サッカー日本代表 現ベストメンバーを考える 前編後編はこちら>> 10月に延期になっていたサッカー2022年カタールW杯…

サッカー日本代表 現ベストメンバーを考える 前編

後編はこちら>>

 10月に延期になっていたサッカー2022年カタールW杯予選が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来年に再延期となった。ウィズコロナの時代にあって、ナショナルチームの活動や強化は、しばらく難しい状況を迎えるだろう。

 今後は準備もそこそこに試合が組まれることもあるかもしれない。であるならば、さまざまな状況を考慮した、現在パフォーマンスのいい、戦える選手たちを常に意識しておく必要があるのではないか。そこで今回は、識者の方々に2020年8月時点で選ばれるべき、ベストメンバーを考えてもらった。

久保と伊東でゴール前にクロスを供給

原山裕平氏(サッカーライター)



両サイドの突破力を生かしたクロス攻撃を想定

 2年前の立ち上げ当初は、大きな希望を抱かせた森保一監督率いる日本代表だったが、その期待感は徐々に萎みつつある。

 ケチの付き始めは昨年2019年2月。アジアカップ決勝でカタールに敗れたことで歯車が狂った。若手主体で臨んだ6月のコパ・アメリカでは健闘したものの、未勝利で終了。

 9月から始まったワールドカップ予選では、格下相手に結果を出すも、11月のベネズエラ戦で完敗を喫すると、国内組で臨んだ年末のE-1選手権で韓国に敗れたのもトーンダウンの色を濃くした。

 主力を招集できなかったコパ・アメリカやE-1選手権は、五輪世代の若手の融合や国内組の台頭を求めながらも、その成果は現れなかった。結果よりもスピード感が備わらない強化の過程にこそ、ネガティブな印象が付きまとう。

 ここまでのチームの象徴だった中島翔哉や堂安律もすっかり影が薄くなっている。一方で、新たなタレントの台頭もある。その筆頭が久保建英であることは言うまでもないだろう。フランクフルトでブレイクを遂げた鎌田大地の存在も見逃せない。そうした情況を踏まえれば、攻撃陣にテコ入れが図られるのは想像に難くない。

 ただし問題なのはその組み合わせ。久保は本来右サイドで輝きを放つが、中島に代わって左に置いた。右には、堂安ではなくクラブでも代表でも安定した働きを見せている伊東純也を配置。

 共に利き足のサイドとなるため、クロスが増えることを踏まえれば、中央にはスペインで復権した岡崎慎司を大迫勇也と組ませるのも手だろう。鎌田は本来、トップ下で南野拓実と争うが、その得点力を踏まえれば、大迫不在時にゼロトップ的な起用も考えられる。

 ボランチでは、クラブで結果を出せていない柴崎岳よりも、Jリーグで別格の存在を見せる大島僚太が上回る。そのパートナーはドイツで成長を遂げた遠藤航が第一候補だが、成長著しい田中碧との"川崎セット"も面白い。

 最終ラインは無風地帯。冨安健洋、酒井宏樹は不動の存在で、冨安の相棒を吉田麻也とケガから復帰した昌子源が争う。

 ただし左SBはどちらかと言うと消去法で決めた。長くプレーできていない長友佑都だが、それでもこのベテランを上回る存在が見当たらない。長友の新天地の選択もカギとなりそうだが、最も不安なポジションと言わざるを得ない。

 GKも決め手を欠く。これまでは権田修一が軸を担ってきたが、Jリーグでハイパフォーマンスをつづける中村航輔を、ここでは推したい。

左サイドは攻守共に選手層が薄い

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)



南野拓実を左サイドに回した布陣

 かれこれ約8カ月も活動休止状態にある森保ジャパン。その間、所属クラブで目覚ましい成長を遂げたのは、マジョルカで活躍した久保建英だろう。

 そのほかでは、鎌田大地がフランクフルトで定位置を確保して、ゴールやアシストを量産。シュツットガルトの遠藤航も、シーズン後半戦にレギュラーの座をキープして、チームの1部昇格に貢献した。

 逆に、これまで森保ジャパンの左ウイングのレギュラーだった中島翔哉は、所属のポルトでリーグ再開後は個人的事情もあってプレーせずにシーズンを終え、ガラタサライの長友佑都もチームの構想外となり、現在は所属クラブを探している。

 それらの状況を踏まえて、森保ジャパンの基本システムである4-2-3-1にあてはめてみたのが、今回選出した11人だ(遠藤と橋本拳人はほぼ横並びなのでふたりを選出)。

 もっとも、従来のメンバーから大きな変更点はなく、選出するにあたってポジティブな要素は多くなかったというのが率直なところ。とくに中島と長友に変わる駒は、どちらかと言えば消去法的なセレクトになった。

 リバプールでも万能型アタッカーとして評価されている南野拓実を中島のポジションに移し、代わりにトップ下には鎌田を配置。これまで長友の控えとしては佐々木翔もしくは安西幸輝が務めたが、代表で芳しいパフォーマンスを発揮できていない佐々木よりも、伸びしろのある安西を選択した格好だ。

 今後に向けた大きな課題は、両サイドバックの新戦力発掘だと思われる。東京五輪世代は3バックを採用しているだけに、そのままあてはめられる駒が見当たらないのが現状。結局、国際試合の基準から、右は安定感のある室屋成が最有力。左の安西については守備面の課題が多く、このポジションの選手層が最も薄い。

 Jリーグでも3バックのチームが増えているだけに、今後はA代表の基本システムを4バックから3バックに移行する可能性も十分にありそうだ。