コロナ禍での開催でアラム氏はファイトマネー減額を要求 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は、WBO同級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦が新型コロナウイルスの影響で延期状態となってい…

コロナ禍での開催でアラム氏はファイトマネー減額を要求

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は、WBO同級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦が新型コロナウイルスの影響で延期状態となっている。井上が契約する米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOはカシメロ陣営に対し、「イノウエのように減額を受け入れなければ、ジェイソン・マロニー対イノウエ戦だ」と警告。コロナ禍で入場料収入が減少する現状で、ファイトマネーの減額に応じない場合、WBO1位とのマッチメイクに移行する可能性を示唆している。米スポーツ専門局「ESPN」が報じている。

 4月25日に開催予定だった3団体統一戦は延期状態が続いている。5か月以上米国で合宿を続けるカシメロに対して、井上は日本国内で調整しており、試合期日の発表が待たれている。

 記事によると、アラム氏は井上が米国大使館を訪問することを明らかにした上で「彼はビザは許可されているが、最後の面接を受けなければならない。ビザが下りれば我々はここに連れてくる」と語ったという。

 だが、対戦相手がカシメロではなくなる可能性を示唆したという。

「私にはわからない。好況時に設定したファイトマネーについて、カシメロと再び話し合わないといけない。日本のハイローラーがやってきて、試合を観戦すれば、ホテルやカジノから十分な資金を手にできたが、それは以前の話だ」

 アラム氏はこう語ったという。新型コロナ禍でトップランク社は興行を再開したが無観客。入場料収入に影響している。

カシメロが受け入れなければ「マロニーを投入する」

「我々はカシメロと話さなければいけない。イノウエのように減額を受け入れるのか。もしも、答えがノーなら、イノウエ戦にジェイソン・マロニーを我々は投入する。そっちの方が素晴らしいファイトかもしれない」

 当初のファイトマネーからの減額を井上サイドが受け入れる方針だと明かし、カシメロ陣営にも減額を要求。応じなければ、WBO1位でトップランク社がプロモートするマロニーを井上と対戦させる可能性を示唆している。

 一方でカシメロのプロモーター、ショーン・ギボンズ氏はアラム氏の警告に対して、「減額やあらゆることを決める前に、まずイノウエが来ることを待っている。この男はこの国にまだたどりついていない。我々は到着を待ち続けている。この国に到着してから、方向性を決めたい」と語ったという。

 フィリピン人ファイターはファイトマネーで妥協するのか。3団体統一戦の行方に注目が集まっている。(THE ANSWER編集部)