各地区で行われていた秋季高校野球が6日の中国大会の決勝戦をもって終了。秋の全国王者を決める明治神宮大会(11月11日~・神宮球場)の出場校が出揃った。■11日開幕明治神宮大会高校の部、注目選手は? 各地区で行われていた秋季高校野球が6日の中…

各地区で行われていた秋季高校野球が6日の中国大会の決勝戦をもって終了。秋の全国王者を決める明治神宮大会(11月11日~・神宮球場)の出場校が出揃った。

■11日開幕明治神宮大会高校の部、注目選手は?

 各地区で行われていた秋季高校野球が6日の中国大会の決勝戦をもって終了。秋の全国王者を決める明治神宮大会(11月11日~・神宮球場)の出場校が出揃った。

 北海道地区からは札幌第一が2年連続で出場する。4番の高階成雲外野手を中心とした打線で、今夏の南北海道大会準決勝で敗れた札幌日大を決勝で下し、優勝。夏の甲子園で準優勝した北海に続き、全国の舞台で北海道旋風を巻き起こせるか。エース左腕の冨樫颯大投手、決勝戦で146球を投げた前田剛志投手が投手陣の柱。昨年は元横浜野球部長の小倉清一郎氏が臨時コーチを務めるなどして強化され、2年連続での明治神宮大会の出場となる。

 東北大会では名門の仙台育英が2年ぶり9度目の優勝を決め、全国大会に出場する。プロ注目の主将で1番の西巻賢二内野手、左腕の長谷川拓帆がチームの中心。西巻は決勝戦も強豪の盛岡大付に対して、好打と盗塁を決め、チームを牽引。165センチと大きな選手ではないが、スピードや守備の軽快さなど、センスを感じさせる。楽天ジュニアに所属していたこともあった。西巻同様に楽天ジュニアの経験のある長谷川はエースナンバーこそ背負っていないが、主戦投手。140キロの直球を武器にスライダー、チェンジアップを駆使。オリックスに昨年のドラフトで入団した佐藤世那投手の弟・令央投手と投手陣を引っ張る。

 関東地区からは今夏の甲子園王者の作新学院がやってくる。東海大市原望洋(千葉)を5-1で下し、38年ぶり5度目の優勝。今井達也からエースの座を受け継いだ左腕の大関秀太郎投手が3試合連続で完投勝利。決勝も5安打1失点の力投。今夏背番号15をつけて甲子園に出場した添田真聖内野手が主将になった。兄・真海も同校の甲子園出場メンバー。チームが変わってもしぶとい作新野球を継承し、夏に続き、全国制覇を目指す。

■1年生が台頭する早実、サイクル安打を達成した福井工大福井主砲

 東京からは早稲田実業が出場する。主将の清宮幸太郎内野手が中心であることは間違いないが、主砲が不振でも準決勝以降を打ち勝ってきた。夏から4番を任されている1年生・野村大樹内野手が成長。秋季大会の序盤こそ不調も、決勝の日大三戦では清宮が5三振に倒れた相手エースの桜井からサヨナラ弾。狙い済まして、右方向に力強く飛ばした。反対方向に打つ技術を夏から磨いた成果を出した。投手力が心配されていたが、1年生の右腕・中川広渡と左腕の赤嶺大哉投手が秋に成長。チームの底上げに成功しており、1年生も注目である。

 東海地区からは県3位で突破した静岡が東海大会の決勝戦で至学館を破り、2年ぶり4度目の優勝を果たした。2014年のU15侍ジャパンの経験のある竹内奎人投手が決勝戦で先発し、6回まで無安打無失点の粘投。池谷蒼大との継投で至学館打線を2安打1失点に封じた。決勝ではリリーフだったが、エースナンバーを背負う池谷は3試合連続完投するなど、力がある投手。明治神宮大会初戦ではその2枚看板を中心に、清宮を擁する早実戦に挑む。打線も決勝まで3試合連続の2桁安打を記録など好調だ。

 北信越地区からは福井工大福井が出場。181センチの主砲・山岸旭が注目の存在。準々決勝の富山東戦ではサイクル安打を放つなど、5打点を一人で記録。力強いスイングで注目が集まる。井上開都や北川智也などいったパンチ力のあるバッターが並ぶ打線は、切れ目がない。決勝の高岡商業戦も7-1と打ち勝ち、同校41年ぶりの北信越大会優勝となった。昨年の明治神宮大会には同じ福井の敦賀気比が出場して準優勝。力をつけてきている北陸勢の快進撃に注目だ。

 近畿からは今夏も甲子園に出場した大阪・履正社が登場する。前のチームから安田尚憲、若林将平らが残り、3番、4番を形成。打っても本塁打を放つパワーを持つエース竹田祐や2番手の田中雷大の両投手が秋を戦うごとに力をつけた。ショートの西山虎太郎など1年生もスタメンに名を連ねるなど育成も着実に進んでおり、全国を経験すればまたチーム力は上がっていくだろう。

■春に続き連覇した福岡大大濠、チームを牽引するエース三浦

 宇部鴻城は4番の遊撃手・嶋谷将平を中心に2年ぶり2回目の中国大会優勝を遂げた。決勝戦の市立呉戦(広島)でも打線が爆発。14安打13得点。2、8回以外の7イニングで得点を入れた。前のチームでも主軸だった嶋谷は4打数4安打2打点。大会を通じて好調をキープした。守っても安定した動きを見せる県内屈指のショートストップ。全国の舞台でどれだけのパフォーマンスができるか。

 四国大会では明徳義塾(高知)が優勝し、明治神宮大会に駒を進めた。4番は今年の夏の甲子園の主軸だった西浦颯大選手。四国大会の準決勝・済美(愛媛)戦では高校通算23本目となる本塁打を放つなど打力は健在。その打撃センスは非凡で、早実の清宮、履正社の安田と同じく、来秋のドラフト指名が有力だ。明徳義塾は明治神宮大会1回戦で作新学院と激突。新チームではあるが今年の夏の甲子園準決勝の再戦となるため、楽しみな一戦だ。

 九州大会は福岡大大濠が春に続き、秋も連覇した。今夏のエースだった浜地真澄投手は阪神にドラフト4位で指名された。その後を継いだエース三浦銀二が決勝の東海大福岡で3失点完投、準決勝の秀岳館(熊本)は5安打完封勝利。準々決勝の鹿児島実も完封、2回戦の大分商も完封するなど、各県の強豪相手をねじ伏せてきた。昨年夏から4番を務める東怜央は右の好打者で、高校通算本塁打は40発を超える。福岡大大濠は作新学院と明徳義塾との勝者と対戦する。

 今回の秋の全国大会はプロ注目の選手たちも多く出場する。今春の選抜出場をほぼ手中に収めている彼らは全国の舞台でどんな活躍を見せてくれるだろうか。