フィリピンの専門家が指摘する、渡航制限以外の理由 ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、9月26日に行われる米興行大手「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)」の興行に出場することが決定。次戦で…

フィリピンの専門家が指摘する、渡航制限以外の理由

 ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、9月26日に行われる米興行大手「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)」の興行に出場することが決定。次戦での井上尚弥(大橋)との3団体統一戦は事実上消滅した。フィリピンの識者はその理由として、米国への渡航宣言ともう1つの理由を推測している。

 当初は4月25日に米・ラスベガスで予定されていた3団体統一戦。しかし新型コロナ禍の影響で延期となり、結局カシメロは次戦ではPBCの舞台に立つことになった。

 フィリピンテレビ局の「ABS-CBN」は「アラム氏はイノウエをカシメロから守ったと、専門家が指摘」と見出し付けして、今回の対戦が実現しなかった理由を推測している。

 記事によると、井上をプロモートするトップランク社は、渡航制限が理由でカシメロ戦が行われなくなったと説明したという。だが同局のボクシングニュース解説員のエド・トレンティーノ氏はこの試合が行われなかった理由は他にも存在すると指摘している。

「私の考えでは、ボブ・アラム氏はただイノウエを守ったんだと思う。ノニト・ドネアはイノウエに負けた。しかし、素晴らしい試合をしたし、イノウエが無敵であるというイメージを無くした」

「ドネア戦の内容、結果も影響」とトレンティーノ氏

 同氏はアラム氏の考えを推測している。それを裏付けるものとして、記事では「カシメロはワンパンチでKOできるパワーを持つだけでなく、何をやってくるか分からないファイトスタイルだからだ」とカシメロを改めて高く評価している。

 トレンティーノ氏は「もしイノウエがドネアをKOしていたら、彼は間違いなくカシメロ戦に臨んだだろう。しかし、実際のドネア戦はタフな試合だった」とも続けている。

 2月から米国入りし、井上戦に備えていたカシメロの心境については「カシメロはストレスが溜まっている。彼はイノウエと戦いたかったからね。『モンスター・ハンティング』をずっと続けていたんだ」とも想像している。

 カシメロの母国ではアラム氏の忖度があったと見られているようだ。(THE ANSWER編集部)