昨季の14年ぶりリーグ制覇から2連覇を狙ったヤクルトは今季、故障者に苦しみ、64勝78敗1分けでリーグ5位に沈んだ。今オフは7投手、1捕手、2内野手、2外野手がユニホームを脱ぐこととなった。■2連覇を狙うも64勝78敗1分け、11年ドラ1に…

昨季の14年ぶりリーグ制覇から2連覇を狙ったヤクルトは今季、故障者に苦しみ、64勝78敗1分けでリーグ5位に沈んだ。今オフは7投手、1捕手、2内野手、2外野手がユニホームを脱ぐこととなった。

■2連覇を狙うも64勝78敗1分け、11年ドラ1にも非情通告

 昨季の14年ぶりリーグ制覇から2連覇を狙ったヤクルトは今季、故障者に苦しみ、64勝78敗1分けでリーグ5位に沈んだ。

 今オフは7投手、1捕手、2内野手、2外野手がユニホームを脱ぐこととなった。12年目の田中浩康内野手は球団から指導者転向の打診を受けたが、本人は現役続行を希望。松坂世代を代表する投手の1人・新垣渚は若返りを図るチームの構想から外れて退団に。同じく現役続行を希望している。14、15年と選手会長を務めた森岡良介内野手は今季限りでの現役引退を表明した。

 ここで引退、戦力外となった主な選手を振り返ってみたい。

○田中浩康
プロ12年目。通算1195試合出場、打率.270、30本塁打、328打点。

 04年ドラフト自由獲得枠でヤクルト入り。レギュラーを獲得した07年から6年連続で100安打以上をマーク。11年には2番打者としてプロ野球歴代3位のシーズン62犠打に成功。プロ通算では293犠打を決めている。守備では12年にセ・リーグ二塁手部門でゴールデングラブ賞を受賞。07、12年と2度のベストナインにも輝いた。堅実な打撃と守備で正二塁手として長年活躍していたが、山田哲人の台頭もあり、13年から出場機会が減少。FA宣言をした上で残留を決めた今季は31試合出場で打率.188、1打点だった。今後は他球団での現役続行を目指す。

○新垣渚
プロ14年目、通算172試合登板、64勝64敗、防御率3.99。

 2002年ドラフトで自由獲得枠でダイエー(ソフトバンク)入り。150キロ超の剛速球とスライダー、フォークを武器とし、2年目の04年から11勝、10勝、13勝と3年連続2桁勝利をマークした。07年にはプロ野球記録となる25暴投を記録し、「暴投王」と呼ばれた。14年途中からヤクルトにトレードで移籍し、15年は先発の一角として3勝を挙げてリーグ優勝に貢献した。今後は他球団での現役続行を希望している。

■ドラフト1位で入団も1軍出番なく5年目で戦力外に

○森岡良介
プロ14年目。通算557試合出場、打率.241、7本塁打、97打点。

 明徳義塾高3年夏に全国制覇し、2002年ドラフト1巡目で中日入り。08年オフに中日を戦力外となったが、12球団合同トライアウトを経てヤクルトに入団。堅実な遊撃守備とシュアな打撃で12年から3年連続で100試合以上に出場した。14年からは2年連続で選手会長を務めた。プロ14年目の今季は主に代打で26試合に出場、打率.065、3打点だった。9月26日に今季限りで現役引退すると表明した。

○古野正人
プロ5年目、通算60試合登板、8勝11敗、防御率5.31

 11年ドラフト6位でヤクルト入り。14年に開幕ローテ入りし3勝4敗。15年は27試合登板、4勝3敗、防御率4.78でリーグ優勝に貢献したが、今季は6試合登板で0勝2敗、防御率9.45。6月15日のソフトバンク戦(神宮)での 4回守備で右肩を負傷していた。育成で再契約する見込みだ。

○川上竜平
プロ5年目。1軍出場なし

 光星学院3年夏に全国準優勝。11年ドラフト1位でヤクルト入りし、背番号はかつて池山隆寛が付けた36と大きな期待を受けた。しかし、2軍でも打率1、2割台と低迷し、今オフに戦力外通告を受けた。現役続行を希望している。

■13年目の捕手も戦力外、マートンのタックルで離脱も

○寺田哲也
プロ2年目、通算3試合登板、0勝1敗、防御率10.80

 14年ドラフト4位でヤクルト入り。1年目の15年に1軍デビューし、今季は4月6日の広島戦で先発したが、2回途中6失点でプロ初黒星。その後の1軍登板はなく、戦力外通告を受けた。

○木谷良平
プロ5年目、通算52試合登板、7勝9敗、防御率5.61

 11年ドラフト2位でヤクルト入り。13、14年と先発、中継ぎとして20試合登板以上を記録したが、15年は2試合登板、16年は1試合登板と奮わず。戦力外通告を受けた。現役続行を希望している。

○田中雅彦
プロ13年目。通算220試合出場、打率.219、1本塁打、24打点

 03年ドラフト4巡目でロッテ入り。09年まで打力と俊足を生かすため二塁手、三塁手としての出場が多かった。11年30試合、12年50試合と出場試合数を伸ばし、13年に交換トレードでヤクルト入り。正捕手・相川亮二(巨人)の故障もあり先発マスクをかぶる試合も多かったが、5月12日の阪神戦でマートンからタックルを受けて離脱。14年は1軍出場なし、15年は6試合出場にとどまった。16年は1軍出場はなく、戦力外通告を受けた。

○松井淳
プロ7年目。通算78試合出場、打率.265、5本塁打、16打点

 09年ドラフト5位でヤクルト入り。12年は46試合出場して、楽天・田中将大(ヤンキース)西武・牧田和久、広島・今村猛らから本塁打を放つなど打率.287、5本塁打、15打点と活躍。翌13年は開幕スタメンに名を連ねたが、度重なる故障で11試合出場止まり。今季は2試合出場にとどまり、戦力外通告を受け現役引退を表明した。

■上原称賛の右腕も戦力外に

○中元勇作
プロ2年目、1軍登板なし

 14年ドラフト5位でヤクルト入り。1年目の15年に1軍初昇格する予定だったが、故障のために見送り。16年も1軍登板はなく、戦力外通告を受けた。

○田川賢吾
プロ4年目、1軍登板なし

 2012年のドラフト3位でヤクルト入り。右腕は今季開幕前にともに自主トレを行った上原浩治投手から「素材は素晴らしい」と絶賛されたが、プロ4年目も1軍登板なし。戦力外通告を受けた。現役続行を希望している。

○児山祐斗
プロ3年目、1軍登板なし

 13年ドラフト5位でヤクルト入り。球持ちのいい投球フォームから最速140キロの直球、スライダー、カーブを武器としたが、思ったようなアピール出来ず戦力外通告を受けた。現役続行を希望している。