ファン対応の“密”をスペイン記者がSNSに投稿「これは間違っている」 主催したチャリティー大会で新型コロナウイルスに感染した男子テニスの世界ランク1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が非難を浴びていたが、ロジャー・フェデラー(スイス)にも火…

ファン対応の“密”をスペイン記者がSNSに投稿「これは間違っている」

 主催したチャリティー大会で新型コロナウイルスに感染した男子テニスの世界ランク1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が非難を浴びていたが、ロジャー・フェデラー(スイス)にも火の粉が降りかかっている。スペイン人記者が町中でファンサービスする様子の画像を公開。批判が“飛び火”したが、スイス紙は「クラブで踊ってはいない」と擁護している。

 黒いTシャツ姿のフェデラーがファンの要望に応えている。10人近くのファンに囲まれた皇帝。一人ひとりの写真撮影やサイン攻めに応じているようで、周囲のファンたちは嬉しそうな笑みを浮かべている。スイス大衆紙「ブリック」は「ジョコビッチと同じ この写真でフェデラーもコロナ批判の的に」の見出しで記事を掲載。こうつづっている。

「ロジャー・フェデラーが外を歩けば、すぐに人だかりができる。コロナの時代では、それも問題なしとはいかない」

 ジョコビッチは6月にセルビアとクロアチアで慈善大会「アドリア・ツアー」を開催したが、十分な感染対策を講じていない試合運営が批判を集めていた。試合後にはナイトクラブでパーティーに興じ、ジョコビッチら参加4選手らが新型コロナに感染。選手や各国メディアから非難されていた。

 記事では「アドリア・ツアーの件で、ノバク・ジョコビッチは世界のメディアから袋叩きされている」と説明。さらに「しかし、ツイッターに上げられた写真をめぐり、セルビア紙『ブリツ』は『ジョコビッチからフェデラーに交代する時がやってきたようだ』と報じた」としている。ファンサービスに応じる様子をジョコビッチの母国紙が批判的に報じているという。

スイス紙は警鐘「スターはあっという間に批判の的にされる」

 ブリックはスペインのテニス記者、ホセ・モロン氏が画像付きで投稿したツイートを紹介。ファンと写真に収まり、サインを求められるフェデラーの姿が写されている。そして、モロン氏の文面をこう紹介している。

「モロンは『ジョコビッチで言われていたことをしなければならない。フェデラーはマスクも着用せず、1メートル以上の距離も取らずにファンと写真撮影をしている。1本のペンでサインをする様子が分かる』とつづり、『これは間違っている』と投稿した」

 ジョコビッチが批判を浴びたように、フェデラーも感染の可能性のある“密”の状況にいると指摘しているようだ。ブリックでは「しかし、彼(モロン氏)のフォロワーは完全に同じとはみなしていない」と説明。同氏のツイートには「この状況を同じにはできない。ロジャーはテニスツアーを開催していない」とコメントした人もいるという。

「彼(フェデラー)は肩を組んでもいなければ、クラブで踊ることもしていない。ペンを共用するリスクもごくわずかだ。事実、状況は比べるものではない。十数人に囲まれるのと、1000人単位の観客、コンサートやパーティー訪問とは違う。しかしながら、スターもあっという間に批判の的にされるということを示している。行動の一つ一つが見られているのだ」

 母国のスーパースターを擁護しながら、有名人の立場について記しているようだ。(THE ANSWER編集部)