7月18日放送の「卓球ジャパン!」は、Tリーグ2019-2020シーズン女子MVP、日本生命レッドエルフの森さくらがリモートで番組初出演。昨シーズンは、マッチ勝利数、サービスエース数、マッチ出場数でリーグ1位となり、チームの2連覇にも大きく…

7月18日放送の「卓球ジャパン!」は、Tリーグ2019-2020シーズン女子MVP、日本生命レッドエルフの森さくらがリモートで番組初出演。昨シーズンは、マッチ勝利数、サービスエース数、マッチ出場数でリーグ1位となり、チームの2連覇にも大きく貢献した彼女が、Tリーグでの自身のベストゲームトップ3を選び、それぞれの試合をDEEPに解説した。

森さくらvsハン・イン 写真 Tリーグ提供


第3位に選んだのは、2020年1月24日、トップおとめピンポンズ名古屋戦でのビクトリーマッチ、ハン・インとの対戦だ。

ある意味、視聴者にとっては1位、2位の試合よりもインパクトがあったかもしれないこの3位なのだが、普段は両面裏ソフトラバーの森さくらがバック面を表ソフトラバーに変えて挑んだというから驚きだ。

相手のハン・インは中国からドイツに帰化し、ドイツ代表としても活躍する世界屈指のカットマン。ぶつ切りの変化カットが一番の武器で、前回の対戦(12月28日)では森はカットに対してバックツッツキがうまくできず敗れており、その打開策として約1ヵ月練習してきたのがバック表でのプレーである。

ちなみにこの試合の第2マッチでは森は通常の裏裏ラケットで勝利をおさめている。つまり1度の団体戦において異なるラケットで2試合を戦うという、かなり大胆な作戦に打って出たわけだ。「表を使えばチャンスがあると思って練習してきた」という森の予感は見事に的中し、試合開始から一気に連続ポイントで相手を突き放していく。

カットに対しては表ソフトでのバックツッツキとフォアのループドライブでしっかりと返球し、あまくなったところをフォアスマッシュで狙い打った森。表ソフトへの変更は、バックツッツキがやりやすくなっただけでなく、ラケットが軽くなりスマッシュも打ちやすくなっていた。

突然のラバー変更には相手も驚いたに違いない。ゲスト出演の松下浩二(元Tリーグチェアマン)も「(自分だったら)びっくりする。精神的に狂ってしまうかも」とコメント。また「今までは回転のあるボールに対してすごくナーバスになっていたが、それがなくなって攻撃だけに集中できている」と今回の作戦がはまった要因を分析した。

過去3回ビクトリーマッチに出場して未勝利だった森だが、一世一代の"バック表作戦"を敢行し、11-6で見事勝利。大胆な作戦と勝利への執念が生み出した、驚異のベストゲームと言えるだろう。

森さくらvs加藤美優 写真 Tリーグ提供


続いて第2位も難敵を退けた思い出の一戦、2019年11月23日、日本ペイントマレッツ戦の第4マッチ、加藤美優との対戦だ。

ラリーに強い加藤に対してバック対バックでは分が悪いと読んだ森は、相手のフォアサイドを突く戦術でいくことを決意。「作戦通りうまくできた試合でした。2ゲーム目は落としたけど、それでも自分の作戦を貫いたことが良かった」と森もコメントしているが、「フォア狙い」は相手に強打されるリスクも高まるので、戦術として正しいとわかっていても、いざ狙うとなると怖いもの。その恐怖心と戦いながら、それでも最後まで自分を信じて戦術を貫いた。

その強気の姿勢が光ったのが勝利まであと2本と迫った第4ゲーム、9-8でのプレーだ。3球目バックドライブを加藤のフォアサイドに返球し、それを読んでいた加藤がフォアドライブで応酬するも、森がより厳しいコースにフォアカウンター。「加藤選手も(自分が)フォアに攻めていることは気づいていたと思うんですが、それを向こうが狙ってきたうえで、さらに攻めにいくことができて良かった」と自身の好プレーに笑顔を見せた。

森さくらvs長﨑美柚 写真 Tリーグ提供


そして1位に選んだのは、2019年12月30日の木下アビエル神奈川戦の第3マッチ、長﨑美柚戦。

首位争いをしていた木下アビエルとの大事な一戦、しかも1年を締めくくる2019年のラストマッチで「最高のプレーができた!」というベストゲームだ。

「フォアもバックも振り切れている」とMCの平野早矢香も絶賛するように、持ち前のパワフルなドライブが次々と決まった森。2-0でリードした第3ゲームは5-9と中盤で離されたが、ここから驚異の追い上げを見せて10-9と逆転。最後もスピーディーな打撃戦を制して、ラストは森の代名詞でもある雄叫び&ガッツポーズ! 「これぞ、森さくら!」という豪快なパフォーマンスで熱戦を締めくくった。

コートでもトークでもハツラツプレーを披露した元気娘・森さくら。MC武井壮との相性もバッチリで「試合で叫びがち」「筋トレ好き」「インド好き」など、2人の様々な共通点も見つかり、終始大盛り上がりの回となった。

11月から3シーズン目がスタートとなるTリーグ。2期連続のMVPとなるのか。森さくらのさらなる活躍に期待したい。

そして次回の「卓球ジャパン!」は、レジェンドシリーズ第2弾。日本男子が15年ぶりのメダルを獲得した世界卓球2000、男子団体準々決勝日本対台湾をDEEP解説。レジェンドゲストの松下浩二&偉関晴光からはメダル獲得の裏側にあった衝撃秘話が明かされる!お見逃しなく!

「卓球ジャパン!」 BSテレ東で
毎週土曜夜10時放送