昨秋のラグビーワールドカップイングランド大会で4強入りしたアルゼンチン代表は10月31日、来日。11月5日には東京・秩父宮ラグビー場で日本代表と対戦する。「とても真剣な気持ちで、この試合を重要だと位置付けています。常に真剣に臨むのが、私た…

 昨秋のラグビーワールドカップイングランド大会で4強入りしたアルゼンチン代表は10月31日、来日。11月5日には東京・秩父宮ラグビー場で日本代表と対戦する。

「とても真剣な気持ちで、この試合を重要だと位置付けています。常に真剣に臨むのが、私たちのスタンスです」

 笑顔を交えて語るのは、アグスティン・クリーヴィ主将。4日、試合会場での前日練習を済ませるといくつかの取材に応じた。

 スクラムワークや仕事量、突破力に定評があるHOで、身長181センチ、体重110キロの31歳。テストマッチ(国際間の真剣勝負)への出場数を意味するキャップ数は、55をマークしている。その最初の1つを日本代表戦で獲得しているとあって(2005年4月23日/〇68-36/ブエノスアイレス)、こう決意を込めた。

「嬉しい。日本で、日本代表とプレーができる。とてもわくわくしています」

 アルゼンチンのラグビー界は、今季から大きく舵を切った。国際リーグのスーパーラグビーへ、代表チームと連携するジャガーズを初参戦させた。日本のサンウルブズとのニューカマー同士の対戦で敗れる(2016年4月23日/第9節/●28-36/秩父宮)など、4勝11敗と苦しみはした。それでも代表チームのゲームプランを深化させるなど、一定の成果はあった。

「結果はあまりよくなかったが、スーパーラグビーの経験はいいものを産み出している。これを土台にしていきたいと思っています」

 アルゼンチン代表とジャガーズの両方でリーダーシップを取るクリーヴィは、サンウルブズ戦を振り返りながらこうも話していた。

「あの試合では特別な感情が残りました。日本がとても成長したことも実感できました。リベンジをする…というよりは、また、(リセットして)戦いたい。日本代表のチームとしての速い動きは研究している。それを止める守備がキーになる」

 当日、HOの対面は堀江翔太だ。日本代表の共同主将の1人でもある堀江は、「有名な選手で、パスを放ったりもする」と警戒しつつ、「僕が相手に勝ってもチームが負けたら、それは負け。誰か1人だけを…とは思っていない。チームとしてどう勝つかを考えています」と続ける。特に、相手が強みとするスクラムでは、今秋から参加している長谷川慎コーチの指導内容を反映させたい。

 かたやクリーヴィは、「スクラムの重要性はわかっていて、日本のスクラムの戦術、堀江選手らフロントロー同士の協力の仕方もいろいろと研究しています」。サンウルブズや昨秋以前の日本代表など、長谷川コーチが加わっていないチームのスクラムをチェックしているようだ。当日の様相やいかに。(文:向 風見也)