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Question
ペドロにパスを出したあと、マウントはどうしたか?

 チェルシーは18歳未満の選手の海外移籍に関してFIFAが定めた規定違反により、2019年夏の移籍市場での補強禁止処分を受けた(20年1月も含めた2回の補強禁止だったが、異議申し立てをCAS/スポーツ仲裁裁判所が認めて1回に軽減された)。

 そこで、主力を放出しながらも補強はできずに2019-20シーズンを迎えることとなった。

 ただ、この苦難のシーズンで躍動したのが若手選手だ。補強ができないチェルシーは他チームに貸し出していた若手を次々と呼び戻し、フランク・ランパード新監督は積極的に起用していった。

 そのなかで象徴的な活躍を見せたのが、チェルシーのアカデミー出身のメイソン・マウントだ。

 今季公式戦49試合に出場(第37節終了時点)し、まさに主軸としてチームに貢献。ダイナミックな動きとチャンスメイクだけでなく、得点能力にも非凡な才能を発揮し、攻撃を活性化させた。



マウントは左サイドのペドロへ展開。このあと、どこへ動いただろうか

 3月8日の第29節のエバートン戦ではその能力を遺憾なく発揮した。前半14分、中盤でボールを持ったマウントが左サイドのペドロに展開。パスを出したあと、マウントはどうしただろうか?

Answer
中間ポジションでパスを受けてシュート

 これはペドロとのコンビネーションを使いながら、マウントがポジショニングの妙と機転の利いたフィニッシュで得点した場面だ。中盤でボールを持ち、左サイドのペドロへ展開したあとのポジショニングにまず注目したい。



マウントはサイドと中央の中間のスペースへ移動。ペドロからの横パスを受けてゴールを決めた

 ペドロにボールが渡り、相手右サイドバックのジブリル・シディベが釣り出され、トム・デイビスがそのカバーに入った。その間、マウントはデイビスの背中側にポジションを移動。デイビスの背後で、なおかつゴール前の相手センターバックが出て行きづらい、絶妙な中間スペースでペドロにパスを要求した。

 カットインでシディベをかわしたペドロは、マウントの足元にパスを送った。ペドロはワンツーで抜け出すイメージだったはずだ。しかしパスはややずれてマウントの遠いほうの左足に届いた。

 次の瞬間、マウントは左回りに反転しながら左足でコントロールすると、すぐに右足をコンパクトに振り抜いた。

 デイビスにとっては遠いほうにコントロールされたことで対応が難しく、GKのジョーダン・ピックフォードは素早い反転シュートを予測できず、反応がワンテンポ遅れてしまった。

 巧みなポジショニングに加え、ずれたパスを鮮やかにフィニッシュへとつなげたシュートセンスも光った、マウントのスーパーゴールだった。