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 開幕からスタートダッシュに成功し、首位争いを繰り広げている東北楽天ゴールデンイーグルス。昨年まで二軍を率いていた三木肇監督が一軍監督に就任し、改革を進めている。今シーズンの好調ぶりについて、「野村ID野球の申し子」として、楽天、巨人、西武などでコーチを務めた橋上秀樹氏に話を聞いた。


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誰も考えない采配だからこそチャンス

現在(8月13日)、楽天はチーム打率、得点、安打数、本塁打数リーグ1位と、打撃陣の活躍がめざましい。

「打線は元々いいと思っていたので、想定内です。浅村(栄斗)やロメロ、茂木(栄五郎)などの中心バッターが機能していることが大きいですね。浅村はもちろん、その前後を打つ選手も調子が良く、チャンスで浅村に回ってくることが多い。浅村も得点圏でよくランナーを返しています。彼は西武時代から点を取るためのバッティングをよくわかっていますからね」(橋上)

投手陣では期待された則本昂、岸孝之、松井裕樹の調子が振るわず、先発に転向した松井に代わってクローザーを任された森原康平の救援失敗など乱調気味だ。

「則本、岸、松井、この3人が本来のピッチングを取り戻して貯金を作っていかないといけないですね。しっかり仕事をしているのが涌井秀章を筆頭に、塩見貴洋、弓削隼人くらい。僕の中では4番手、5番手くらいに考えていたピッチャーが頑張っています。クローザーに関しては、個人的にブセニッツの方が後ろの適性があると思っていました。森原も比較的ちゃんとやっていたと思いますけど、抑えの経験がないので、1、2回失敗した時に首脳陣としては早めに配置展開をすることになるでしょうね。DeNAは山崎康晃の状態が良くなくても、なかなか変えなかったですからね。そういうところはクローザーとしての実績の問題だと思います」(橋上)


シーズンオフにはロッテからFAで鈴木大地、金銭トレードで涌井秀章を獲得。オリックスを自由契約になったロメロも加入した。さらに、シーズン中にはウィーラーと巨人の池田駿、高梨雄平と巨人の高田萌生の交換トレードも行うなど、補強の手は緩めない。

「楽天は的確に必要な選手を補強しているし、獲得した選手がそれぞれの場面で活躍しています。特に攻撃陣ではロメロ。そして、ピッチャーの柱となるべき則本、岸、松井が機能していないなか、勝ち星を挙げている涌井の存在は非常に大きいですね」(橋上)

補強選手と現有戦力の融合が見事にハマった三木イーグルス。橋上さんは昨シーズンヤクルトの二軍チーフコーチとして、楽天の二軍を率いた三木監督の采配を目の前で見てきた。橋上さんが感じた三木監督の采配術とは?

「三木監督は今までの球界の常識を覆すような作戦をしてきますね。外野の守備シフトも今までの比ではないくらい極端だったり。この前試合を見ていたら、初回2アウト1、3塁バッター浅村の場面でダブルスチールを仕掛けてきたのは驚きましたね。結果はアウトで点は入らなかったですが、打点のタイトルがかかっているような選手の場面で仕掛けるなんて、今までの常識では考えられない采配。誰も予想しないからこそ、三木監督にとってはチャンスだと思うのかもしれないです。そういうところが斬新だなと感じますね」(橋上)

2015年の真中満監督(ヤクルト)、工藤公康監督(ソフトバンク)以来となる就任1年目のリーグ優勝を目指し、三木イーグルスが台風の目となる。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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