ソフトバンクから加入1年目の大場翔太投手や高卒5年目の西川健太郎投手が戦力外に。育成として現役を続けていた多村仁志外野手は引退を決断した。■外国人は5選手と来季の契約を結ばない方針、多村は支配下登録ならず引退 19年ぶりの最下位に沈んだ中日…

ソフトバンクから加入1年目の大場翔太投手や高卒5年目の西川健太郎投手が戦力外に。育成として現役を続けていた多村仁志外野手は引退を決断した。

■外国人は5選手と来季の契約を結ばない方針、多村は支配下登録ならず引退

 19年ぶりの最下位に沈んだ中日は、これまで外国人8選手のうち5選手と来季の契約を結ばない方針を示している。主砲のダヤン・ビシエド外野手は残留が濃厚。ラウル・バルデスとジョーダン・ノルベルトの両投手はオフの補強次第で去就が決まる。森繁和監督は今年も自らドミニカ共和国とキューバに渡り、抑え投手などの獲得に動いている。

 日本人選手では、ソフトバンクから加入1年目の大場翔太投手や高卒5年目の西川健太郎投手が戦力外に。育成として現役を続けていた多村仁志外野手は引退を決断した。肘や指の手術をした支配下の浜田達郎、浜田智博、山本雅士の3投手はいったん戦力外となり、育成選手として再契約を結ぶ見通しだ。

 育成ではほかに川崎貴弘、呉屋開斗、石垣幸大、中川誠也の4投手が自由契約となった。落合政権時代の黄金期の一翼を担った雄太、岩田慎二の両投手は現役引退し、球団職員として第2の人生をスタートさせている。
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○多村仁志(引退)
プロ22年目。通算1342試合出場。4140打数1162安打、195本塁打、543打点、打率2割8分1厘。

 1995年にドラフト4位で横浜(現DeNA)に入団。2004年には40本塁打をマーク。06年には第1回WBCの優勝に貢献した。07年にソフトバンクに移籍。日本一にも輝いた。昨季DeNAを戦力外となり、今季は育成選手として中日入り。度重なるケガで、2軍で28試合出場にとどまった。

■「サンデー川井」、「マジカルフォーク」の岩田も引退

○雄太=本名・川井進(引退)
プロ12年目。通算100試合登板。28勝31敗1ホールド、防御率3.44。

 速球がスライダー回転する「真っスラ」を武器に、5年目の09年には開幕から11連勝を記録。日曜日の登板が続いたことから「サンデー川井」と呼ばれた。昨季は8年ぶりに未勝利に終わり、今季は引退試合の1試合のみの登板に終わった。

○岩田慎二(引退)
プロ8年目。通算49試合登板、9勝15敗1ホールド、防御率3.72。

 揺れながら落ちる魔球「マジカルフォーク」は、捕手も捕れないと話題に。12年にはシーズン自己最多の5勝を挙げた。ここ数年は肩の痛みに苦しめられ、昨季は3試合登板にとどまり0勝3敗。今季は引退試合の1試合の登板のみ。

○大場翔太(戦力外)
プロ9年目。通算85試合に登板し、15勝21敗、防御率4.39。

 東洋大から07年の大学生・社会人ドラフトで6球団競合の末にソフトバンクに入団。08年3月23日の楽天戦(ヤフードーム)でプロ初登板完封勝利を挙げた。11年には自己最多の7勝をマークするも、14年以降は白星から遠ざかり、金銭トレードで今季から中日に加入。制球が安定せず、1軍登板なしに終わった。

○西川健太郎(戦力外)
プロ5年目。通算21試合に登板し、2勝6敗、防御率5.37。

 石川・星稜高からドラフト2位で12年に入団。クセのないオーバースローで13年には初勝利を挙げたが、近年は右内転筋痛でフォームを崩した。今季途中にスリークオーターに挑戦したが、1軍登板はなかった。

■育成は1年目の2選手含む4選手が自由契約に

○川崎貴弘(自由契約)
プロ5年目。通算1試合登板、防御率9.00

 三重・津東高からドラフト5位で12年に入団。13年に1試合登板するも、15年からは育成選手に。昨季は四国アイランドリーグplusの香川、今季はBCリーグの福島と2年連続で独立リーグに派遣された。

○石垣幸大(自由契約)
プロ2年目。1軍登板なし。

 三重・いなべ総合学園高から育成ドラフト2位で15年に入団。制球難に悩まされ、2年間でウエスタン・リーグでも3試合登板にとどまった。

○呉屋開斗(自由契約)
プロ1年目。1軍登板なし

 青森・八戸学院光星高から育成ドラフト5位で入団。春季キャンプから右肩を痛めて出遅れ、2軍戦も登板なしに終わった。同学年のドラフト1位左腕・小笠原慎之介との実力差を痛感し、自ら退団を望んだ。

○中川誠也(自由契約)
プロ1年目。1軍登板なし。

 三重・伊勢工時代は甲子園出場も経験。愛大から育成ドラフト1位で入団した。右ふくらはぎ痛などで出遅れ、ウエスタン・リーグでは2試合の登板にとどまった。