2008年の「ウィンブルドン」男子シングルス決勝、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)の対戦は、テニス史上最高の試合の一つとみなされている。その試合にはすべてがあった。長い中断により感情は引き伸ばされ、誰もが手に汗…

2008年の「ウィンブルドン」男子シングルス決勝、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)の対戦は、テニス史上最高の試合の一つとみなされている。その試合にはすべてがあった。長い中断により感情は引き伸ばされ、誰もが手に汗を握った試合だった。ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。【実際の映像】ナダルvsフェデラー伝説マッチと言われている2008年ウインブルドン決勝戦

ナダルにとっては特別な瞬間だった。もちろん歴史的な「ウィンブルドン」のセンターコートで優勝することを望まない選手はいないだろうが、ナダルは2006年と2007年に連続で決勝へ進出し、2年続けてフェデラーに敗れていたのだ。当然ナダルは虎視眈々とリベンジを狙っていた。

先日ナダルはBBCのインタビューで、「ウィンブルドン」とそのカリスマについて語った。3年連続の決勝進出、どうやって2008年に遂にその栄光を掴むことができたのかを。「“ウィンブルドン”は誰にとっても特別だ。僕が子供だった頃は、いつもピート・サンプラス(アメリカ)が優勝するのを見ていた。僕の個人的な目標だった」

ナダルは2006年と2007年の経験を、2008年に活かした。ゆっくりそこを目指して、最後に「ウィンブルドン」でのフェデラーの破り方を習得したのだ。

ナダルは語る。「2006年には、自分が勝てると信じていなかったと思う。2007年は、まったく違った。戦えると感じていたし、実際に戦った。フルセットで敗れたけど、チャンスはあった。そして2008年には、決勝まで素晴らしいプレーができていて、優勝候補はフェデラーだとしても僕は勝つ準備ができていた。一瞬も勝てることを疑わなかった、ピンチは、特に第4セットには何度もあったけどね」

勝利が決まった瞬間には、コートに倒れて叫んだことを憶えているという。その大きな喜びの表現には、ナダルがどれほどこのトロフィーを望んでいたかが溢れていた。

「もちろん、とても緊張していた。誰もが緊張していたと思う。憶えているのはコートに倒れて叫んでいたことだけだよ」

ナダルはその後2010年にも「ウィンブルドン」で優勝。そのタイトルはナダルの目標だった。2008年の決勝は素晴らしい戦いで、テニスファンの心に永遠に刻まれている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2008年「ウィンブルドン」優勝決めた瞬間のナダル                                                            (Photo by Tom Jenkins/Getty Images)