8月15日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの6日目が行われ、満員となる3000人の観衆が見守った春の早慶戦は延長タイブレークの末、5対3で慶大が勝利した。

決勝打の慶大・橋本典は三塁ベース上で笑顔

慶大は3回、ヒットと敵失などで2死三塁とチャンスを作ると、新美貫太(3年・慶應)がレフトスタンドへ2ランを打ち先制。
6回に同点に追いつかれるがその直後の7回、2死無走者から代打・藤元雄太(4年・慶應)がレフトへ勝ち越しソロを叩き込む。だが早大も粘りを見せ、9回2死から同点とされて延長戦に突入。

特別規則によりタイブレークとなった10回、無死一、二塁から捕逸で走者を進めると、代打に送っていた田口巧(4年・慶應)に代わり橋本典之(3年・出雲)を起用。カウント1ー1とイレギュラーな場面で登場し、さらに追い込まれながらもセンターの頭を越す2点タイムリー三塁打で試合を三度リードを奪った。
その裏、5番手として登板した生井惇己(2年・慶應)が、1死満塁と一打逆転のピンチを背負うも、好救援で逃げ切った。
これで慶大は開幕からの連勝を4に伸ばし、優勝に王手をかけた。

勝利に喜ぶ生井(中央)ら慶大の選手たち

早大は先制点を許したものの熊田任洋(1年・東邦)のソロなどで同点に追いつき、1点ビハインドで迎えた9回には2死二塁から金子銀佑(4年・早稲田実)のタイムリーで同点とするなど、粘り強さを見せた。
だがバント失敗など、攻守のミスに泣いた。試合後、早川隆久(4年・木更津総合)は「初戦と慶應戦に向けて調整してきたにもかかわらず、甘いボールでフェンスオーバーを2本食らってしまうのは自分の実力不足だと思います」と厳しかった。

■慶應義塾大vs早稲田大
慶大 002 000 100 2=5
早大 001 001 001 0=3
【慶】増居、関谷、長谷部、〇木澤、生井-福井
【早】早川、柴田、●山下-岩本
本塁打:慶大・新美(3回・2ラン)、藤元(7回・ソロ)、早大・熊田(3回・ソロ)

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「早川投手という六大学ナンバーワン投手からいかに点を取るかというところで、選手たちが一致団結してやってくれました。橋本はもともとレギュラーでスタートしていた選手ですが、ベンチスタートにもかかわらず前の試合も今日の試合もしっかり集中してやってくれて、いい働きをしてくれたと感謝しています。(10回、代打の代打・橋本を送った場面について)スコアリングポジションに2人行きましたので、ここは勝負じゃないかなと判断しました」

◎慶應義塾大・橋本典之(3年・出雲)
「ストライクが一球あったので、とにかくスイングしていこうと思ったんですが、2ストライクに追い込まれながらも粘れました。何とかくらいついていけました。次の法政もすごく強いチームなので、今日のような集中力を保ってやれたらなと思います。」

◎早稲田大・小宮山悟監督
「9回に追いつけたというのは非常に収穫ではありますが、ゲーム内容ではミスが多く見受けられたので、前の試合も含めて本当に反省しないといけないと思います。秋に向けて立て直す課題もはっきり見えました。こちらからはできることしか要求しないと宣言をしてやっているので、できると思っていたことができないということですから、できるように徹底的にやるということ。一球入魂ということをもう一度、早稲田に植えつけるためにも鬼にならないといけないとはっきり分かったので、鬼になりたいと思います」

文・写真=山田沙希子