10日、SUPER GT今季最終大会(第3&8戦)の公式練習日を翌日に控えたツインリンクもてぎでは、各チームが搬入作業を進行。決戦ムード高まるなか、ニスモのR.クインタレッリは、最近の良くない流れからは「気持ちを切りかえた」と語り、…

10日、SUPER GT今季最終大会(第3&8戦)の公式練習日を翌日に控えたツインリンクもてぎでは、各チームが搬入作業を進行。決戦ムード高まるなか、ニスモのR.クインタレッリは、最近の良くない流れからは「気持ちを切りかえた」と語り、3連覇達成に向け照準を据え直している。

地震の影響で中止になった九州オートポリス戦の代替レース(第3戦)と併せ、2レース開催となった今季の最終もてぎ大会。通常なら土曜に予選、日曜に決勝ということで搬入は金曜に実施されるのだが、今回は金曜から走行が始まるため、いつもより一日早く木曜が搬入日となった。

金曜に公式練習走行があり、土曜に第3戦の予選&決勝、そして日曜が第8戦の予選&決勝という強行軍のスケジュールで、ドライバーズポイントに関しては今週末で最大42点獲得可能。つまり現段階では数多くの陣営にタイトル奪取の数字的な可能性が残っているわけだが、GT500クラスでは目下ランク首位、3年連続のタイトル獲得を目指すニスモ(#1 MOTUL AUTECH GT-R/タイヤはミシュラン)の松田次生&ロニー・クインタレッリが王座争いの主軸となる。

今季、開幕2連勝を飾った松田&クインタレッリは、早い段階から重いウエイトハンデ(6戦目までは獲得ドライバーズポイント×2kg)を課されながらも着々と加点、盤石なシーズン運びを展開していた。

第6戦鈴鹿1000kmと第7戦タイ(チャン国際サーキット)には行使上限の100kgハンデで臨んだ#1 GT-R。クインタレッリは「この2戦で10ポイント獲得し、合計60ポイントで最終もてぎ連戦に向かう」ことを目標として臨んだ。

そしてそれは叶えられそうなところだったのだが、鈴鹿では最終ラップのガス欠で4ポイントを失い、タイでは松田の走行中にアクシデントがあり今季初の無得点に。なぜか急に流れがわるくなった印象で、鈴鹿~タイでは6ポイントの獲得にとどまって合計56ポイント、後続に対し10点リードでのもてぎ入りとなった。

「タイでは残念だったけれど、もう気持ちは切りかえたし、(チームは)みんなすごくいい雰囲気。今週の戦いがとても楽しみです」とクインタレッリは語る。思ったほどのポイントリードは構築できなかったが、「どっちみち、もてぎで速く走らないとチャンピオンにはなれないから」と、高い次元での割り切りも見せ、王座3連覇に向けて照準を再セットした様子だ。

シーズン7戦目となる土曜の第3戦では、ウエイトハンデがポイント×1kgに軽減される。#1 GT-Rはトップハンデこそ変わらずも、56kgへ減量。決して軽くはない重量ではあるが、過去4戦、80~100kgで走ってきた#1 GT-Rだけに56kgを“恵量”とできる可能性もクインタレッリは示唆する。「優勝は厳しいだろうけど、上位にいけると思う」。

残る懸念要素は天候。ただ、金曜に雨の可能性があることは「土曜へのタイヤ選択の面に影響する」としつつも、クインタレッリは「いろんな状況を考えて準備して来ているので、あとは走るだけ」と自信も見せる。3連覇達成での前人未到の個人5冠到達、それを目指してもう一度、王座ロードを盤石に仕立て直す構えだ。10点リードも含めて考えると、やはり本命は彼らだろうか?

いよいよ始まるもてぎ決戦。明日(11日)は公式練習が2セッション、9~10時と13~14時に実施され、ニスモをはじめとした各陣営は土日に向けてセットアップを煮詰めていくことになる。

公式練習前日のもてぎ、ピット作業の練習に取り組む#1 GT-R。撮影:遠藤俊幸

公式練習前日のもてぎ、ピット作業の練習に取り組む#1 GT-R。撮影:遠藤俊幸

ピットでは設営が進む(中央やや左が#1 GT-Rのクインタレッリ)。撮影:遠藤俊幸

ピットでは設営が進む(中央やや左が#1 GT-Rのクインタレッリ)。撮影:遠藤俊幸

今回がチーム(DRAGO CORSE)としての最終参戦になる#15 NSX。撮影:遠藤俊幸

今回がチーム(DRAGO CORSE)としての最終参戦になる#15 NSX。撮影:遠藤俊幸

GT500のレクサス陣営は逆転王座に向け虎視眈々。撮影:遠藤俊幸

GT500のレクサス陣営は逆転王座に向け虎視眈々。撮影:遠藤俊幸

GT300の一大勢力、メルセデス軍団。撮影:遠藤俊幸

GT300の一大勢力、メルセデス軍団。撮影:遠藤俊幸

明日以降、もてぎの空模様も注目材料になる。撮影:遠藤俊幸

明日以降、もてぎの空模様も注目材料になる。撮影:遠藤俊幸

パドックも次第に華やかなムードに。撮影:遠藤俊幸

パドックも次第に華やかなムードに。撮影:遠藤俊幸