堀江翔太と立川理道。2人のキャプテンの誕生だ。 11月5日におこなわれるアルゼンチン戦とその後の欧州ツアー(ジョージア、ウエールズ、フィジーと3テストマッチ)を戦う32名の日本代表が10月28日に発表された。そのうちノンキャップの選手が1…

 堀江翔太と立川理道。2人のキャプテンの誕生だ。
 11月5日におこなわれるアルゼンチン戦とその後の欧州ツアー(ジョージア、ウエールズ、フィジーと3テストマッチ)を戦う32名の日本代表が10月28日に発表された。そのうちノンキャップの選手が17名。PR稲垣啓太、LO大野均、宇佐美和彦、バックローの徳永祥尭、WTB藤田慶和らは怪我で選出の対象とならず、諸事情での辞退者も数名いる中でのセレクションだった。

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(以下、HC)は言った。
「今回のメンバーは新しい選手も多ければ、35歳の仲谷さん(聖史/PR)などベテランもいて、ユニークな構成になっています。それをひとりのキャプテンがまとめるのは大変です。(2人の)共同キャプテン体制は、そういう状況をうまく乗り越えるためのもの。私とアシスタントコーチのトニー・ブラウンがこれまでやってきたチームの中でもうまくいった体制です。よいチームになるには、皆に同じ方向を向かせ、同じ目的を持つのが大事ですから」
 ハイランダーズを率いてスーパーラグビーチャンピオンの座に就いた道程と方法に自信を持っているようだった。
 
 首脳陣と選手たち(リーダー)で話して決めたチームスローガンは『ONE TEAM/ FOR JAPAN, ALL ATTITUDE』。立川新主将は「海外出身選手も、ベテランも、若い選手も一緒になって、チーム全員がジャパンに100%コミットできるようにしたい」と、スローガンを踏まえて意気込みを語った。
 ジョセフHCは、指名した2人の主将について信頼の深さをこう話した。
「堀江と立川の2人は日本のベストプレーヤー。リーダーシップも申し分ないし、日本代表ジャージーの持つ意味も深く理解している。ただ、忘れてはいけないのはふたりはプレーヤーであり、(自分の)パフォーマンスがとても大事ですが、それもリーダーシップとともに発揮してくれると思っています」

 まずはアルゼンチン戦に向けてチーム作りをおこなうことになる新生ジャパン。トップリーグの前半節終了後、1週間の準備期間しかない。ジョセフHCは「スピードを重視した戦いをしたい」と大まかな方向性を示した。
「FWは昨年のワールドカップから大きく変更がありましたが、BKは残っているメンバーが多い」
 ブラウン アシスタントコーチは、「アタックとは、チームとしてどう機能するかということ。ワンチームになることが必要です。スピード、スキル、スペース。その3つにフォーカスして戦います」と言った。
 バックローにはハードタックラーが揃ったが小柄な選手が多い。選手同士の距離が本当の意味で深くなるのは、ツアーが始まって時間が経過してからだろう。アルゼンチン戦に牙を剥くことができるか、牙を剥かれるか。新HCの手腕が期待される。

 今秋、日本代表が挑むのは自分たちよりも世界ランキングが上位の4か国。
 11月5日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれるアルゼンチン代表戦が初陣となり、その後はヨーロッパへ飛んで、同月12日にジョージア代表戦(トビリシ/ミヘイル・メスキ・スタジアム)、19日にウェールズ代表戦(カーディフ/プリンシパリティ・スタジアム=ミレニアム・スタジアム)、26日にフィジー代表戦(フランス・ヴァンヌ/スタッド・ドゥ・ラ・ラビーヌ)と続く。

<FW:18名>
畠山健介(サントリーサンゴリアス/75キャップ)
三上正貴(東芝ブレイブルーパス/33キャップ)
仲谷聖史(ヤマハ発動機ジュビロ/―)
山路泰生(キヤノンイーグルス/―)
山本幸輝(ヤマハ発動機ジュビロ/―)
伊藤平一郎(ヤマハ発動機ジュビロ/―)

堀江翔太(主将/パナソニック ワイルドナイツ/44キャップ)
木津武士(神戸製鋼コベルコスティーラーズ/43キャップ)
日野剛志(ヤマハ発動機ジュビロ/―)

谷田部洸太郎(パナソニック ワイルドナイツ/6キャップ)
アニセ サムエラ(キヤノンイーグルス/―)
梶川喬介(東芝ブレイブルーパス/―)
ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機ジュビロ/―)

三村勇飛丸(ヤマハ発動機ジュビロ/―)
布巻峻介(パナソニック ワイルドナイツ/―)
マルジーン・イラウア(東芝ブレイブルーパス/―)
アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/9キャップ)
松橋周平(リコーブラックラムズ/―)

<BK:14名>
田中史朗(パナソニック ワイルドナイツ/54キャップ)
矢富勇毅(ヤマハ発動機ジュビロ/16キャップ)
小川高廣(東芝ブレイブルーパス/―)

立川理道(主将/クボタスピアーズ/46キャップ)
田村優(NECグリーンロケッツ/38キャップ)
小倉順平(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/―)

アマナキ・ロトアヘア(リコーブラックラムズ/―)
ティモシー・ラファエレ(コカ・コーラレッドスパークス/―)

福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ/17キャップ)
山田章仁(パナソニック ワイルドナイツ/15キャップ)
カーン・ヘスケス(宗像サニックスブルース/14キャップ)
レメキ ロマノ ラヴァ(ホンダヒート/―)

松島幸太朗(サントリーサンゴリアス/18キャップ)
笹倉康誉(パナソニック ワイルドナイツ/3キャップ)