中日のドラフト1位ルーキー・石川昂弥が、7月12日の広島戦(ナゴヤドーム)にスタメン「7番・三塁」で一軍デビューを果た…
中日のドラフト1位ルーキー・石川昂弥が、7月12日の広島戦(ナゴヤドーム)にスタメン「7番・三塁」で一軍デビューを果たした。注目のプロ初打席で石川は、広島先発の遠藤淳士からレフト線に運ぶ二塁打を放ち、鮮烈なデビューを飾った。この記念すべきプロ初安打を解説者はどう見たのか。かつて中日の中軸として活躍した森野将彦氏に聞いた。

デビュー戦のプロ初打席で二塁打を放った中日ルーキーの石川昂弥
── まず、キャンプ、オープン戦から石川選手を見られたと思うのですが、どのような印象を持ちましたか。
「最初に見た時から右の長距離砲としての素質を感じました。タイミングの取り方がうまいですし、バットを振る力がある。ボールを遠くに飛ばせる能力に長けていて、しっかりインサイドからバットが出るので広角に打てる。高卒1年目とは思えないほど、技術力の高さを持った選手だと思いました」
── プロ初打席で、石川選手はレフト線に二塁打を放ちました。ただ、そのあとの3打席はいずれも三振に倒れました。デビュー戦での石川選手の打撃を見て、森野さんの率直な感想を聞かせてください。
「積極的にバットを振った結果が、あの初打席の二塁打になったのだと思います。デビュー戦のプロ初打席という緊張感のなかで、あれだけしっかりバットを振れたというのはたいしたものだと思います。
ただその一方で、狙い球もなく、来たボールに対してバットを振っている印象を受けました。それが2打席目以降の3三振につながったのだと思います。今後はバットを振ることも大事ですが、振るまでの準備をしっかりして打席に立ってほしいですね。ピッチャーの特徴、配球、状況……。そうすればプロの配球にも慣れてくるでしょうし、自ずと対応力も上がってくると思います」
── 今回の一軍昇格は高橋周平選手のケガによるものでした。今後、高橋選手が戻ってきた時、石川選手にとってどのような起用法がベストだと思いますか。このまま一軍に帯同させるのか、それとも二軍で実戦経験を積み重ねるほうがいいのか。
「このまま一軍ですばらしい結果を残し続ければ別ですが、高橋が戻って来れば二軍で育てるのがベストだと思います。もちろん、一軍で経験を積ませながら育成する方法もあると思うのですが、まだまだすべての部分でそのレベルには達していないと思います。
とくに石川のような長距離砲はしっかり下地をつくってから一軍に上げるほうがいい。とにかく1打席でも多く立って、まずはプロのボール、配球に慣れることです。多少時間はかかっても、そのほうが大きく伸びると思いますし、それがチームのためにもなるのではないでしょうか」
── デビュー戦を見て、課題はたくさんあったと思います。今後、どのように向き合い、どんな練習をすればいいでしょうか。
「試合に出る以上、相手投手の傾向やデータを頭に入れながら打席に立たなければいけません。高校時代のように、来たボールを打つだけでは結果は残せません。今後はそうした予習をしっかりしながら、自身のレベルアップもしていかなくてはいけません。
そのためには、とにかく反復練習をすることだと思います。それを繰り返していけば自分の形ができあがりますし、結果もついてくる。なにより、プロ野球選手としての体力がついてくる。これから暑さが厳しくなりますし、体もへばってくる。その時にどれだけ練習を積めたかがこれからの財産になってきます。そのことも頭に入れながら頑張ってほしいですね」
── ドラゴンズOBとして、将来的にどんな選手になってほしいですか。
「最近のドラゴンズにはいないスケールの大きな選手になってほしいですね。そしていずれは、球界の4番を打つ選手になってほしいと思います。本拠地がナゴヤドームになってから、中日の日本人選手でホームランを40本以上打った選手はひとりもいません。だからこそ、石川には40本を目指してほしいですし、それだけの可能性を感じます。まだプロ生活はスタートしたばかりですが、プロ初打席で放った二塁打を自信にして、さらなる飛躍を期待したいですね」