8月9日に開催された「RIZIN.22」で、WKBA世界スーパーバンタム級チャンピオンの江幡塁が植山征紀に3-0で判定勝ち。子供の頃からの親友で、7月18日に亡くなった俳優の三浦春馬さんに勝利を報告した。 2019年の大晦日に行…

 8月9日に開催された「RIZIN.22」で、WKBA世界スーパーバンタム級チャンピオンの江幡塁が植山征紀に3-0で判定勝ち。子供の頃からの親友で、7月18日に亡くなった俳優の三浦春馬さんに勝利を報告した。

2019年の大晦日に行われた「RIZIN.20」では、キックボクシング界の神童・那須川天心と対戦。試合には敗れたが、双子の兄の睦(むつき)さん、三浦春馬さんと共に花道を入場し、試合中も二人がセコンドとして見守るなど、三人の熱い友情が注目されていた。

試合後のインタビューでは、イベントを開催したRIZINや格闘技ファンに感謝するとともに、親友と誓った夢について語り、会場からは盛大な拍手が贈られた。苦楽を分かち合い、共に夢を追いかけてきた友のため、家族、ファンのために格闘技で世の中を照らしていく。

以下、試合後インタビュー全文と記者会見の一問一答。

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試合後インタビュー「リングでメッセージを送り続ける」

「皆さん応援本当にありがとうございました。 RIZINで復活戦させていただき、本当にありがとうございました。
ご存知の方もいるかと思いますが、7月18日、試合間近でした。僕は茨城出身なんですけど、三人で、小さい頃から夢を語ってきた親友が亡くなりました。本当に辛くて辛くて、目の前なんか見えないくらい辛くて。
だけど僕は格闘家です。ファイターです。僕の生き様はこのリングでしか見せることができません。これからもどんなにつらいことがあっても、このリングでメッセージを送り続けます。今コロナの中ですごく大変な状況になっていると思います。皆さん苦しいと思います。だけど、僕はこのリングに立てたことを本当に感謝しています。ありがとうございます。
僕は格闘家としてここで輝いて、皆さんにメッセージを送りました。僕が言うのも生意気ですが、皆さんこのメッセージをもらって、各々の生き方で輝いてください。僕は格闘家として輝きます。皆さんは皆さんの生き方で。
僕が大好きな言葉で、一燈照隅万燈照国(いっとうしょうぐうばんとうしょうこう)という言葉があります。僕一人リングで戦っても小さな光ですが、みんなが輝けば多くの光になって、国を照らすくらい大きな光になります。日本がもっと輝けるように頑張ります。まだまだ試合内容はヘナチョコですが、もっともっと実力を見せられるように頑張ります。
RIZINの皆さん、ファンの皆さん、江幡塁を見に来てください、応援してください。ありがとうございました!(双子の兄に対して)本当はこのリングで一緒に戦うはずだったね。でもありがとう。いつもそばにいてくれて。お前も辛かったね。会長、本当にまだまだ実力不足ですが、毎日叱ってくれて本当にありがとうございます。おかげで、もっともっと強くなれそうです。ありがとうございました!」

記者会見一問一答「自分自身では戦えないかなという精神状態になった」

――試合後の率直な感想を教えてください。
「3ラウンド戦い切りまして、自分としてはもう少しスカッと復帰戦を飾りたかったんですけど、今後のいい勉強になりました」

――対戦を終えて、相手の印象は違いましたか?
「そうですね、やはり気持ちよく打ち合いに来てくれたというか、前に前にという気持ちが見える選手でした。シュートボクシングのチャンピオンということもあり、団体を背負って戦う選手というのは気持ちが強いなと感じました」

――今後の展望を教えてください
「8ヶ月空きまして、RIZINのリングも、僕は肘なしで2試合やりましたけど、こういう感じかという感覚も掴んできた。僕自身のRIZINでの戦い方というのも勉強できたので、今後もRIZINで戦いながら、新日本キックボクシング、そしてムエタイに挑戦しながら戦っていくつもりです」

――戦い方についてですが、タイ人と戦った時と戦い方が違うかなと印象がありました
「そうですね、もう少しタイミングを見たりだったり。肘があるので、 今回のような距離感では絶対戦わないんですけど。頭をくっつけて戦うので、今回の傷もそうですけど、バッティングで切られてしまって、すごく勉強になりました。肘がないとので、頭がぶつかる距離感で攻めてくるんだなと勉強になりました」

