ソフトバンクの松坂大輔投手(36)が今オフ、プエルトリコでのウィンターリーグ(WL)参加を希望している。右肩手術からの復活を目指す「平成の怪物」。球団側へと意向を伝え、工藤公康監督をはじめ、球団サイドも了承した。現在は代理人を通じて、所属先…

ソフトバンクの松坂大輔投手(36)が今オフ、プエルトリコでのウィンターリーグ(WL)参加を希望している。右肩手術からの復活を目指す「平成の怪物」。球団側へと意向を伝え、工藤公康監督をはじめ、球団サイドも了承した。現在は代理人を通じて、所属先を探している段階。所属チームが決まれば、海を渡ることになる。

■松坂復活の足掛かりとなるか、プエルトリコのウインターリーグとは

 ソフトバンクの松坂大輔投手(36)が今オフ、プエルトリコでのウィンターリーグ(WL)参加を希望している。右肩手術からの復活を目指す「平成の怪物」。球団側へと意向を伝え、工藤公康監督をはじめ、球団サイドも了承した。現在は代理人を通じて、所属先を探している段階。所属チームが決まれば、海を渡ることになる。

 昨夏に右肩手術を受けた松坂。今季も右手の違和感や腰痛、臀部の張りなどで離脱する期間もあったが、今季ペナントレース最終戦となった10月2日の楽天戦(コボスタ)で国内復帰後初の1軍登板にこぎ着けた。だが、結果は最悪。制球が定まらず、3安打4四死球で5点を失った。

 ただ、右肩の状態は良好なようで、実戦を通じてフォームの修正などを行っていきたいという思いから、オフ期間も登板の機会を作り、状態をさらに上げたいと考えWLへの挑戦を思い立った。

 では、松坂が目指しているプエルトリコのWLとは、一体どんな場所なのだろうか。

 プエルトリコは、正式には「プエルトリコ自治連邦区」で、カリブ海の北東に位置する。「コモンウェルス」と呼ばれるアメリカ合衆国の属領、自治領で、自治政府による内政は認められているものの、国防や外交は米国が行っている。

 そのプエルトリコで最も人気のあるスポーツが野球だ。

■数々の名選手を輩出してきたプエルトリコ

 ロベルト・クレメンテをはじめ、バーニー・ウイリアムス、ホルヘ・ポサダ、カルロス・ベルトランなどなど、数々の名選手を輩出しており、2013年の第3回ワールドベースボールクラシックでは準優勝している。

 そこで冬に行われているのが「Liga de Beisbol Profesional Roberto Clemente」である。5球団が戦い、今季は10月27日に開幕。レギュラーシーズン終了は12月30日で、優勝チームは2017年2月1日から始まるカリビアンシリーズ(ドミニカ共和国、ベネズエラ、メキシコ、キューバの各WL優勝チームが戦う)に出場する。

 リーグのレベルは決して低くない。各チームのロースターの半数前後を、MLB球団所属の選手が占めている。バリバリのメジャーリーガーや、そうでなくとも3Aや2Aのマイナーリーグでプレーしていた選手たち。日本人選手の多くがマイナーリーグでプレーしてきたことを考えれば、そのレベルも分かるはず。オフシーズンの間のレベルアップの場として活用され、メジャーリーグへの登竜門として位置づけられているリーグである。

 また、プエルトリコ出身のメジャーリーガーが参加することも多く、かつては、レンジャースなどで活躍したイバン・ロドリゲスなども参加。今季のロースターの中にはカージナルスのヤディアー・モリーナ捕手の名前もある。また、巨人から平良拳太郎投手、高木勇人投手、岡本和真内野手が派遣されている。

■日本選手は「助っ人」の位置づけ、リーグのレベルも「高い」

 中南米のウィンターリーグ事情を知る球界関係者によると「リーグのレベルは高く、真剣に戦っている。マイナーリーグの選手にとっては金稼ぎの場にもなる」という。ドミニカ共和国でのウィンターリーグよりは若干レベルは落ちるが、それでもリーグのレベルは高く、しかも、どのチームも優勝を狙っている真剣勝負の場である。

 そのリーグにあって、日本人選手は「助っ人」の位置づけ。戦力と認められなければ、出場機会は減少していくし、早々に放出、帰国させられることもあるのだという。

 ウィンターリーグの世界も決して甘くない。WBC2大会連続MVPなど輝かしい実績を誇る一方で、現在36歳、過去2年で1軍登板わずか1試合に終わっている松坂。まず、所属チームが見つかるのかどうか。外国人枠は限られており、もともとメジャー球団所属の選手以外が入り込むのは難しい傾向もある。特に今年は来春のWBCに向け、メジャーリーガーが調整のために出場することを見越し、早い段階から若手をプレーさせているため、例年以上に参加が困難な状況となっている。

 ウィンターリーグ参戦を復活への足がかりとして欲しいが、果たして――。右腕の行く末に注目だ。