サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~Questionギュンドアンにパスしたあと、背後を見たフォーデンはどうしたか? あのペップ・グアルディオラ監督が重用し続けている若き英傑がいる。マンチェスター・シティのフィル・フォーデンだ。グア…
サッカーIQラボ
〜勝負を決めるワンプレー~
Question
ギュンドアンにパスしたあと、背後を見たフォーデンはどうしたか?
あのペップ・グアルディオラ監督が重用し続けている若き英傑がいる。マンチェスター・シティのフィル・フォーデンだ。グアルディオラは弱冠20歳のこのイングランド人MFを「見てきたなかで最も才能がある」と賞賛を惜しまない。
8歳からシティのアカデミーでプレーしていたフォーデンは、その頃から秀でたタレントを見せていたという。鋭いドリブル突破に繊細なボールタッチ、優れたプレービジョン、高い戦術理解度。そのプレーぶりから、アンドレス・イニエスタにもたとえられる。
シティの監督に就任した当初から、グアルディオラはその才能に惚れ込んだ。シティは今季終了後にダビド・シルバの退団が決定しているが、その穴を埋めるのはフォーデンになるだろう。
イニエスタと比べ、フォーデンはよりゴールへの意識が高く、そこで個性を発揮している。第32節リバプール戦では、リーグ王者を相手にその才能を遺憾なく発揮した。
ギュンドアンへボールを落とし、背後を確認したフォーデン。このあとどんなプレーをしただろうか
前半45分、ロドリからのパスをワンタッチでイルカイ・ギュンドアンに落とすと、すぐに背後を見たフォーデン。彼はこのあと、どうしただろうか?
Answer
スペースに動いて、ロバートソンを釣り出した
フォーデンが、まさにサッカーIQの高さを発揮し、堅守リバプールの急所を突いたシーンである。このプレーの肝は、ロドリからのパスをワンタッチでギュンドアンに落としたあとの動きだ。
フォーデンはスペースへ動くことで相手を釣り出し、ワンツーからゴールを決めた
ギュンドアンにパスをしたあとに一瞬後方を確認すると、ギュンドアンとの角度をつけるように、右のスペースへすっとポジションを移動した。このポジション移動には明確な意図があった。
フリーでパスを受けようとするフォーデンに食いついたのが、リバプールDFのアンドリュー・ロバートソン。しかし、これがフォーデンの狙いだった。
ギュンドアンからのリターンをコントロールすると、前に出てきたロバートソンを十分に引きつけてケビン・デ・ブライネに縦パス。すぐさまロバートソンが空けた裏のスペースへ走り込み、デ・ブライネのリターンをもらってフィニッシュした。
ほんの5mほどのポジション移動でリバプール守備陣に穴を空け、デ・ブライネとの見事なワンツーで崩し切った。他クラブからどんなオファーがあっても、グアルディオラが手放そうとしない、フォーデンの才能溢れる鮮やかなゴールだった。