――リングサイドに那須川天心選手がいましたが、目線など気になりましたか?
「試合が終わってから気付いて。拳を上げてくれたので、僕も応えて、はい」

――RIZINで那須川天心選手ともう一回やりたい気持ちはありますか?
「そうですね、僕のRIZINの思い出が一発目の那須川天心選手なので。選手みんな戦えるということにすごく喜びを持っていまして。那須川天心選手だからと気持ちよく拳を交わしたというか、選手として気持ちよくリングに立てて、僕たち選手が何を伝えていくかということが戦う意味じゃないかなと思っていて。そういったなかでは引っ張っていっている天心選手。僕たちもこれからどんどんRIZINという場所でキックボクシングを通してメッセージを伝えていきたいなと。僕たちも双子で活躍してるので、双子の兄も共にRIZINのリングで戦って、メッセージを残していきたいなと思っています」

――好きな言葉「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう)」について教えてください
「僕たち一人で頑張っていても隅っこしか照らせないけど、僕たち一人一人が各々輝ける場所で輝いていけば、それが万と集まれば国をも照らす大きな力になるという、大昔の言葉です。本を読んだ時に書かれていて。歴史がある日本で生まれてきて、伝統文化である武道をやっていく中で、戦っていく中でメッセージだったり、意味だったりをより多くの人に伝えたいなと思った時にこの言葉に出会って。本当にその通りだなと思って。僕たちも一人一人リングで戦って輝くってことが大事だと思うんですけど、今日は5千人の人が見にきてくれて、5千人の方が頑張ろうって思ってくれたら。僕は数週間前に大切な親友を亡くして、本当に辛い立場になって。自分自身は戦えないかなという精神状態になって。体調、コンディション、今までにないパニック状態だったんですけど。でも僕は格闘家なので、戦うということでメッセージを残せると思ったので、戦いましたし。リングで輝くことが大きな力になるんじゃないかと思って、その一心で戦いました。兄も辛かっただろうに、僕に寄り添ってくれて。なので、二人で戦ったというイメージがあります」

――親友にはメッセージを伝えた?
「12月31日は一緒に入場したので、『いこうな』って。まだまだ僕たちは格闘技で輝ける、もっともっと先に行ける、未来があると思っているので。リングで生き様を見せるということに尽きるなと思っています」

――試合前に輝き続けることが一番喜ぶことなんじゃないかと言っていました
「本当に、三人の夢でもある格闘技でトップになって輝くということを約束したので、僕たちはまだまだここから輝けると思っているので。RIZINという大きな舞台でスポットライトを当てていただいて。僕たちがずっとやってきたキックボクシング、人生というものを照らしていただけるのはありがたく思っています」

――大晦日、那須川天心選手とやって負けて、切り替えるまでに時間かかった?
「意外と、見失ったというか、ああいう試合になりうる選手だったので、想像ができた。やるかやられるかの勝負なので。結果的に敗れて、たくさんのことをまとめさせていただきました」

――那須川天心と戦ってより強くなった感じがありますか?
「そうですね、RIZINというリングで戦うためにはこういうことが必要だとよりよくわかりました」

――今後の主戦場はRIZIN?
「RIZINでもそうですし、ノックアウトでもそうですし、新日本キックボクシングでも、その3つのリングで戦っていくのかなと思います。より多くの人に伝えていくため、大きく取り上げていただけると嬉しいです」

――親友が亡くなった後の練習は変わりなくできた?
「少し休みました。切り替えようと思って、トレーニングは再開しました。どのくらいで再開したかは記憶が曖昧で覚えていないですけど、うまく切り替えられたかなと思います。周りの方のサポートがあって、兄のサポートのおかげで、朝も夜も励ましあいながら二人で進んできました」

――感覚的には三人でリングに上がった?
「三人で入場している感じで入場しました」

――縁のものを持ってきたりとか?
「特になくて、僕たちの心の中にしっかり春馬はいるし、より近くで戦ってくれていると思います」

――今後も三人で戦っていくのか、これからは江幡さんの生き方を示すことが供養になっていくのか?
「特別供養とかは考えていなくて、僕たちが格闘家としてやることがあるので、誓った夢があるので。自分たちが輝くというブレない話というか。ブレずに、まっすぐに、実直に、夢を追いかけてこれからもまっすぐに生きていきたいなと思っています」

――誓った夢というのは世界一?
「格闘技で輝くということですね」

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浅倉カンナ、期待と不安の葛藤の末の「圧勝」 『早く試合がしたい』と思っていたはずなのに… https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kannaasakura-clear-victory/

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]