サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~Questionこのあとグリーンウッドは、ブルーノ・フェルナンデスからの横パスをどうしたか? 7月13日、スポーツ仲裁裁判所の裁定により、ファイナンシャル・フェアプレー違反でマンチェスター・シテ…

サッカーIQラボ
〜勝負を決めるワンプレー~

Question
このあとグリーンウッドは、ブルーノ・フェルナンデスからの横パスをどうしたか?

 7月13日、スポーツ仲裁裁判所の裁定により、ファイナンシャル・フェアプレー違反でマンチェスター・シティが受けた、2年間のUEFA主催大会出場停止処分が撤回となった。

 これにより、今季プレミアリーグ2位が確定しているシティは来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得した。

 この煽りを受けるのが勝ち点1差でCL出場権を争う、レスター、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドの3クラブだ。残り3つあったはずの椅子が1つ減り、出場権争いは一気に激化することとなった。

 そんななか、リーグ再開後に5勝2分(36節終了時点)と絶好調なのがユナイテッドだ。5勝のうち4試合で3得点以上と攻撃力が爆発している。

 第33節ボーンマス戦では、攻撃の核となっている今冬加入のブルーノ・フェルナンデスと、新進気鋭の18歳、メイソン・グリーンウッドからゴールが生まれた。



グリーンウッドは、ブルーノ・フェルナンデスからのパスをもらう体勢。どのように動いて、ボールを受けただろうか

 前半29分、右サイドでボールを受けたフェルナンデスが中へ持ち出すと、逆サイドにいたグリーンウッドが中央へ動き出した。このあとグリーンウッドはどうしただろうか?

Answer
相手を中に釣り出してから、外へ逃げてパスをコントロール

 ブルーノ・フェルナンデスが右サイドから中央へボールを持ち出した瞬間、ファーサイドにいたグリーンウッドはバイタルエリアへ進入するように動き出した。そこに対応したのがボーンマスの右サイドバック、アダム・スミスである。



グリーンウッドは、中に行く動きで相手を釣ってから、外に逃げてフリーでボールを受け、シュートを決めた

 中に入ったグリーンウッドが、ブルーノ・フェルナンデスからのパスを中央で受ける。後方から視界に現れたグリーンウッドを見た瞬間に、スミスはそうイメージしたはずである。しかし、それは仕掛けられた罠だった。

 スミスも中に動いた瞬間、グリーンウッドはバックステップでファーサイドへ逃げた。中で受けてシュートというイメージは、スミスを釣り出すための駆け引きだったのだ。

 ブルーノ・フェルナンデスからのパスが通ると、スミスのマークを外したグリーンウッドは得意な左足の前へ完璧にコントロールし、鋭く左足を振り抜いた。

 この試合2得点したグリーンウッドは、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。第35節までで公式戦16ゴールをマークし、同年齢時のウェイン・ルーニーの17ゴールにあと1ゴールと迫っている。シュートテクニックに天賦の才を備えるグリーンウッドが、同クラブのレジェンドを超える日は近い。