10月30日、秩父宮ラグビー場に初登場の栗田工業ウォーターガッシュがセコムラガッツを78-12と破り4勝目を挙げた。すでに釜石シーウェイブス、日野自動車に敗れているが、35-40、20-27と接戦でのモノ。上位と差がないことを証明している。

 序盤はセコムのシャローディフェンスにミスが続出。しかも、インターセプトから先制トライを与えた。それでも、逃げることなく構築してきたスタイルでボールを動かす。自陣からも15人が細かいパスをつなぎ、チャンスをうかがう。ゲインラインを突破すれば、外のフィニッシャーにボールを運ぶ。

「簡単なミスが多かった。(スコット・)ピアース ヘッドコーチが導入してくれたシステムを信じ、効率よく攻められるようになってきました。細かいミスは反省点ですが、上位とも互角に戦える自信はあります」とLO中尾光男主将。

 ピアース ヘッドコーチによれば、「チャンスは多いのにミスで逃す。ゲームコントロールの部分に問題がありました。セコムのプレッシャーも厳しかったですが、ハンドリングエラーの多さは改善していかないと」と振り返る。

 それでも9分には、スクラムからのサイド攻撃を起点にLO藤原慎介がトライ(ゴール成功)を挙げて逆転すると、前半はFWの圧力を中心に6連続トライを奪い、38-5と試合を決めた。

 後半の主役はフィニッシャーのWTBベン・ポルトリッジ。開始直後のキックオフボールをFWがターンオーバーすると、一気に外に展開。右サイドを持ち前のスピードで走り切り1本目のトライ。後半37分には自陣から60メートルを走る脚力の違いを見せると、ロスタイムには3本目のトライを挙げた。

「栗田さんのキーマンであるポルトリッジにトライさせないことを念頭に準備してきましたが、後半にタックルミスが増えた」と話すのはセコムの岡本信児ヘッドコーチ。

 先発には若いメンバーが並ぶ栗田FWだが、新加入、31歳のPRジェイコブ・エリソンの存在感も際立つ。スーパーラグビーのハリケーンズ、ハイランダーズを経験、2013年から2季はサニックスにも所属して、日本ラグビーを理解している。
「彼はいつも100パーセントなのが素晴らしい。お手本にもなるので。日本のシステムを理解しているし、フィットすると思っていました」とピアース ヘッドコーチ。

 セコムに快勝して4勝2敗。次節の11月5日は、ホームに全勝の一角、三菱重工相模原ダイナボアーズを迎える。

「今一体感があるので、それをもっと強固なものにして、対戦したい。苦手意識もないので、まとまればいける。しっかりと準備したいですね」(中尾主将)

 15人が機能してこその栗田スタイル。今、選手たちはチーム戦術を信じ、個々のやるべきことに集中している。惜敗した2試合のことは忘れ、前を向くのみ。(取材:福田達)