔らかい笑顔で質問に答えてくださった西浦選手。丁寧な言葉選びが素敵です。取材は短い間でしたが、スケートが大好き!という気持ちが画面越しにも伝わってきました。明るさと格好良さという、違ったテーマで挑む2つのプログラム。どんな演じ分けを見せてくれるのか、今から期待が高まります。

◆岡島右京(おかじま・うきょう)

2001(平13)年8月7日生まれ。東京・早大学院出身。商学部1年。真っ直ぐな言葉で、スケートの楽しさについてたくさん語ってくださった印象です。岡島選手の気さくな受け答えで、インタビューの場に明るい雰囲気が生まれていました!映画音楽にのせた、ストーリー性豊かな演技が見られる日を心待ちにしています。