気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2016年11月10日付●米大統領トランプ氏、既存…

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年11月10日付

●米大統領トランプ氏、既存政治批判し逆転、公職・軍経験なし、各国混乱を懸念(読売・1面)

●株急落900円安(読売・1面)

●米大統領選投票始まる、昼にも大勢判明(読売・1面)

●トヨタ5年ぶり減収減益、9月中間決算、円高、利益押し下げア(読売・2面)

●日米貿易先行き不安、車メーカー「未知の市場に」(読売・14面)

●世界秩序どこへ、TPP発効困難に、アベノミックスに痛手(朝日・3面)

●HV用電池会社スズキ設立検討、インドに東芝と共同(朝日・13面)

●ダイハツ新型車宿敵スズキ意識、トヨタ挟んでなお競争(朝日・13面)

●道路14日にも仮復旧、博多陥没、地下鉄工事は再開難航(朝日・38面)

●路面電車脱線5人死亡、ロンドン、数10人けが(東京・31面)

●トルコでSUV50か国へ輸出、トヨタ、出荷式典(日経・17面)

●ピーチ機内で限定車を発売、VW(日経・20面)

●ブリヂストン6%減益、1-9月最終鉱山機械向け不振(日経・25面)

●銘柄診断、富士重一時11%安に(日経・26面)

●ガソリン5週連続上昇(日経・28面)

ひとくちコメント

米大統領選で共和党候補の不動産王・ドナルド・トランプ氏が接戦の末、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官を破って当選を決めた。

「世紀の番狂わせ」(読売)、「まさかのトランプ氏」(朝日)、「過激言動番狂わせ」(毎日)、「NY絶叫『USA』」(産経)、「まさかトランプ氏が…」(日経)などと、「まさか」とか「番狂わせ」といった見出しが際立つ。これまで多くのメディアが本命のクリントン候補を支持し、勝利を予測していたからだ。

先のプロ野球日本シリーズにしても、今回の米大統領選にしても、勝負の世界に下馬評通りの「絶対はない」ということを改めて痛感させられた人も少なくないだろう。

さて、メディアが読み間違えるほどのトランプ候補が逆転勝利を得たことで、米国内ばかりでなく国際社会にも戸惑いや警戒感が広がっている。日本の産業界にも衝撃が走ったようで、きょうの読売によると「トランプ氏は環太平洋経済連合協定(TPP)に強固に反対するなど、米国産業の保護を掲げるだけに、日米の経済関係の先行きを心配する声が強い」と伝えている。

具体的には自動車部品を含めた自動車関連の対米輸出にも大きな影響を与えることが懸念される。また、NAFTAによって関税がかからないことを前提に、日産自動車やマツダ、ホンダなど多くの日本車メーカーが隣国メキシコを米国向けの生産拠点の一つとしているが「トランプ氏が主張した米国とメキシコ間の『壁』が、経済的に現実味を帯びかねない事態」に発展する可能性も指摘される。

さらに、円高が加速すれば、日本からの輸出比率の高い富士重工業などの業績悪化は避けられない。しかも、保護主義を唱えて米国市場での日本製品のバッシングが広がれば「米国頼み」の日本車メーカーは生産や販売戦略の見直しも迫られる。

ただ、トランプ氏については大手自動車メーカー幹部の声として「実際にやるとは思えないことも多く、冷静に見た方がいい」(朝日)との見方もある。産経の「トランプショック」の解説記事には「未知との遭遇」という見出しがついていたが,ジタバタいる気持もわからないでもないが、当選したトランプ氏がどんなカードを出してくるのか、まずは動向を見守るしかないだろう。

トランプ氏勝利の報道を見る外為会社の社員(東京) (c) Getty Images

トランプ氏勝利の報道を見る外為会社の社員(東京) (c) Getty Images

トランプ氏勝利の号外(東京) (c) Getty Images

トランプ氏勝利の号外(東京) (c) Getty Images

米大統領選、トランプ氏勝利 (c) Getty Images

米大統領選、トランプ氏勝利 (c) Getty Images

米大統領選に敗れたヒラリー氏 (c) Getty Images

米大統領選に敗れたヒラリー氏 (c) Getty Images