◆先週の血統ピックアップ

・7/12 七夕賞(GIII・福島・芝2000m)

 後方に控えたクレッシェンドラヴが勝負どころで馬群を縫って上昇し、直線で食い下がるブラヴァスを突き放して快勝しました。福島記念に続く当地ふたつ目の重賞制覇、そして、昨年2着の雪辱を果たしました。福島芝では通算[2-3-0-0]。立ち回りの上手さ、長くいい脚を使える、というこの馬の長所がコース適性に表れています。

 父ステイゴールドはサンデーサイレンスの代表的な後継種牡馬の一頭で、小回りコースでの強さに定評があります。そして、スタミナと道悪適性にも恵まれています。オルフェーヴル、ゴールドシップ、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、フェノーメノといった大物産駒は多かれ少なかれそうした特徴を表現していました。直線の長いコースで速い脚を使うディープインパクト産駒とは対照的です。だからこそ、凱旋門賞、有馬記念、宝塚記念といった舞台で抜群の実績を残すことができたわけです。

 今回は小回りコースでなおかつ道悪競馬。ステイゴールド産駒の得意条件です。ちなみに先週、同じ福島のラジオNIKKEI賞を逃げ切ったバビットはナカヤマフェスタ(父ステイゴールド)産駒でした。この時期のローカル戦におけるステイゴールド系は要注意です。

・7/12 プロキオンS(GIII・阪神・ダ1400m)

 後方から外を回って進出したサンライズノヴァが直線で力強く抜け出し、4つ目の重賞制覇を飾りました。昨年秋のマイルチャンピオンシップ南部杯を制し、JpnIウィナーの仲間入りを果たしている実力馬ですが、今回は59kgの別定重量。そのため5番人気と評価が下がっていました。この斤量を背負って1分21秒8で駆け抜け、他馬を問題にしないのですから能力がワンランク上でした。

 父ゴールドアリュールはエスポワールシチー、コパノリッキー、スマートファルコン、クリソベリル、ゴールドドリームなど多くの砂の名馬を出している大種牡馬。サンデーサイレンス系だけあってスピード勝負に強く、東京ダ1600mにおける強さは格別です。今回は1400mですが、ワンターンの軽いダート、という条件は東京ダ1600mと共通しています。

 本馬は母方にミスタープロスペクターとロベルトを併せ持つゴールドアリュール産駒ですが、このパターンは配合的に成功しており、他にコパノリッキー、オーロマイスターなどが出ています。

◆今週の血統注目馬は?

・7/19 横手特別(2勝クラス・福島・ダ1700m)

 登録馬の父のなかで福島ダ1700mに強い種牡馬はヘニーヒューズ。通算56戦16連対(連対率28.6%)という成績は、2010年以降、当コースで産駒が20走以上した113頭の種牡馬のなかで第3位です。当レースにはカフジストームとクレッセントムーンの2頭が登録しています。前者は長期休養明けを一度叩いて臨み、後者は前走当クラスで3着と、いずれも有望です。

◆今週の血統Tips

 このところ雨模様のぐずついた天気が続き、馬券的な難易度は上がっているという印象です。当たり馬券に近づくには道悪の巧拙を見抜くことが重要です。

 2010年以降、芝の重・不良馬場で産駒が50走以上した種牡馬のなかで、連対率第1位はドリームジャーニーの25.0%です。その全弟オルフェーヴルも21.2%で4位に食い込んでいるので、ステイゴールド系はやはり道悪では侮れません。

 2位はディープインパクトの24.6%。道悪巧者というイメージはありませんが、じっさいはどんな馬場もオールマイティーにこなすタイプです。芝の良・稍重の連対率が25.4%ですから、若干数字は下がるものの、「道悪だからディープインパクト産駒を切る」という発想は危険です。ちなみに、ドリームジャーニーは良・稍重では14.6%なので、こちらは道悪でこそ狙ってみたいタイプです。

 (文=栗山求)