来季のV奪還を狙うソフトバンクに、楽しみな若武者が現れた。真砂勇介、22歳。12年のドラフトで4位指名を受けた外野手が、柳田悠岐、中村晃といった侍ジャパンが顔をそろえる外野手の、来季の定位置争いに割って入ってくるかもしれない。■U-23W杯…

来季のV奪還を狙うソフトバンクに、楽しみな若武者が現れた。真砂勇介、22歳。12年のドラフトで4位指名を受けた外野手が、柳田悠岐、中村晃といった侍ジャパンが顔をそろえる外野手の、来季の定位置争いに割って入ってくるかもしれない。

■U-23W杯で侍ジャパンを初代王者に導く活躍、ホークス真砂勇介が示した可能性

 来季のV奪還を狙うソフトバンクに、楽しみな若武者が現れた。真砂勇介、22歳。12年のドラフトで4位指名を受けた外野手が、柳田悠岐、中村晃といった侍ジャパンが顔をそろえる外野手の、来季の定位置争いに割って入ってくるかもしれない。

 10月28日からメキシコで行われた「U-23 ベースボール ワールドカップ」。侍ジャパンU-23代表の一員として、大会に参加した真砂は大会MVPに輝く活躍で、チームを第1回大会での世界一に導いた。

 初戦のニカラグア戦で4番として起用されると、いきなり3打数2安打1打点2得点。2戦目のチャイニーズ・タイペイ戦では5打数4安打(3二塁打)4打点で大勝に貢献。順調に勝ち進んだチームをバットで牽引し、決勝のオーストラリア戦では大会4本目となる本塁打を放った。

 大会を通じて、31打数12安打の打率3割8分7厘をマーク。大会トップとなる4本塁打、5二塁打を放ち、14打点も全体で2位の数字。大会ベストナインに選ばれ、文句なしのMVPを獲得した。

 京都市出身の真砂。京都府立西城陽高校時代は甲子園出場経験はなし。全国的には無名の存在だったが、高校通算52本塁打のパンチ力に加え、身体能力に秀でていることを評価され、ソフトバンクから4位指名を受けた。

■今季は1軍デビューお預けも2軍戦で躍進、柳田に続く存在に?

 プロ1年目の13年は3軍戦での出場がほとんど。14年、15年もウエスタン・リーグで目立った成績を残せていなかったが、4年目の今季、その素質が花開き始めた。ウエスタン・リーグで自身初となる規定打席に到達。319打数94安打の打率.295、7本塁打44打点をマークした。

 9月8日のオリックス戦(京セラD)で1軍初昇格を果たすも、10日には登録を抹消。9月24日の西武戦(西武プリンスD)で再び出場選手登録されたが、またしても、わずか2日で登録抹消となった。その間、出場機会はなし。1軍公式戦でのデビューは来季に持ち越しとなった。

 真砂の武器は何と言っても、その身体能力の高さだ。身長185センチ、80キロの体格を誇り、50メートル走6秒1、遠投は100メートルを軽く超えるという。右打ちと左打ちの違いこそあれ、球団内では、昨季トリプルスリーを達成した柳田悠岐クラスのスケールとも言われている。その素質の片鱗を見せたのが、先のU-23ワールドカップだった。

 ソフトバンクにとっても、若い外野手の台頭を期待せずにはいられない。レギュラー当確は柳田、中村晃の2人。長谷川勇也は足首の状態の不安があり、シーズンを通して守備に就くことは厳しい状況にある。残る外野は1枠。交流戦MVPの城所龍磨と吉村裕基のベテラン2人、今季1軍に定着した福田秀平、来季4年目を迎える上林誠知と、その真砂が競争の軸になる。

 国際舞台で見せた活躍を、更なる成長の糧と出来るか。9日に帰国した真砂は、ともに世界一の座をつかみ取った笠原大芽とともに、そのまま秋季キャンプ地の宮崎入り。休む間もなく、厳しい練習に汗を流すことになる。