サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い) サッカー選手にとって、「ハット…

サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、セビージャに所属する元アルゼンチン代表MFエベル・バネガがインテル時代に決めたキャリア初のハットトリックだ。

名門ボカジュニアーズでプロキャリアをスタートさせたバネガは、2008年バレンシアに移籍し、ヨーロッパデビュー。その後、アトレティコ・マドリー、セビージャ、インテルなど、ビッグクラブを渡り歩き、その才能を発揮した。

南米らしいテクニックと閃きを武器にピッチで輝きを放つバネガは、調子にムラがあるのが玉に瑕だが、2017年3月12日に行われた、セリエA第28節のアタランタ戦では、キャリア初のハットトリックを決める大爆発を見せている。

序盤からアタランタを攻め立て、3得点を奪ったインテルは31分、サイドを崩し、ボックス内右深部まで侵入したMFアントニオ・カンドレーバがマイナスのクロスを入れる。これを中盤から上がってきたバネガがファーサイドに流し込み4点目を奪う。

また、直後の34分、再びボックス内右深部に侵入したカンドレーバがマイナスのクロスを入れる。これにバネガが反応し、全く同じ展開からチームの5点目を決めた。

そして1点を返されつつも追加点を奪い、6-1とした68分、インテルがゴール正面でFKを得ると、これをハットトリックの期待がかかるバネガが蹴る。壁の右側を回り込むようなカーブシュートを蹴ると、壁の上を越えてくるキックを予想して、左に動いていたGKの裏をかき、見事な直接FKでハットトリックを達成した。

試合は、バネガのキャリア初ハットトリックに加え、FWマウロ・イカルディもハットトリックを決めるなど、大量7得点を決めたインテルが、7-1と記録的大勝を収めている。