ヨーロッパリーグ(EL)準決勝、セビージャvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間16日28:00にドイツのシュタデ…

ヨーロッパリーグ(EL)準決勝、セビージャvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間16日28:00にドイツのシュタディオン・ケルンで開催される。4シーズンぶり最多6度目の優勝を目指すセビージャと、3シーズンぶり2度目の優勝を目指すユナイテッドによるファイナル進出を懸けた一戦だ。

ロペテギ新監督の下、今季のラ・リーガを4位フィニッシュしたセビージャは、得意とするELの舞台でもローマ、ウォルバーハンプトンという曲者を連破。準々決勝のウルブス戦では試合序盤にPKを与えるピンチを招くも、GKブヌの完璧なPKストップで阻止。その後は主導権を握りながらもゴールが遠かったが、試合終了間際の88分にショートコーナーからエースFWオカンポスが決勝点となるヘディングでのゴールを決め、ウノセロで勝ち切った。

なお、ウルブス戦での勝利によって公式戦無敗を19試合に更新した絶好調のセビージャは、前身のUEFAカップ時代を含め、EL準決勝で一度も敗退したことがなく、優勝候補筆頭のユナイテッドに対しても良いイメージで臨めるはずだ。

一方、今季の終盤戦で公式戦19試合無敗を記録するなど、見事な巻き返しを見せたユナイテッドは、プレミアリーグを3位でフィニッシュ。ELではリンツ(オーストリア)、コペンハーゲン(デンマーク)と5大リーグ以外の格下との連戦を順当に制し、準決勝に駒を進めた。

ただ、コペンハーゲン戦では相手GKヨンソンに1試合でのEL新記録となる13本のセーブを記録されるなど、決定機を決め切れず。延長戦まで持ち込まれる思わぬ苦戦を強いられた。最終的にMFブルーノ・フェルナンデスのPKによる決勝点で勝ち切ったものの、連戦が続く中での120分間の戦いの影響が懸念されるところだ。それでも、対戦相手とのタレント力、選手層の差を考えれば、ファイナル進出の本命という見方に変化はない。

なお、両チームの通算対戦成績はセビージャの1勝1分け。2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16では1stレグは0-0のドローも、敵地での2ndレグをFWベン・イェデル(現モナコ)の2ゴールの活躍で勝ち切ったセビージャがクラブ史上初のCLベスト8進出を決めていた。

◆セビージャ◆

【4-3-3】

セビージャ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ブヌ

DF:ヘスス・ナバス、クンデ、ジエゴ・カルロス、レギロン

MF:ジョルダン、フェルナンド、バネガ

FW:スソ、エン=ネシリ、オカンポス

負傷者:なし

出場停止者:なし

退団者:MFロニー・ロペス

出場停止者はいないが、ニースにレンタル移籍したロニー・ロペスがメンバー外となっている。負傷者に関しては新型コロナウイルスの陽性反応が出て自宅待機を余儀なくされたグデリが、ようやくドイツ入りを果たしており、主力全選手が起用可能な状態だ。

スタメンに関しては引き続きローマ戦、ウルブス戦と同じメンバーを起用する見込み。ただ、コンディション次第ではオリベル・トーレス、ムニルあたりにチャンスが回ってきそうだ。

◆マンチェスター・ユナイテッド◆

【4-2-3-1】

マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン(C)CWS Brains,LTD.

GK:ロメロ

DF:ワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、ウィリアムズ

MF:マティッチ、ポグバ

MF:グリーンウッド、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード

FW:マルシャル

負傷者:DFショー、トゥアンゼベ、ジョーンズ

出場停止者:なし

退団者:MFアンヘル・ゴメス

出場停止者はいないが、リールに新天地を求めたアンヘル・ゴメスがメンバー外となっている。負傷者に関しては登録外のショー、トゥアンゼベに加え、ジョーンズが起用できない。そ径部に軽傷を抱えるラッシュフォードの起用は問題ないようだ。

スタメンに関しては引き続きセカンドGKのロメロを起用する以外、シーズン終盤の躍進を支えたメンバーが並ぶはずだ。コペンハーゲン戦ではバイリー、フレッジが先発も途中出場となったリンデロフ、マティッチが先発に復帰する見込み。

★注目選手

◆セビージャ:DFジュール・クンデ

Getty Images

セビージャの注目プレーヤーは赤い悪魔の快足アタッカーと対峙するアスリートセンターバックだ。昨夏、ボルドーから加入したクンデは、快足を生かした守備範囲の広さと優れたタックル技術を武器にセンターバックのレギュラーに定着。同じくフランスのナントから加入し、高さと強さを特長とするジエゴ・カルロスとの補完性抜群のコンビで、リーグ3位の堅守をけん引し、セビージャの4位フィニッシュに大きく貢献した。

また、ELの戦いにおいてもローマ戦ではジェコやムヒタリアン、ウルブス戦ではアダマ・トラオレ、ヒメネスと強さ、巧さ、スピードを兼ね備えるアタッカー陣を流れの中では完璧に封じ込める出色のパフォーマンスを継続中。相棒がスピードやアジリティにやや不安を抱えていることもあり、グリーンウッド、ラッシュフォード、マルシャルと快足アタッカーを揃えるユナイテッドの攻撃を封じる上ではクンデの仕事がより重要となるはずだ。また、攻撃時のセットプレーでは幾度も決定機に絡んでおり、そろそろ結果が出るはずだ。

◆マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス

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ユナイテッドの注目プレーヤーは、カントナを彷彿とさせるインパクトをもたらす絶対的司令塔だ。今冬にスポルティング・リスボンから加入したポルトガル代表MFは、瞬く間にユナイテッドと初挑戦のプレミアリーグの戦いに順応。そして、加入から数カ月後には赤い悪魔を“ブルーノ・フェルナンデスのチーム”に変貌させるほどの存在感を示す。

卓越した戦術眼、キック精度、プレーの連続性によって自らのプレーだけでなく周囲をも輝かせる闘える魔術師は、加入後の公式戦21試合11ゴール8アシストと圧巻の数字を残している。なお、今季のELでは前所属のスポルティング時代を含め、7ゴールを挙げており得点ランキングのトップに立っている。

堅守を誇る難敵セビージャ戦に向けては出足鋭い2センターバックや、バイタルエエリア付近をケアするフェルナンドやジョルダンから徹底監視に遭うことが予想されるが、サイドや低い位置に下りてボールを引き出しながら、アタッカー陣に決定的なラストパスを供給したい。