7月19日、阪神競馬場でGⅢ中京記念(芝1600m)が行なわれる。4月のGⅡマイラーズCで2着に入るなど、8歳にし…
7月19日、阪神競馬場でGⅢ中京記念(芝1600m)が行なわれる。

4月のGⅡマイラーズCで2着に入るなど、8歳にして好調なベステンダンク
このレースはその名のとおり、例年は中京競馬場で行なわれているが、今年は京都競馬場の改修工事の影響で西日本での開催が調整されており、阪神での開催となった。距離が2000mだった頃(2011年まで)に何度か小倉競馬場でレースが行われたことはあるが、阪神競馬場での開催は68回目にして初めてとなる。
阪神競馬場のマイル戦といえば、GⅠ桜花賞、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ、GⅠ朝日杯フューチュリティSといったGⅠレースがある。しかし現在、古牡馬が出走できるレースもハンデ戦も開催されておらず、「阪神で行なわれるハンデ戦の古牡馬マイル戦」はかなり珍しい条件となる。
過去、この条件で行なわれたレースは1回のみ。2011年4月のGⅢダービー卿チャレンジだ。このレースは通常、中山競馬場で行なわれるのだが、東日本大震災の影響で阪神での代替開催となり、8番人気ブリッツェンが勝利。3連単は135,230円という波乱の結果になった。今年もイレギュラーな開催で、しかもここ2週は雨天続きで道悪が続き、時計も要している。波乱の可能性は十分だ。
今年のメンバーで筆者が狙いたいのはベステンダンク(牡8歳/栗東・安達昭夫厩舎)だ。
8歳でキャリア44戦目を迎える大ベテランホースだが、前走の都大路S(京都/芝1800m)を勝利。重馬場も苦にせず、2番手から押し切るなど元気いっぱいだ。前々走はGⅡマイラーズC(京都/芝1600m)で、GⅠ2勝のインディチャンプから2馬身差の2着に入っている。
阪神の芝1600mでは、2018年のOP米子Sで2着に5馬身差をつける、1分31秒9の好タイムで圧勝。全7勝中5勝を挙げる京都をもっとも得意としているが、阪神でも13戦して2勝、2着2回、3着1回と好成績を残している。速い時計にも対応でき、今回は荒れ気味の馬場だけに先行力があるのも強み。57kgのトップハンデとなるが、前走は58kgを背負って勝利しているため問題はなさそうだ。
このレースは昨年こそ1着グルーヴィット、2着クリノガウディーと3歳馬がワンツーフィニッシュを果たしたが、1600mで行なわれるようになってからの8回では5歳馬が4勝、6歳馬が3勝と高齢馬が健闘している。
8歳は高齢すぎるイメージもあるかもしれないが、今年はGⅢダービー卿チャレンジのクルーガー、GⅢアンタレスSのウェスタールンド、障害競走のGⅡ京都ハイジャンプのスズカプレスト、GⅢ鳴尾記念のパフォーマプロミスと、重賞レースでの8歳馬の活躍が目立っている。ベステンダンクもこれに続きたい。
もう1頭狙いたいのがミッキーブリランテ(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)だ。3歳時からGⅢシンザン記念(京都/芝1600m)3着など重賞戦線でも上位争いを見せていたが、4歳を迎え、充実ぶりを見せている。
2走前の錦S(京都/芝1600m)を勝ってオープン入りし、前走の米子S(阪神/芝1600m)では後方追走から鋭く脚を伸ばして、勝ち馬から0秒4差の3着に入った。今回のハンデは54kgで、前走から2kg減となるのも好材料。阪神コースの相性もよく、前述の米子S、未勝利戦(芝1800m)、今回と同じ距離の500万下(芝1600m)で勝利している。
血統的にも魅力十分だ。母エピックラヴは仏GⅢヴァントー賞勝ち馬で、仏GⅠサンタラリ賞でも短首差の2着に入った実力馬。2歳の半弟ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)は6月28日の新馬戦(阪神/芝1800m)を圧勝し、早くも来年のクラシック候補と目されている逸材だ。弟より先に重賞タイトルを獲得し、兄の面目を保っておきたいところだろう。
以上、今年の中京記念は重賞初制覇を狙うベステンダンクとミッキーブリランテに期待したい。