次週の海外メジャー、AIG全英女子オープン連覇を目指している渋野日向子は不在。だが昨季、雨後の筍のように"新星"が現れては優勝を飾っていった1998年度生まれの「黄金世代」と、これからの台頭が期待される2000年度生まれの「プラチナ世代」…
次週の海外メジャー、AIG全英女子オープン連覇を目指している渋野日向子は不在。だが昨季、雨後の筍のように"新星"が現れては優勝を飾っていった1998年度生まれの「黄金世代」と、これからの台頭が期待される2000年度生まれの「プラチナ世代」――両世代の"対立構図"に視点を当ててみれば、今季2戦目の女子ツアー、NEC軽井沢72(8月14日〜16日/長野県・軽井沢72ゴルフ 北コース)への興味は高まる一方だ。
今季ツアーの2戦目、NEC軽井沢72に挑む安田祐香
ルーキーイヤーを迎えた「プラチナ世代」の注目株としては、今季の開幕戦となった6月のアース・モンダミンカップでプロデビューを飾った安田祐香の名前が真っ先に挙がる。今大会をNEC所属のホステスプロとして迎える安田は、アマチュアとして出場した昨年大会もベストアマに輝き、コースとの相性はいい。
「まずはすごく暑いので、熱中症にならないように、水分補給をしっかりと。食事では量を食べることを意識していますね。試合はバーディー合戦になると思うので、ボギーを打たないプレーを心がけて、一球一球を丁寧に、フェアウェーからしっかりバーディーチャンスを作れるゴルフをしたい」(安田)
安田同様に開幕戦で国内プロデビューを飾った吉田優利や西村優菜、昨年の富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を遂げた古江彩佳ら、「プラチナ世代」で今季最初に優勝賞金を手にするプレーヤーが、同世代の旗手となるはずだ。
一方、2歳上となる「黄金世代」では、渋野の他、米女子ツアーを主戦場とする畑岡奈紗や河本結が出場しないなか、翌週に控えたAIG全英女子オープンとの国内外ツアーの"連戦"を強行する勝みなみが、誰よりも勝利への意欲が高い印象だ。
「優勝するために必要なことを、4項目にわけて考えました。体、心、運、やるべきこと。体に関しては、週に2、3回トレーニングをやっていて、自分の体と相談しながらメニューを決めていきました。心というのは、いつも笑顔でいるということ。やるべきことは、スイング時の手の位置を確認する作業とか。もともと気づいたことをメモするようにしていたんですけど、今回からはゴルフノートに書き出して、取り組んできました」(勝)
最善の準備をし、ゴルフが整えば、勝負時の"運"も呼び込める――そう信じているのだろう。渋野に続く海外メジャー制覇に向け、足がかりの大会としたい。
また、惜しくも3位タイに終わったが、開幕戦で最終日を首位で迎えた田中瑞希も、初優勝が期待される「黄金世代」のひとりだ。
「開幕戦の反響がすごくて。インスタ(グラム)のフォロワーが5000人ぐらい増えました(笑)。アース・モンダミンカップの時とやるべきことは変わらない。毎日、60台のスコアを出していければ、また面白い位置で戦えると思う。そこを目標に」(田中)
初日の注目ペアリングは、開幕戦を制した渡邉彩香と「黄金世代」の原英莉花という、いずれも飛ばし屋のふたりと、安田が一緒にラウンドする組だろうか。まだまだ線の細い安田は、両者に飛距離で置いていかれる展開が予想されるが、どう対抗していくのか。
「そこは気にせず、(ふたりに)ついていくというのではなくて、自分らしいゴルフができたらいい。ホステスプロとしてのプレッシャーは感じていないけど、いろんな方から注目されていると感じるので、上位を争って、成績で(期待に)応えられたら」(安田)
開幕戦からおよそ1カ月半が空いた第2戦を制するのは、「黄金世代」か、「プラチナ世代」か。それとも――。