引退試合のレジェンド・コーミエ、視界を失い判定負け 米国最大の総合格闘技「UFC」は15日(日本時間16日)、米ラスベガスで「UFC252」を開催。メインイベントではヘビー級王者のスティーペ・ミオシッチ(米国)が、挑戦者のダニエル・コーミエ…

引退試合のレジェンド・コーミエ、視界を失い判定負け

 米国最大の総合格闘技「UFC」は15日(日本時間16日)、米ラスベガスで「UFC252」を開催。メインイベントではヘビー級王者のスティーペ・ミオシッチ(米国)が、挑戦者のダニエル・コーミエ(同)に3-0で判定勝ち。王座を防衛したが、試合中に繰り出した王者の目潰しが波紋を生んでいる。米メディアが実際にシーンを動画付きで公開。米放送局も「酷い目潰しに遭った」と伝えている。

 大会前にこの試合を最後に引退することを表明していた41歳のレジェンド、コーミエ。しかし悲運に見舞われてしまった。3ラウンドの終盤。ミオシッチが繰り出した右を被弾した際に、ミオシッチの指が完全に左目に入ってしまった。

 左目の視界を失ったコーミエはその後も懸命に戦い続けたが判定負け。有終の美を飾ることはできなかった。この一戦に注目しているのは米スポーツ専門局「CBSスポーツ」だ。「UFC252で、スティーペ・ミオシッチに敗れたダニエル・コーミエは酷い目潰しによって、目が腫れてしまった」と無念の最終戦をレポートしている。

 UFC史上5人目の2階級制覇。史上2人目の2階級同時王者など、輝かしい実績を積み重ねてきたコーミエ。だが記事では「レジェンドであったとしても競技人生のエンディングが必ずしも美しいものになるわけではない。UFCの元ライトヘビー級とヘビー級の王者であるダニエル・コーミエにとって、UFC252で素敵なエンディングを迎えることは難しいことだった」と伝えている。

 ミオシッチとは3度目の対戦。2018年には1回KOで勝利したが、昨年の対戦では判定負けしヘビー級のベルトを失った。1年ぶりの3度目の対決だったが、「第3ラウンドでひどい目潰しに遭ってしまったのだ。以降、彼の視界は悪くなってしまい、彼はキャリア最後の試合に敗れてしまった」と同情も寄せている。

目には目を!? 昨年の対戦では逆にコーミエから目潰し食らう

「第3ラウンドの終盤、ミオシッチが右手を伸ばした時に彼の指はコーミエの左目に入ってしまった。ラウンド間にコーミエは陣営に、目が見えない状態だが戦いを続けると話した。しかしその後、全員一致の判定負けとなってしまった」

 試合をこう振り返った上で、同局はコーミエが「残りの戦いは左目で見ることが出来なかった。でも構わなかった。右目では見えていたから」と話していたことも伝えている。

 だが一方でこんな伏線もあった。記事によると昨年8月の対戦の際にはミオシッチがコーミエから目潰しを受け、手術を受けていた。そのために今回の対戦の開催が遅れたのだという。

 逆襲をくらった格好となったコーミエにとっては、不本意なラストファイトになってしまった。(THE ANSWER編集部)