11日からは第47回明治神宮大会が開幕する。大学の部では明治大の柳裕也、桜美林大の佐々木千隼ら今秋のドラフトで指名を受けた選手も多く出場。高校の部では来秋のドラフト上位候補の早実・清宮幸太郎内野手、履正社・安田尚憲内野手(ともに2年)という…

11日からは第47回明治神宮大会が開幕する。大学の部では明治大の柳裕也、桜美林大の佐々木千隼ら今秋のドラフトで指名を受けた選手も多く出場。高校の部では来秋のドラフト上位候補の早実・清宮幸太郎内野手、履正社・安田尚憲内野手(ともに2年)という東西を代表するスラッガーに注目が集まる。

■注目される2人のスラッガー、早実・清宮と履正社・安田

 11日からは第47回明治神宮大会が開幕する。大学の部では明治大の柳裕也、桜美林大の佐々木千隼ら今秋のドラフトで指名を受けた選手も多く出場。高校の部では来秋のドラフト上位候補の早実・清宮幸太郎内野手、履正社・安田尚憲内野手(ともに2年)という東西を代表するスラッガーに注目が集まる。新チームで3番を務める2人の左打者。各地区の大会では相手チームの徹底マークにあい、本来の打撃は影を潜めたが、全国の舞台で大暴れすることができるか。

 清宮は1年夏の甲子園以来の全国大会。これまで高校通算の本塁打はなんと74本。184センチ、97キロの恵まれた体格から繰り出される打球はまるでピンポン球のように飛んでいく。安田は今夏の甲子園、国体に続いての全国大会。こちらも182センチ、92キロと大きな体から力強い打球を放つ。ともに憧れは、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜選手。目指すは球界屈指の左のスラッガーだ。

 清宮は東京大会の序盤戦で本塁打を量産も、準々決勝の関東一戦では公式戦初の無安打。四死球が得点につながったが、本調子とは言い難かった。決勝の日大三戦では5打席連続三振。「自分の結果が出ず、周りに助けられました。調子がずっと良くなくて。でも切り替え、チームメートに声をかけられた」と仲間に感謝しきりだった。ただ、終盤は本塁打を打つことはできなかったが、主将としては満点に近いリーダー性を発揮していたのが優勝の大きな要因となった。

■両打者の意外な共通点は…

 安田も新チームになり気負いから打ち急ぐケースがあった。「打撃で迷惑をかけてしまった部分があった。経験している僕らがもっとどっしりと野球をやれるようにしたい」と反省。決して順調なスタートとはいかなかった2人だが、カバーしてくれていた仲間のためにも明治神宮大会では自分のバットで勝利を導きたいところだ。厳しいマークをいかに攻略できるかが、ポイントだ。

 2人ともスポーツマンの父に育てられているというのも意外な共通点。清宮の父は言わずと知れた早稲田大学ラグビー蹴球部の元監督で現在はトップリーグヤマハ発動機ジュビロの監督を務める清宮克幸氏。長男・幸太郎も父譲りで勝つことの大切さを感じながら、高いリーダー性を発揮している。

 一方、安田の父・功さんは2014年の高校駅伝女子で優勝した大阪薫英女学院の駅伝監督を務めている。安田自身も野球と平行しながら陸上をして下半身や体幹を鍛えている時期もあった。アスリートの父の影響を受けて、名門の主軸にまで成長した。

 2人の2年生スラッガーが進む道は似ているのかもしれない。今後も世代を引っ張り、日本球界の未来を明るく照らす存在になっていくことができるか。まずは今大会の活躍に注目だ。