8月12日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの3日目が行われ、第2試合では緊迫した投手戦の末に史上初のタイブレークにもつれ込み、法大が2対1で早大にサヨナラ勝ちを収めた。

法大の先発・高田がピンチを背負いながらも要所を押さえる力投を続ける

 ともに初戦白星発進を決めたチーム同士の今季第2戦。雷雨の発生によって開始時間が遅れた中で始まった一戦に、法大は今秋のドラフト候補に名前が挙がっている本格派右腕の高田孝一(4年・平塚学園)、早大は昨秋のリーグ戦で3勝を挙げた徳山壮磨(3年・大阪桐蔭)が先発した。試合は序盤からこの両右腕による投手戦となり、5回を終えて0対0。早大が1回1死2塁を皮切りに、3回2死1、2塁、4回1死1、3塁、法大も2回2死1、2塁、3回1死1、3塁とチャンスを作りながらも、両先発ともにピンチの場面では気迫のピッチングで得点を許さず、スコアボードにゼロが並んだ。 

 試合が動いたのは、6回表。早大が2死1、2塁から7番・鈴木萌斗(3年・作新学院)がレフト前へタイムリーを放って1点を先制する。しかし法大は7回裏、四球と犠打、進塁打で2死3塁とすると、8番・大柿廉太郎(2年・健大高崎)の打球を遊撃手・熊田任洋(1年・東邦)がファンブルし、タイムリーエラーで同点に追いついた。法大・高田は6回1/3を5安打1失点、早大・徳山は7回を5安打1失点(自責0)でそれぞれ降板したが、その後もスコアは動くことなく1対1のまま9回終了となった。

早大は徳山が好投。小宮山監督から「素晴らしいピッチング」と称賛されたが…

 迎えた新型コロナウイルスの影響により今季の特別規則として採用されたタイブレーク(無死一、二塁から攻撃)。延長10回表、法大の山下輝(3年・木更津総合)に対し、先頭の4番・岩本久重(3年・大阪桐蔭)がサードゴロ併殺打に倒れ、続く5番・蛭間拓哉(2年・浦和学院)もサードゴロで無得点。その裏、早大の柴田迅(4年・早大学院)に対し、法大は7番・高田桐利(2年・広陵)の進塁打の後、申告敬遠で1死満塁となると、途中出場の9番・神野太樹(3年・天理)が「絶対に自分で決めてやろうと思っていた」とセンターへのサヨナラ犠牲フライ。これがリーグ戦初打席だった神野は、「狙いはストレート一本。周りに“決めてくる”と言って打席に入ったので、有言実行できて良かった」と歓喜のガッツポーズ。白熱の投手戦からのタイブレークを制した法大が、2連勝スタートを切った。

■早稲田大vs法政大
早大 000 001 000 0=1
法大 000 000 100 1X=2
【早】徳山、山下、●柴田-岩本
【法】高田孝、鈴木、三浦、○山下輝-大柿

◎法政大・青木久典監督
「しびれたゲームでした。オープン戦で1度、タイブレークの練習はしていた。(サヨナラ犠飛の)神野は非常に勝負強い。オープン戦から結果を出していた。昨日、僕が大学3年間お世話になった山本監督がお亡くなりになった。山本監督には基本的なことを厳しく教えていただいた。今日の試合を見守ってくれていたと思いますし、最後に力を与えてくれたんじゃないかなと思います。僕にとって今日の試合は特別でしたし、勝てて良かったと思います」

◎法政大・神野太樹(3年・天理)
「そんなに緊張はしなかった。前の回に守備で9番に入った時点で、高田が小技を使って、申告敬遠となって、自分に回ってくるだろうという想定はできていた。狙いはストレート一本。周りに“決めてくる”と言って打席に入ったので、有言実行できて良かった。もっと使ってもらえるように、もっとしっかり練習して行きたい」

◎早稲田大・小宮山悟監督
「タイブレークの練習はして来たんですけど、なかなかピンと来なかった部分はありますね。(延長10回の先頭打者・岩本が)送れなかったことが大きかったですが、それまでに点を取れるところで取れなかったことの方が大きい。9回までに点を取っておかないといけなかった。徳山は見違えるほどでした。オープン戦では良くなくて心配したんですが、今日は素晴らしいピッチングでした」